暗黒面に落ちつつある元勇者魔王
文字数 540文字
★★★
(あいつ、怪鳥を一撃で倒しやがった……!)
元勇者魔王は、目の前の光景を呆然とした表情で見ていた。
元勇者魔王が怪鳥と戦ったのは、レベルが5、このエリアでレベリングをしているときだった。しかも、何度も攻撃をミスして一方的にダメージを受け続け、戦闘開始時にHPが六割ぐらいだったことと、薬草も残り少なかったことから逃げることを選択した。
その怪鳥を一撃で。しかも、レベル1で倒したのだ。自分が二度目の戦いでやっと倒した強敵を。
(俺が苦労したのに、そんな簡単に倒しやがって……! あいつが残り一撃で戦闘不能になるタイミングを見計らってわざと離脱するよう命じておいたのに……!)
ふつふつと暗い感情がこみあげてくる。こちらの予定を狂わされた挙句、さくっと配下を倒されたことに怒りを覚える。しかも、女といちゃついてるのがさらに腹が立つ。
元魔王勇者のパーティには女キャラ(美人な白魔法使い)もいたが、それは仲間の男格闘家といい雰囲気になっていた。もうひとり黒魔法使いの女キャラがいたが、そちらは不気味な雰囲気で恋が芽生えようがなかった。
(くそっ! 俺なんて童貞のまま魔王と相打ちになって死んだんだぞっ!)
元勇者魔王は、順調(?)に暗黒面に落ちつつあった――。
(あいつ、怪鳥を一撃で倒しやがった……!)
元勇者魔王は、目の前の光景を呆然とした表情で見ていた。
元勇者魔王が怪鳥と戦ったのは、レベルが5、このエリアでレベリングをしているときだった。しかも、何度も攻撃をミスして一方的にダメージを受け続け、戦闘開始時にHPが六割ぐらいだったことと、薬草も残り少なかったことから逃げることを選択した。
その怪鳥を一撃で。しかも、レベル1で倒したのだ。自分が二度目の戦いでやっと倒した強敵を。
(俺が苦労したのに、そんな簡単に倒しやがって……! あいつが残り一撃で戦闘不能になるタイミングを見計らってわざと離脱するよう命じておいたのに……!)
ふつふつと暗い感情がこみあげてくる。こちらの予定を狂わされた挙句、さくっと配下を倒されたことに怒りを覚える。しかも、女といちゃついてるのがさらに腹が立つ。
元魔王勇者のパーティには女キャラ(美人な白魔法使い)もいたが、それは仲間の男格闘家といい雰囲気になっていた。もうひとり黒魔法使いの女キャラがいたが、そちらは不気味な雰囲気で恋が芽生えようがなかった。
(くそっ! 俺なんて童貞のまま魔王と相打ちになって死んだんだぞっ!)
元勇者魔王は、順調(?)に暗黒面に落ちつつあった――。