第14話「棒読みのスポーツマンシップ」(1)
文字数 999文字
魔族の社会は、人類種族に比べ、その文化文明の度合いは低い。
故に、いわゆる「科学的見地」から、自己を顧みる者も少ない。
それ故、生物的な「高位魔族」「低級魔族」の線引きも、ぶっちゃけ微妙である。
人によってその概念は異なるし、正確に「ここから上は高位魔族」というものはない。
そもそもが、この概念も人類種族側が用いていたものを、魔族側が使い始めたという説もあるくらいだ。
だがそれでも、ある程度ふわっとしたものだが、分類はされている。
高位魔族と自己を称する者たちの多くは、旧き時代において、「神」とされた者たちの末裔、もしくはその眷属である。
「神」といっても、創造神や絶対神の類ではない。
小さなものになれば、単に、人類種族を凌駕する超常的な力を持った生物――的なものだったりする。
だがそれでも、末裔たる彼らは、その生まれに強固な誇りを持っている。
あくまでも一説だが、彼ら高位魔族が人類種族に憎悪にも近い感情を有する者が多いのは、かつては自分たちを崇めていたのに、新たに現れた神に鞍替えし、自分たちを「悪魔」と呼び始めたことへの怒りからだとも言われている。
そして、そんな高位魔族専門クラスであるA組の担任、ステラ・リラもまた、高位の魔族である。
だがしかし、彼女に関して、一つ大きな不明点が有る。
それは、彼女がいかなる種族なのか、知る者がいないということであった。
魔神族が、邪神族か、魔竜族か、獣王族かも見当がつかない。
高位魔族なのは間違いない。
人類種族の大半にはわかりかねる感覚だが、彼女の持つ魔力の反応は、高位魔族の中でもさらに上級に位置するものであった。
だが、各所の公開されている資料の中にも掲載されていない。
生徒は愚か、教師も、知っているのは校長くらいらしいのだが、どうやら口止めされているらしい。
だがそれが余計に、彼女に出自の凄さを証す形となっている。
一教職員でありながら、校長にまで口止めを強いることができるほど、由緒ある家系の出身ということだ。
だがそうなると余計に、矛盾が発生する。
それだけの出自でありながら、そして高位魔族であることに高いプライドを持ちながら、彼女は自分の出自を知られることを、嫌がっている……いや、怖れている。
そして、その理由こそが、実は彼女がクトゥーを激しく嫌う原因でも有るのだが――
故に、いわゆる「科学的見地」から、自己を顧みる者も少ない。
それ故、生物的な「高位魔族」「低級魔族」の線引きも、ぶっちゃけ微妙である。
人によってその概念は異なるし、正確に「ここから上は高位魔族」というものはない。
そもそもが、この概念も人類種族側が用いていたものを、魔族側が使い始めたという説もあるくらいだ。
だがそれでも、ある程度ふわっとしたものだが、分類はされている。
高位魔族と自己を称する者たちの多くは、旧き時代において、「神」とされた者たちの末裔、もしくはその眷属である。
「神」といっても、創造神や絶対神の類ではない。
小さなものになれば、単に、人類種族を凌駕する超常的な力を持った生物――的なものだったりする。
だがそれでも、末裔たる彼らは、その生まれに強固な誇りを持っている。
あくまでも一説だが、彼ら高位魔族が人類種族に憎悪にも近い感情を有する者が多いのは、かつては自分たちを崇めていたのに、新たに現れた神に鞍替えし、自分たちを「悪魔」と呼び始めたことへの怒りからだとも言われている。
そして、そんな高位魔族専門クラスであるA組の担任、ステラ・リラもまた、高位の魔族である。
だがしかし、彼女に関して、一つ大きな不明点が有る。
それは、彼女がいかなる種族なのか、知る者がいないということであった。
魔神族が、邪神族か、魔竜族か、獣王族かも見当がつかない。
高位魔族なのは間違いない。
人類種族の大半にはわかりかねる感覚だが、彼女の持つ魔力の反応は、高位魔族の中でもさらに上級に位置するものであった。
だが、各所の公開されている資料の中にも掲載されていない。
生徒は愚か、教師も、知っているのは校長くらいらしいのだが、どうやら口止めされているらしい。
だがそれが余計に、彼女に出自の凄さを証す形となっている。
一教職員でありながら、校長にまで口止めを強いることができるほど、由緒ある家系の出身ということだ。
だがそうなると余計に、矛盾が発生する。
それだけの出自でありながら、そして高位魔族であることに高いプライドを持ちながら、彼女は自分の出自を知られることを、嫌がっている……いや、怖れている。
そして、その理由こそが、実は彼女がクトゥーを激しく嫌う原因でも有るのだが――