第10話 「レッテル」
文字数 2,442文字
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すると執拗に理麗を待ち伏せしていた袴田が突然目の前に現れる。
カリカリカリ……《カッターナイフの音》
何かに躓き転倒する理麗。
すくんで声がでない理麗を半ば強引に押さえつけカッターナイフで衣服を切り裂き、
あどけない下着が露わになり、すぐさまその姿を撮影をする袴田。
《転校4日目》
なんとあの後、袴田 禰音は高齢者が運転する自動車による交通事故に遭い死亡した。
緊急全校集会で黙祷をし、理麗は喜怒哀楽のどれにも属さない表情で告別式へという流れでその日を終えた。
《転校5日目》
袴田は初日に一緒に下校した際、密かに撮影していた理麗と自身の画像を合成し、限りなく自然に仕上げた加工技術でツーショット風の画像をSNSに掲載していた上、クラス中に「理麗と付き合っている」と言いふらし廻っていた。
理麗が教室の引き戸を開けると教室がざわつく。
クラスメイトの小言「あっ、来たよビッチ」
《落書きの黒板が目に映る》
理麗は転校初日からこの一連の出来事は親に言えず、
その日の夜、唯一の相談相手、京 策也に連絡をした。
「Trrrrrrrrrr」《通話》
おぉー理麗どうしたんだ?
俺の事、愛おしくなって電話か?
バカ言え、ちゃんといってらぁ。
んで、そっちの学校はどうなんだ?
だろうな! 理麗ならそうだと思ったよ。
一応幼なじみとして安心したぜ。
悪りぃ~理麗。
せっかくだけどちょっと今、立て込んでてやることいっぱいあってよ。
すまんけどじゃあ、またな♪
あと理麗っ!
何かわからんけどよ、とりあえずコレだけ言っとく、最近覚えた名言だ。
“傷付けられたら相手を紙やすりと思え。
多少、擦り傷は受けれど相手はやがて使い物にならなくなって、
自分はピカピカになるんだ"
――クリス・コルファー
何かあったら何でも言えよ、じゃあな。
あっそ。いいわよ……。
そっちがその気なら、そのビッチでまかり通ってやろうじゃない。
《回想終了》