第42話 樹海都市帝国(ムラマサ)
文字数 2,176文字
この世界で一番広い海、地球で言う太平洋にあたる海の上を飛びながら、山岳都市シウコアトルから樹海都市帝国ムラマサに向かっていた。
その飛行艇の中でラウさんが皆んなを集めて数時間後に到着する帝国での作戦について話しを始めた。
「これからの予定だが、この飛行艇アマテラスは帝国ムラマサに向かう。
軍部と連絡を取り、こちらが攻撃を受けることはないようにしている。
そして、帝国に入ったと同時に王様とバードランドを捕縛し、ラプマルの言っていた転生者の真実を王様から聞き出す。
そして……」
「そう、その後か前か分からないが魔王様の言葉によると来るであろうソドムの林檎というリンネを超えた存在。
それと戦うことになる」
バァーンッ!!!
突然アスラさんが話し終わると、会議室の硬い金属のトビラが開かれて、白い軍服姿の女性が入ってきた。
その女性とはアマギさんでいつも冷静な彼女が息を上げながら、何か慌てた様子で話しを始めた。
「大変です、ラウ元帥」
「どうした、アマギ司令官」
「ムラマサ帝国に恐らくソドムの林檎と思われる、超高エネルギーの魔力体の反応が確認されています」
「いや、おかしいはずだぞ、10分前までは帝国のほうはなんの異常もなかったと連絡があったはずだぞ」
「ラウ、その映像見せてくれないか」
すると、それを聞いて厳しい顔をしたアスラさんが彼に尋ねた。
「あぁ、分かった」
すると、会議室の正面にある白いスクリーンにそのアスラさんが言っていた映像が映った。
映像としては、普通に帝国の状況報告だけであまりそんなに気になるようなことはなかった。
「何か分かったんですか、アスラさん」
「あぁ、時計がおかしい。
帝国のほうのカレンダーが三日後を指している。
普通に考えて、カレンダーをめくるのを忘れていて昨日の日付になっているならまだしも、さすがにめくりすぎても三日後になるのはそうそうないだろう」
「そうか、にわかには信じられないが、もしそれが正しいと言うなら、ソドムの林檎が作る結界は時間をねじ曲げるのか、この世界の今日はあちらでは三日後になっているのか。
ハハッ、まぁ時間まではふつう予測できないよね」
陽気なラウさんも今は苦笑いをするしか無かった。
「それこそがソドムの林檎だ。
予測不可能な行動をして僕らが越えなければいけない運命。
ラウ、早く僕を外に出してくれ。
もう、結界内には突入したのだろう」
「分かった、外に出る扉を今から開けるから。
だが気をつけろ、恐らくソドムの林檎の能力にあたるものなのかは分からないが、この結界内は魔力反応がゼロになったり、少し時間が経てば測定器を振り切ったりとかなり不安定になっている。
だから敵は魔力反応で探るよりも視覚で見つけるしかない」
「分かった、ありがとう」
そして、飛行艇は外につながる出口を開けるスイッチを起動させた。
ビュォォォォンッ
出口は少ししか空いていないがそこからは空気を殴りつける暴風とともにその奥に一つの佇んだ巨大な山が見えた。
そこから飛び降りようと彼は出口の前まで立った。
「アスラさん、俺も連れて行ってください」
一人で行こうとした彼と共に行くために俺は言った。
不安なはずなのに彼の顔は、何やら安心したような顔つきだった。
「マコト、アナタならそういうと思いました」
「まぁ、当然先生も一緒に行きますからね」
「じゃあ俺も行かないとな」
モルガーナ先生、モーガンさんもアスラさんの後に続いた。
「四人とも頼む。
絶対に乗り越えよう」
「そうですね、ラウさん」
「マコト、そのありがとうな。
そしてまた会おう。
最後にこれを持っていけ、この地域のムラマサ帝国の地図だ」
そう言った、ラウさんから投げられた地図を受け取った。
ありがとうってなんのことだろう、まぁいいや。
「こちらこそありがとうございます。
必ず会いましょう」
それから俺とアスラさんは外に出る扉が開くまで待っていると、自分たちとは後から出発する先生が話しかけてきた。
「二人ともちょっといいかしら」
「どうしましたか、先生」
「もしエクスマキナ王に会ったときは、私がいることを伝えて欲しいけどいいかな?」
先生はお願いするかのように片目でウィンクした。
「それはいいんですけど、どうかしたんですか」
「理由は話せない、だけどモルガーナがここにいるって伝えてくれるだけで良いの」
「分かりました先生、もし会ったらそう伝えますので」
そう言い終わると、横にいたアスラさんと俺を先生が抱きついてきた。
ギュッ
「えっ、先生!?」
「ごめんなさいね、まだこんなに幼いのにこんな運命を背負わせて、でも必ず先生だけは先生だけはあなたたちの味方だからね」
そうかもう誰も失わせずに悲しませたくはない、そんな戦いにしないと。
「はい、必ず勝って、転生者がリンネにならない方法を探し、この世界から魔獣をいなくさせますから。
それがマスター、モードレッドさん、マーニさんとミーナさんたち、この星の人々の願いでもあるんですから」
そう言い、俺たちは、ラウさんに地上へ降ろされた。
その地上と空を見ると、想像もしない景色が広がった。
その地の名は、極島都市帝国ムラマサ改めて幻域都市ムラマサ。
フガク山というムラマサ帝国の中で一番高い山の麓の湖の近くに降り立った。
ここからだ、まだ見ぬ最大の敵、ソドムの林檎。
俺はアスラさんと共にフガク山を見上げながらその敵がいるところに向かった。
その飛行艇の中でラウさんが皆んなを集めて数時間後に到着する帝国での作戦について話しを始めた。
「これからの予定だが、この飛行艇アマテラスは帝国ムラマサに向かう。
軍部と連絡を取り、こちらが攻撃を受けることはないようにしている。
そして、帝国に入ったと同時に王様とバードランドを捕縛し、ラプマルの言っていた転生者の真実を王様から聞き出す。
そして……」
「そう、その後か前か分からないが魔王様の言葉によると来るであろうソドムの林檎というリンネを超えた存在。
それと戦うことになる」
バァーンッ!!!
突然アスラさんが話し終わると、会議室の硬い金属のトビラが開かれて、白い軍服姿の女性が入ってきた。
その女性とはアマギさんでいつも冷静な彼女が息を上げながら、何か慌てた様子で話しを始めた。
「大変です、ラウ元帥」
「どうした、アマギ司令官」
「ムラマサ帝国に恐らくソドムの林檎と思われる、超高エネルギーの魔力体の反応が確認されています」
「いや、おかしいはずだぞ、10分前までは帝国のほうはなんの異常もなかったと連絡があったはずだぞ」
「ラウ、その映像見せてくれないか」
すると、それを聞いて厳しい顔をしたアスラさんが彼に尋ねた。
「あぁ、分かった」
すると、会議室の正面にある白いスクリーンにそのアスラさんが言っていた映像が映った。
映像としては、普通に帝国の状況報告だけであまりそんなに気になるようなことはなかった。
「何か分かったんですか、アスラさん」
「あぁ、時計がおかしい。
帝国のほうのカレンダーが三日後を指している。
普通に考えて、カレンダーをめくるのを忘れていて昨日の日付になっているならまだしも、さすがにめくりすぎても三日後になるのはそうそうないだろう」
「そうか、にわかには信じられないが、もしそれが正しいと言うなら、ソドムの林檎が作る結界は時間をねじ曲げるのか、この世界の今日はあちらでは三日後になっているのか。
ハハッ、まぁ時間まではふつう予測できないよね」
陽気なラウさんも今は苦笑いをするしか無かった。
「それこそがソドムの林檎だ。
予測不可能な行動をして僕らが越えなければいけない運命。
ラウ、早く僕を外に出してくれ。
もう、結界内には突入したのだろう」
「分かった、外に出る扉を今から開けるから。
だが気をつけろ、恐らくソドムの林檎の能力にあたるものなのかは分からないが、この結界内は魔力反応がゼロになったり、少し時間が経てば測定器を振り切ったりとかなり不安定になっている。
だから敵は魔力反応で探るよりも視覚で見つけるしかない」
「分かった、ありがとう」
そして、飛行艇は外につながる出口を開けるスイッチを起動させた。
ビュォォォォンッ
出口は少ししか空いていないがそこからは空気を殴りつける暴風とともにその奥に一つの佇んだ巨大な山が見えた。
そこから飛び降りようと彼は出口の前まで立った。
「アスラさん、俺も連れて行ってください」
一人で行こうとした彼と共に行くために俺は言った。
不安なはずなのに彼の顔は、何やら安心したような顔つきだった。
「マコト、アナタならそういうと思いました」
「まぁ、当然先生も一緒に行きますからね」
「じゃあ俺も行かないとな」
モルガーナ先生、モーガンさんもアスラさんの後に続いた。
「四人とも頼む。
絶対に乗り越えよう」
「そうですね、ラウさん」
「マコト、そのありがとうな。
そしてまた会おう。
最後にこれを持っていけ、この地域のムラマサ帝国の地図だ」
そう言った、ラウさんから投げられた地図を受け取った。
ありがとうってなんのことだろう、まぁいいや。
「こちらこそありがとうございます。
必ず会いましょう」
それから俺とアスラさんは外に出る扉が開くまで待っていると、自分たちとは後から出発する先生が話しかけてきた。
「二人ともちょっといいかしら」
「どうしましたか、先生」
「もしエクスマキナ王に会ったときは、私がいることを伝えて欲しいけどいいかな?」
先生はお願いするかのように片目でウィンクした。
「それはいいんですけど、どうかしたんですか」
「理由は話せない、だけどモルガーナがここにいるって伝えてくれるだけで良いの」
「分かりました先生、もし会ったらそう伝えますので」
そう言い終わると、横にいたアスラさんと俺を先生が抱きついてきた。
ギュッ
「えっ、先生!?」
「ごめんなさいね、まだこんなに幼いのにこんな運命を背負わせて、でも必ず先生だけは先生だけはあなたたちの味方だからね」
そうかもう誰も失わせずに悲しませたくはない、そんな戦いにしないと。
「はい、必ず勝って、転生者がリンネにならない方法を探し、この世界から魔獣をいなくさせますから。
それがマスター、モードレッドさん、マーニさんとミーナさんたち、この星の人々の願いでもあるんですから」
そう言い、俺たちは、ラウさんに地上へ降ろされた。
その地上と空を見ると、想像もしない景色が広がった。
その地の名は、極島都市帝国ムラマサ改めて幻域都市ムラマサ。
フガク山というムラマサ帝国の中で一番高い山の麓の湖の近くに降り立った。
ここからだ、まだ見ぬ最大の敵、ソドムの林檎。
俺はアスラさんと共にフガク山を見上げながらその敵がいるところに向かった。