二十二 星系間非重力場

文字数 948文字

 グリーゼ歴、二八一五年、十一月七日。
 オリオン渦状腕深淵部、グリーゼ星系とデロス星系とリブライト星系の星系間非重力場。


 カンパニーの研究ユニットに何機も円盤型小型宇宙艦〈SD〉が係留されている。これら艦体はすでにセッテイングされてスペースバザールのシューター〈SD〉とシンクロし、円盤型小型宇宙艦〈スキッパー〉になっている。
 しかし五隻が、Jたちのために円盤型小型宇宙艦〈SD〉として機能している。
 研究ユニットのフロアにはモーザPePe、メテオPePe、C1たちがいる。

 〇六〇〇時。
 JとPDとDとK、L、大佐は、研究ユニットに係留された円盤型小型宇宙艦〈SD〉のコントロールポッドで、コクピットに現れている5D座標を見つめた。

 グリーゼ艦隊の発進を示すチェレンコフ光が、グリーズ星系主惑星グリーゼの5D座標上に閃光し、同時に、モーザPePeたちの発進を示すスキップ光が惑星グリーゼの同座標に閃光した。
 わずかに遅れて、モーザたちの発進を示すスキップ光がデロス星系惑星ダイナスの座標で閃光した。

 発進とほぼ同時に、モーザPePeたちがスキップ光を閃光して、グリーズ星系とデロス星系とリブライト星系の星系間宙域座標に出現した。
 わずかに遅れてスキップ光が閃光し、モーザたちが同星系間宙域座標に出現した。
 しかし、出現したモーザは、一瞬に、モーザPePeによって恒星リブライトへ時空間スキップされて消滅した。
 ただちにモーザPePeたちは、モーザPePe自身の一連の波動残渣と、星系間宙域におけるモーザたちの波動残渣を、時空間転移伝播で消去した。残ったのは星系間宙域に出現するまでのモーザたちと、すりかわったモーザPePeたちの波動残渣だけだった。すでにモーザPePeたちは、モーザたちに課せられた指令と外観を探査記憶して、モーザたちに変態している。
 その直後、同星系間宙域に、グリーゼ艦隊がチェレンコフ光が閃光して出現した。
 ただちに、モーザPePeたちはスキップ光を閃光して、グリーゼ艦隊をデロス星系惑星ダイナス宙域へ時空間スキップさせた。そしてモーザたちにすりかわているモーザPePeたちは、デロス帝国の二艦隊のコントロールユニットに時空間スキップ侵入し、二艦隊の攻撃も航行も不能にした。
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