第4話 女の子、男の子
文字数 630文字
ユカリの後輩たちと別れてからしばらく経って、「おお、分かった。」とヒロシが突然大きな声を出した。
「何なの、今度は。」とユカリは驚かされたのを隠すかのようにきつく彼を睨みつけた。
「さっき、ちょっと違和感を感じたんだけれど、分かった、分かった。」とヒロシは一人納得して頷いている。
「何なのよ。」ユカリは心配になって更にきつく彼に問い質す。
「もう、自分のことを「僕」って言わないんだね。」
「え?」
「昔は自分のことを「僕」って言ってたじゃない。」
「いつの話よ。」
「だから、小学生の頃。」
なんだ、そんなことか。
「そうね、確かに昔は「僕」って言ってたけど。」
「うん、だから、さっき、「私の合唱部の後輩」って言った時、なんだか違和感を感じたんだよね。」
「あのね、あれから6年たつんだから。」
「そうだね。」
「あんまり僕に変なこと言わないで。」ユカリはわざと自分のことを僕と言ってみて様子を伺う。
「うーん、確かに、今のユカリちゃんには「僕」よりも「私」の方が似合うね。」
どっちやねん。
「あなたは変わらないね。」
「まあ、僕は昔も今も「僕」だからね。」
「そういう意味じゃないんだけど。」ユカリは笑いながら答えた。そういう所も含めて変わっていないヒロシにユカリは心からの安心感を覚えていた。
長いこと離れてたのに別人にならなかったね。
そんな歌をどこかで聞いたような気がした。なんという歌だったろう。
「何なの、今度は。」とユカリは驚かされたのを隠すかのようにきつく彼を睨みつけた。
「さっき、ちょっと違和感を感じたんだけれど、分かった、分かった。」とヒロシは一人納得して頷いている。
「何なのよ。」ユカリは心配になって更にきつく彼に問い質す。
「もう、自分のことを「僕」って言わないんだね。」
「え?」
「昔は自分のことを「僕」って言ってたじゃない。」
「いつの話よ。」
「だから、小学生の頃。」
なんだ、そんなことか。
「そうね、確かに昔は「僕」って言ってたけど。」
「うん、だから、さっき、「私の合唱部の後輩」って言った時、なんだか違和感を感じたんだよね。」
「あのね、あれから6年たつんだから。」
「そうだね。」
「あんまり僕に変なこと言わないで。」ユカリはわざと自分のことを僕と言ってみて様子を伺う。
「うーん、確かに、今のユカリちゃんには「僕」よりも「私」の方が似合うね。」
どっちやねん。
「あなたは変わらないね。」
「まあ、僕は昔も今も「僕」だからね。」
「そういう意味じゃないんだけど。」ユカリは笑いながら答えた。そういう所も含めて変わっていないヒロシにユカリは心からの安心感を覚えていた。
長いこと離れてたのに別人にならなかったね。
そんな歌をどこかで聞いたような気がした。なんという歌だったろう。