「インターミッション;休題;クリスマス・イブ」

文字数 2,618文字

 ちょっとここでひとまず休憩、
 本題から離れてホッとする出来事をお届けします。

 皆さん、こんにちは。三浦結です。
 いつもは僕の事でおも~い雰囲気になっているのですが、
 なんと言いますか・・・・・・。
 
 読者の皆様申し訳ございません。

 今日は待ちに待ったクリスマス・イブ!
 僕が男のときは『苦しみます』だったけど、
 なぜかこの身体になってから、お母さんやお姉ちゃん。
 恭也や智くん、太一や未来ちゃん、真奈ちゃん、クラスメートやお友達。
 そして部活の方々などの素敵な人達に囲まれていて、
 今までの『苦しみます』から脱却できている僕が居ます。
 そしてこの身体になって、はじめてのクリスマスを迎えます。

 お友達や先輩方からお誘いを受けてはいるんですけど、
 クリスマスは家族と過ごしたいって思いまして、お友達のお誘いをすべてお断りしました。
 僕の家は無宗教でキリスト教では無いので、
 イエス・キリストの誕生日を祝うことは無くても良いのですけど、
 でも祝い事なら祝っていくほうがいいと思うのですよね。
 お祝い事はみんなで共有しちゃいましょう。

 世の中ではお友達、恋人と一緒に過ごすという人も居るでしょうし、
 ご家族とクリスマスを祝う人達も居るでしょうし、
 昔の僕のように『苦しみます』の人も居るでしょう。

 今年は23日の日曜日が天皇誕生日になっているので、
(最後の天皇誕生日だと思いますが)月曜日が振り替え休日となります。
 12月24日のクリスマス・イブがお休みです!

 僕は家族とゆっくりと過ごしたいと思っているのです。
 今まで僕は本当にお母さんやお姉さんにひどいことをしていたと思っているし、
 この身体になって本当に一番に頼れて僕の力になってくれて、
 今でも僕の事を大切にしてくれている家族に、
 こういう日こそ心からありがとうと感謝を言いたいのです。
 他人の関係ない血も繋がっていない人の誕生日なのですが、
 それでもやっぱり世界が認める偉人さんのお祝い事です。
 お祝い事の日を有効に使って行きたいって思うんですよね。

 だからいろいろとこの日のために考えました。
 お料理の本を買いクリスマス料理で自分に作れるものを選んで、
 お母さんとお姉さんにありがとうメッセージを作り、クリスマスプレゼントを選びました。
 お母さんにはカシミヤマフラー。お姉ちゃんには手袋です。
 恭也や智くんや太一や未来ちゃんにも買ったけど後で渡す。
 学校が始まったらお友達にクッキーを焼いてあげようと思う。

 クリスマスケーキはお母さんが一緒にみんなでクリスマスを家でやろうって言っていたから、
 絶対にお母さんが買ってくるに違いない。だからクリスマスケーキは買ってきたら絶対にハマる。
 お母さんは午前中に学校に行くって言っていたけど、午後は家に居ることが確定している。
 お姉ちゃんは午後三時くらいまで用事があるからって出かけるけど、
 そこからは一緒に居ることがわかってるから大丈夫。

 私が台所で作る時間はお母さんとお姉ちゃんが出かけてから、
 家に帰ってくるまでの少しの時間でテーブルに料理を並べる。
 帰ってきたら驚いて欲しいから喜んで欲しいから僕は頑張る。

 12月22日土曜日。
 僕は付添人の恭也を連れてデパートに行く。
 お母さんとお姉ちゃんのプレゼント購入。

 12月23日日曜日。
 僕はお姉ちゃんを連れてデパートにいく。
 恭也、智くん、太一、未来ちゃん、真奈ちゃんのプレゼント購入。
 学校の友人や部活動の人達用にクッキーの材料購入。
 家に帰ったらお姉ちゃんと一緒にクッキー作り。
 ほとんどお姉ちゃんに頼ってしまった。クッキー作りは難しい。

 12月24日月曜日。振り替え休日。
 お姉ちゃんは用事で朝早くから出かける。
 お母さんは予定通りに学校に向かった。
 いつも思うけど教師という職業は大変なんだよな。

 そして僕はというと食材買い付けに出かける。
 途中で近所のおばちゃん達に見事なまでに捕まる。
 恭也の事を根掘り葉掘り聞かれる。おばちゃんの監視は怖い。
 食材を買い込んだら台所占領。

 クリスマスというと七面鳥が有名だけど、そんなものを今から仕込むのは遅い。
 とっくに仕込んでおいて後は焼くだけにしておくものだ。
 七面鳥は無理だけど僕が作るのは鶏肉を使った料理にした。
 あとはスープを作りたいな。サラダも作っちゃおう。
 いっぱい食べて、おなかが膨れて、満足感のあるものがいいな。
『クリスマス料理、簡単レシピ 』を参考に僕は作り始めた。

 簡単といっても意外と簡単じゃないのね。
 料理が出来る人からすると簡単かもしれないけど、
 僕みたいな初心者が作ると意外と難しいんだよね。

 ポテトを茹でて、にんじんは蒸かしてしまおう。
 緑の色彩が欲しいな、グリーンピースを入れちゃおう。
 ポテトをつぶしてにんじんを細かく切ってマヨネーズで和えてっと。
 ゆで卵を切ってサラダの上に乗せて、綺麗に見せちゃおう。
 チキンは茹でるのと焼くのと両方作ろう。
 どれくらい茹でればいいんだっけ?焼き加減は大丈夫かな。
 お皿に盛ってっと。パセリをちょこっと乗せて可愛くしちゃおう。

 時間も忘れて作っていたら、すごいことになっていた。
 テーブルに入り切れない状態になってしまっていた。
(これ三人で食べきれるかな。すごい作りすぎた)

 時計を見るともうすでに午後3時過ぎ。
 お母さんはちょっと遅れてるみたいだけど、お仕事が忙しいのだろう。
 でもお姉ちゃんがもうすぐ帰ってくる時間だ。
 お母さんとお姉ちゃんのプレゼントを部屋から持って来よう。
 あとはありがとうメッセージを書こうっと。
 僕は便箋を持ってきて居間のテーブルで書き始めた。


 お母さんへ
 クリスマスおめでとう。

 僕が本当に辛かったとき、いつも支えてくれて本当にありがとう。
 どれだけ僕はお母さんに助けられてきたのか。
 どれだけ僕はお母さんに守られてきたのか。本当に感謝です。
 本当に今までごめんね。
 そして、いつもありがとう。

 お母さん とっても大好きだよ。
                          結より。


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登場人物紹介

三浦大輔(みうらだいすけ);県立城北第二高校1年生。

恭也の親友。現実派。母親と姉の事が嫌い。

三浦 結(みうら ゆう);私立城北第一高校1年生。

大輔の従妹ということになっている。

勝気で短気・頑固。涙脆い。正義感が強い。

佐伯恭也(さえききょうや);県立城北第二高校1年生。

大輔の親友・小学校4年生からの幼馴染。三浦結が大好き。

三浦翔子(みうらしょうこ);私立城北女子第三高校の教師。

三浦由依・大輔・結の母親。

三浦由依(みうら ゆい);私立城北第一高校2年生。

三浦大輔・結の姉。

鈴木太一(すずきたいち);私立城北第一高校1年生。

負けず嫌い。未来の幼馴染。結のクラスメート。

四谷未来(よつや みく);私立城北女子第三高校1年生。

太一の家の隣に住んでいる。幼馴染。太一に恋心有り。夢見る乙女。

田端美耶(たばた みや);私立城北第一高校1年生。

いつも本を読んでいる。自分の伝えたい言葉を格言や台詞を使い話す。

佐伯 智(さえき とも);市立北浜中学校2年生。

佐伯恭也の弟。見た目は女の子だが完全な男の子。

結のことが大好き。

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