何もない(6)
文字数 448文字
私は救いを求めるように、床に散乱している陶器の破片を握った。
その鋭利な側面で、握った手を切り、血が滴る。
破片の先端を救急隊員に向ける。
真っ直ぐに向けているはずなのに、腕が震える。
救急隊員は、一歩下り、身構える。
警察官達は、距離をとり、私をなだめようとする。
しかし、頭がぐわんぐわんと脈打ち、何て言っているのか理解が出来ない。
私は、その破片の先端を首元に向ける。
警察官達が私を囲う。
私は、大きく息を吸い込んだ。
そして、勢いに任せて、破片の先端を喉へ突き刺そうと腕に力を入れた。
これで、解放される。
一瞬の恐怖と痛みを受け止める為、目をぎゅっと閉じる。
破片の先端が喉元へ向かい進んでいく。
しかし、ぱしっと、腕を掴まれた感覚がした。
私は驚いて目を開いた。
警察官が、私の腕を掴んで、自殺を阻止していた。
私は暴れ狂った。
それを見た、他の警察官も、私の体を押さえ付け、両手を拘束した。
警察官達は、私に有無も言わせずに、連行し、出入り口から店外へ出た。
霧は陽に温められて、薄霧になっていた。
駐車場が朧げに見える。
その鋭利な側面で、握った手を切り、血が滴る。
破片の先端を救急隊員に向ける。
真っ直ぐに向けているはずなのに、腕が震える。
救急隊員は、一歩下り、身構える。
警察官達は、距離をとり、私をなだめようとする。
しかし、頭がぐわんぐわんと脈打ち、何て言っているのか理解が出来ない。
私は、その破片の先端を首元に向ける。
警察官達が私を囲う。
私は、大きく息を吸い込んだ。
そして、勢いに任せて、破片の先端を喉へ突き刺そうと腕に力を入れた。
これで、解放される。
一瞬の恐怖と痛みを受け止める為、目をぎゅっと閉じる。
破片の先端が喉元へ向かい進んでいく。
しかし、ぱしっと、腕を掴まれた感覚がした。
私は驚いて目を開いた。
警察官が、私の腕を掴んで、自殺を阻止していた。
私は暴れ狂った。
それを見た、他の警察官も、私の体を押さえ付け、両手を拘束した。
警察官達は、私に有無も言わせずに、連行し、出入り口から店外へ出た。
霧は陽に温められて、薄霧になっていた。
駐車場が朧げに見える。