第7話

文字数 5,613文字

 後先を考えて杏を部屋に連れ込んだのではない。この後どうしようかと考えるのは、節理を通した悩みだった。真は静かに立ち上がり、窓から外を眺めた。宝石のように輝いている海に光が反射して、天使が部屋につけるカーテンのように揺らめいていた。真が窓際によると、杏もその隣にくっついて外を眺めた。
 目つきは悪いが、言動は可愛らしい子供と大差ない。彼女は心の拠り所を見つけて、ようやく落ち着けたのかもしれない。一匹狼だった真も、彼女が近くにいることが苦ではなかった。ここで人を助けずして、探偵と名乗るわけにはいかない。
「ウィンチェスターって知ってる?」
 視線は相変わらず合わせようとしない。だから彼女は窓に話しかけていた。真はこう返した。
「天蓋に描かれていた絵のことだろ」
「魔術師ウィンチェスター。ルピナスに参加している人なら、聞いたことのある人が多いかもしれない。参加するのは初めてなんだね」
 遠くで海鳥達が飛んでいる。今日も明日も晴れなのだから優雅に飛んでいる。真は「そうだ」と言った。
「ウィンチェスターは、この世ならざる者。でも確かに存在していて、奇跡を起こす。私は最初はオカルトとか全然興味なかったし、信じてもいなかった。でも何度かルピナスに参加して、だんだんとウィンチェスターがいるって思うようになってきた」
「超自然的な存在なんだろ。それなのに考えが変わったっていうのは、何か信じるのに値する出来事でもあったのか」
「あった。彼はね、姿こそ無いけれど人間に奇跡を宿すんだよ。その人間の意志の強さ、心の強さで。私は一度、どうしても勝ちたいルピナスの試合があった。その時私は探偵で……ただ勝ちたかった。現実じゃ酷いことばっかり起こるから、せめてゲームでは勝ちたかった」
 彼女の家族のことを思えば、ゲームという非現実的世界に傾倒(けいとう)していくのは容易に想像ができた。ここにきて真は初めて、ルピナスというのが彼女にとって生きる世界の一つなのだと気付いた。
「犯人は何となく察しがついてた。直感だったけど、あの男だって思って、でも証拠がない。絶対に怪しいのに誰も私を信じないし、ヤケになった私は癇癪(かんしゃく)を起こして自分の部屋に閉じこもった。それで鍵をかけて、朝が早かったのと一人になった安心感で昼寝したんだ」
「犯人のいる場所で昼寝する探偵か。新しいな」
「考えてたら寝ちゃってたんだよ――それで、三十分くらいかな。起きた私は推理を続けようとチョコレートを食べようとした。そして見つけた、机の上に乗っていたメモ用紙」
 鍵の掛かっていた部屋に置かれていたメモ用紙。彼女はそこには触れず、語り部のように続けた。
「午後十九時、二〇六号室にて犯人と犠牲者が同室する。お前のその熱意ある行動に感心し、この宣託を授ける――と書いてあって、最後には右下の方に魔術師ウィンチェスターって」
「実際にその通りになったのか」
「うん。指定された時間に行ってみたら、私が怪しいと思った男と犠牲者が同室してちょうど語っているところだった。私は犯行現場を取り押さえたっていう判定になって、これまでの殺人方法のトリックを破って勝利。ゲームで殺されちゃった人達からも褒めてもらえて、すごく嬉しかったからよく覚えてる」
 真は、彼女の目の前で起きた奇跡をどう飲み込もうか考えこんだ。
「私はあんまり詳しく知らないけど、行峯ならもっと詳しく色々知ってるかも」
「知り合いなのか? 行峯とは」
「ルピナスでね、何度か論戦を交えてる。私は嫌いだけど。あの子」
 性格が対照的だから、嫌うのは当然だろう。人間は同じ気を持つ人間ほど惹かれ合うものだ。礼儀正しくて行儀良く、愛想が良い茉莉のことを杏が猫被りの醜悪(しゅうあく)な子供と(さげす)んでもおかしい話ではない。茉莉も一人で参加している様子だから、杏のほかにも敵は多いのだろう。子供の頃、八方美人にこそ敵が多いというのは当然なのかもしれない。
「もしかしたら、今回のゲームは良くないことが起こるかもしれない」
 脈絡(みゃくらく)もなく彼女がそう言った。今までと変わらない声のトーンだったが、真は周囲がシンと静まり返って彼女の声だけが耳を侵したように感じた。
「どういう意味だ」
「ウィンチェスターは、今まで姿がなかった。だから姿なき存在で人間に力を貸すだけで留められた。けれど、ゲームの主催者がウィンチェスターに姿を与えてしまった。なんだか、嫌な予感がする」
「あの不吉そうな絵のせいだろ。子供が見たら怖がるのは当然だ」
 花瓶に飾られていた生首の表情が、今でも頭の中に描かれる。生きているはずがないのに、生気を宿した目が、今でも真を見ているように思う。
 ベッドの天蓋に目を向ける。この角度なら、その絵を見ることはない。
 だが、見える。あの女性の顔、男性の顔。四つの目が人間達を監視しているように、その感情のない目が。視線だけで人を殺すことができるならば、きっとあの絵をホールに飾っておけば人々はみな、たちまち生気を奪われる視線によって、簡単に冥府(めいふ)へと連れ去られてしまうだろう。
 真は、生きていて感じたことのない、足の爪先からせりあがってくるような、異質な恐怖に苛まれた。
「ひっ!」
 声にならない吐息だけの悲鳴が、杏の口から漏れた。彼女の視線は窓の外を向いていた、何かを見つけたのだ。彼女の表情を歪ませるほどの何かが、窓の外にあるのだろう。
 どこだ、どこにいる。真は背後からの視線から高まる狂気を抑えながら、外を見下ろした。
 ――じっと、こちらを窺うように見ていた。
 杏の母親が、じっと杏を見ていた。
 心の警笛(けいてき)がけたたましく鳴り響く。彼女は突然に走り出して館の中に入り込むと、ホールで足音を響かせながら部屋に近付いてきた。姿を見られているのだから、杏に言い逃れをする余地はない。幸いにも扉には鍵がかかっている。今にも自分の娘を殺してしまいそうな母親を隔てる壁は、そこに立ちふさがっている。
 その扉が、音を立てる。ドアノブがしきりに何度も回されて、開かないことに彼女は苛立ちを抑えきれないのだろう。何度もこねくり回されたドアノブは離され、向こう側から声が聞こえてきた。
「杏、こっちにいらっしゃい。お兄ちゃんに迷惑でしょう」
 怯えた杏は、真の腰に(すが)りついて離れない。
「お兄ちゃん、名前なんて言うの? 浅葱真君? うちの娘が迷惑かけてごめんなさいね。家族で話したいことがあるから、ここを開けて杏と会わせてもらえる?」
「悪いな、俺もこの子にはまだ用があるんだ。もしかしたら、ゲームの犯人かもしれないから聞き込み調査だ」
「大丈夫よ、その子は市民だから。母親の私も中身を見たから、大丈夫よ。だから開けて、ね?」
 真がそれ以上反論しようとすると、杏は何も言わせないように真の手を力強く握ってから離すと、恐る恐る扉に近付いた。そして鍵に手をかけ、真を振り返った。杏は、力のない笑みを浮かべて鍵を開けた。
 解錠された途端、ゆっくりと扉が開いて母親が姿を現した。
 浮かべている表情は穏やかだ。杏と同じ色をした膝まで丈のあるスカートを履いて、水色のジャケットを羽織っているから、殺人鬼のような恐ろしい存在には見えない。だが、窓の外から見えた彼女の表情は、悪魔そのものだった。
「ごめんね、真君。後でお礼させてね」
 彼女が掴んでいたのは、杏の腕だった。手ではない。そして彼女が扉を閉めようとして、その隙間から再び見えてしまった。悪魔のような表情。
 足音が遠ざかっていって、真は一人だけ部屋に取り残された。まだ杏の残滓(ざんし)が残っているから、彼女がこの後どのように叱られるかを考えると、落ち着かなかった。彼女を助けるのは簡単だ。だが、それは彼女に釣り竿ではなく魚を与えるのと同じこと。自分で魚を釣る方法を知らなければ、真がいなくなった時に空腹で死んでしまうのだ。
 しかし、真は釣り竿を与えただろうか。一時の癒しにしかなれていなかった。結局、今の時間は餌を与えただけに過ぎないのではないか。
 時間が経つと、感じていた戦慄は徐々に薄れていく。やがて、彼女を救い出せなかった無力感が入り込んでくる。
 家庭状況を知らない、今日が初対面だった。その状態でどう助けろというのかと言い逃れはできる。他の家庭事情に他者が割り込むのは、礼儀を知らないだけの愚者だろう。現に、杏も最後には助けを求めなかった。
 ――求めなかった? 違う。あの目は、諦めだった。真が助けてくれるのを、諦めたような笑みだった……。
 杏が出て行って五分くらい経っただろうか。それを計っていたかのように、怜美が入ってきた。彼女は今までのような能天気な風貌(ふうぼう)ではなく、足音を立てることすら許されないかのように遠慮した面持ちだった。
「浅葱君、さっき女の子とそのお母さんみたいな人が険悪な感じで出てきたけど」
 正義感の強い真のことを、怜美は知っている。少女を見殺しにしてしまったことを、怜美は理解している。だから入ってきたのだ。
「浅葱君が何を考えているのかは分からないけれど、もし自分を責めているのならそれは間違った思い込みだよ」
「知ってるか、怜美。あの女の子、あの歳でもう人生を冷めきった目で見てる。父親にも母親にも何も期待しない。子供ってのは、家族から愛情を受け取ってすくすく育つもんじゃないのか。血が繋がってないっていう理由だけで、母親から拒絶されなくちゃならないのか……違うだろ。子供ってのは、全てを許してくれて暖かく包んでくれる母親からの愛が、欲しいもんじゃないのかよ」
「そうなれば理想だよ。でも理想と現実っていう生き物は、驚くほど仲が悪い存在なんだよ」
 天蓋の絵、あの母親から感じた狂気。もう恐怖心はひとカケラも残っていない。真は紅色の一人掛けソファに座り込んだ。怜美は麦茶が常温にならないように気を利かして冷蔵庫に閉まった。
「私、邪魔?」
「いやいてくれ。今はそうしてくれた方が、俺は安心できる」
「そっか。分かった」
 杏の香りが、怜美の香りで上書きされた。
「浅葱君が落ち着いたら、色々と調査して分かったことを話したいと思うよ。あの遺言のこととか、参加している人たちとか。まだ全員と会ったわけじゃないけど、なんか胡散臭そうな人たちがいてね」
「分かった。そうだよな、俺は家庭環境を修復するためにここにきたわけじゃない。遺言を解いて、大金をもらって八条さんに渡してやるために来たんだったな」
「そこなんだけどさ。本当にお金ってあるのかな」
 怜美のその一声は、真が船に乗っていた時から抱いていた不信感が言語化されるに等しいものとなった。
「悪い。今はそれを論ずる気分にはなれない」
「だよね、ごめん」
 一言詫びを入れてから、喋り続けないと死んでしまう気質の彼女はこう言葉を続けた。
「珍しいね。浅葱君がそこまで真剣に人のことで悩むなんて。他人には無関心、どんなに泣ける映画を見ても冷めた目で見る浅葱君がさ」
「そうだな。俺は悪い意味で他人には無関心だ。だが、あの子は他人事とは思えない。どうしてか、救ってやりたいと思った。最初は、それは幼い頃の自分と重ねていたのかもしれないと思ったが、考えていく内に違うと分かった」
「私にはわかるよ、浅葱君がどうしてそこまで思っているのか」
「そこまで豪語したからには、根拠があるんだろうな」
「あるよ。私は、浅葱君の中に眠っている優しさという生き物が、あの子に幸せを教えてあげたいと思っているんだと思う」
 真は黙って聞いていた。優しさという生き物。
「私は平凡な家庭だったし、何か悲しいことがあったわけじゃない。そりゃ失恋は何度かしたけどね。でも浅葱君は、子供の頃は決して幸福とは言えない道を歩いてきた。その道を誰かに歩ませたくないっていう、浅葱君の優しさ。私は知ってるよ、普段は冷めていても、浅葱君が優しいこと。だから私は……あなたのことが、好きなんだし」
 真は怜美の方を向いていなかったから、彼女がほんのりと頬を染めたことに気付かなかった。
「人を救うだなんておこがましいよな。俺も」
「確かにね。あのね、私の好きな言葉にね、こんな言葉があるの。下を向いていたら、虹を見つけることは出来ないよ……って名言。チャップリンの言葉なんだけどさ。あの子、母に連れられていく時、ずっと下を向いてた。だから私とすれ違って微笑みかけても、気付かなかった。とっても悲しいことだと思う。私が言いたいのは、あの子に虹の美しさを教えてあげることくらいはしても許されるんじゃないかなってこと」
「下を見なかったら、(つまづ)いて転んでしまうかもしれない」
「うん。そうだね。でもだからといって、ずっと下を向いて躓くことに怯えていたら、一生虹は見れないんだよ」
 怜美はきっと今は微笑を浮かべているだろう。真は反抗して彼女の顔は見ないで前だけを見ていた。すると、突然目の前に彼女の顔がひょっこり、間近に現れたのだから息が止まった。代わりに、彼女の息が頬にかかった。
「浅葱君も下を向いてどうするんだ。私の顔を見なさい、ほれほれ。こんな美人で良い顔をした助手がいるんだぞ。浅葱君は世界で一番の幸せ者なんだぞ」
 どうやらいつもの怜美に戻ってしまったようだったから、真は彼女の頬を両手で引っ張って彼女を目の前から退けた。
「機嫌が直った。お前の調査した成果を発表してくれ」
 怜美は待ってましたと言わんばかりにメモ帳を取り出した。
(確かに、虹の綺麗さを知らなければ、上を向こうとも思わないよな。それを教えるのは、おこがましいことじゃないのかもしれない)
 怜美が話し始める間に、真の中で一つの整理がついた。彼女を救うのではなく、教える。その程度の役回りだったら、初対面でもできなくはないかもしれない。教えた後、彼女の人生がどうなっていくかは分からない。だが虹を見ようと思ったならば、彼女はいつでも幸せな未来を手にできるのだ。
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登場人物紹介

●浅葱(あさぎ) 真(まこと)


八条探偵事務所に所属し、そこで生活している若いアルバイト探偵。

口数は多い方ではないが、心には正義の根が張っている。困っている人は基本見過ごせない。

娯楽や恋愛にはストイックだが、年相応にちょうどよく嗜んではいる。

●金井(かない) 怜美(れみ)


浅葱の助手として連れてこられたワトソン役。

ミステリー小説好きで、とにかく喋ることが好き。

浅葱のことは歳の近い相棒と認識しており、探偵として慕っている。

●黒須(くろす) 杏(あん)


黒須家の一人娘。中学一年生。

普段は根暗で覇気がないが、ミステリーの話題が出た時はここぞとばかりに明るくなる。

ミユキ、という名前でミステリー小説を紹介する動画を投稿しているが、再生数は伸び悩んでいる。

●黒須 紗良(さら)


黒須家の母親。夫の拓真(たくま)とは結婚して16年になる。

表面上は明るく振舞う母親を演じているが、彼女は二つの精神疾患を患っているため、時々ヒステリックになる。

ギャンブルが好きで、拓真とはよくラスベガスに旅行に行っていた。


●黒須 拓真(たくま)


黒須家の父親。杏からすると、優しいお父さん。

ヒステリックな紗良を宥めている内に、落ち着いた雰囲気が宿されてきた。

杏と紗良の仲が険悪なため、このゲームを切っ掛けに仲直りできないかと考えている。

●根本(ねもと) 純也(じゅんや)


フリーターとして生計を立てている男性。恒(ひさし)の兄。

楽観主義者のような振る舞いをするが、頭では常に真面目なことを考えながら生活している。

医師免許を取るために勉強するかたわら、バカンスとしてゲームに参加した。

●根本 恒(ひさし)


大学生活を満喫する純也の弟。

読書家であり、ミステリーゲーム好き。自分が一番賢いと傲慢な態度を示しては純也に諭される。

将来の目標がなく、純也や父親からはいつも気を使われている。

●若杉(わかすぎ) 亜里沙(ありさ)


良家で育てられた長女。新城(しんじょう)の婚約相手。

品行方正で他者優先。洗練された言葉遣いで周囲と接するが、常に自分を犠牲にしていて人間関係に疲弊してしまう。

新城とは政略結婚であり、何とかして取り消せないか考えている。

●新城(しんじょう) 文世(ふみよ)


新城財閥の次期後継者であり、若杉の婚約相手。

男尊女卑の家で育てられ、常に男性が女性を守るべきだという信条で動く。

若杉とは政略結婚であるが、彼女の美しさに惚れてひどく気に入っている。


●御手洗(みたらい) 英(あきら)


友人と語る馬宮(まみや)と参加している男性。

周囲とは気さくに話し、頼もしいお兄さんのような役回りで動いている。

ただし、ゲームに参加した目的はどうやら賞金だけではないようだった。


●馬宮(まみや) 蒼佑(そうすけ)


御手洗と一緒に参加した男性。二人とも同じくらいの若い年齢。

誰に対しても敬語で話すが、非常にノリが良い。高いコミュニケーション能力で、自然とその場の中心になる力がある。

御手洗とほとんど一緒に動いており、何かの調査をしているようだ。

●行峯(ゆきみね) 茉莉(まり)


一人で参加した少女。可愛らしい緑色のリボンを頭につけている。

大人と接するのが好きで、色々な人に話しかけては可愛がられている。計算高いわけではなく、彼女は人一倍の寂しがりやなのだ。

大きく機嫌を損ねると子供特有のヒステリックを催す。同年代の子供に特に顕著にその様子が現れる。

●佐伯(さえき) 奏楽(そら)


一人で参加した青年。常に和やかな雰囲気で人と接する。

周囲との協調性が高く、誰かの尻尾についていくように行動する。否定はせず自分の意見は押し殺すが、窮地になれば思い切った行動も取る。

自分の妹の治療費を稼ぐためにゲームに参加したと語る。

●秋本(あきもと) リミー


天真爛漫な高校生。日本人とフランス人のハーフであり、父親がフランス人。

物事を深く考えず、能天気な口ぶり。共感性が高く、感動映画を見たら絶対に泣く純粋な子。非常に扱いやすい。

佐伯のことが異性として気になっており、チャンスがあれば告白しようと思っている。


●古谷(ふるや) 御子(みこ)


艶やかな雰囲気のミステリー小説家。小説はそこそこの知名度を誇る。

知的であり、大人びた話し方で周囲の人間と馴染んでいくが、どこか常識から外れた思考をするからと多くの人間は彼女を避ける。友達は少ない。

数年前に付き合っていた男性に借金を押し付けられる形で逃げられ、その返済のために様々な仕事を請け負っている。


●神崎(かんざき) 紫苑(しおん)


ゲームの進行を滞らせないために呼ばれた洋館の使用人。一人で鍵や食事の管理等を任される。

寡黙で、参加者一同とは滅多に話すことはない。普段は使用人室で休んでいるか、厨房で料理を作っているかのどちらか。

そのロボットのような無感情さと手際の良さから、様々な場所で使用人としての高い評価を得ている。

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