詩小説『春風』3分の新しい季節。惜別の時に。

エピソード文字数 406文字

春風

春風を突き抜けて貨物列車は橋を渡ります。想い出してしまえば痛いくせに、忘れてしまいたくない記憶を運びます。

歌い手知らずの鼻歌を口ずさむように、誰も知らないような場所で終わらせます。

生まれたての春に。差し込む光、陽だまりの中で、少しだけ眠りにつきます。あなたの想い出を抱いて眠ります。

あなたはこんな春の日に何を想いますか?

頬を触る冷たい風は、いつのまにか春風になっていたこと。ふと気づかされます。いまさらになって気づくのです。

小さな粒が窓のガラスにくっついて、少しばかりの通り雨です。

雨上がりの土手。沸き立つ湯気の煙のように、暖かな日に、音も立てずにきえるのです。

生まれたての春に。差し込む光、陽だまりの中で、少しだけ眠りにつきます。あなたの想い出を抱いて眠ります。

あなたはこんな春の日に何を想いますか?

あなたはこんな春の日に何を想いますか?

永遠に眠りにつくのです。
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登場人物紹介

主人公はあなたです。それぞれの恋愛模様を『詩小説』で。

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