第18話 レンコン畑の面白さとマリー
文字数 1,883文字
私とケイシーは雑貨屋の案内で、根菜類を植えている農家の元に見学に行った。
「泥だわ。なんか想像と違うのだけれども……」
思わず私はそう言ってしまった。
「この泥の中に、美味しい野菜が埋まっているんですよ。蓮根 と言います」
農家のおじいさんが教えてくれたわ。
「ちょっと前までは、大きな葉とか花も見れたのですが、収穫期ですからねぇ」
ジェラルドは苦笑いしている。
私は、うっかり足を踏み出してしまっていた。ズブッと足が埋まる。
「きゃぁ~~」
ズブッと、尻餅をついてしまった。泥の中なので、痛くは無いけど……。
「だ……大丈夫ですか? マリーお嬢様」
ケイシーがこっちに来ようとしている。
「ケイシー、動いてはダメ」
私の二の舞になってしまう。
農家の人が助けてくれたの。農家の人は、汚れても良い服装になっているのね。
「泥の中って、重いのねぇ。足を動かすのにも」
いちいち、ヌプッっていっている。歩く度にヌプッって……。
プッ……クククッ。苦しい。私は肩を震わして笑ってしまっていた。
それを、何と誤解したのかジェラルドと農家のおじいさんは一生懸命謝っている。
「ごめんなさい、畑を荒らしてしまって。でも、もう……可笑しくって……足を動かす度に、面白い音がするのですもの」
本当に楽しくなってしまったわ。自分がどんな姿になってるのか、分からないのだけれどね。
農家のおじいさんとジェラルドは、私が笑っているのを見て、ずいぶんホッとしていたようだけど。
井戸の水をくんで、顔を洗える様にしてくれたり、靴の泥を落としたりしてくれたの。
せっかくだから、収穫を一部見せて貰ってお屋敷に戻ったわ。
お屋敷までは、徒歩でもそんなに無いのだけれど、すれ違う人たちはギョッとした様に私を見てる。
まぁ、ねぇ。靴は履いたまま水洗いしたけれども、お顔も洗わせて貰ったけれども……ワンピース型の服は裾だけでなく尻餅付いたから、おしりから何から泥だらけだろうしね。暖かい気候とはいえ、少し冷たいわ。
誰かが、お屋敷に言ってくれたみたいで、使用人達と……エド様まで屋敷の前に出て来ていた。
「ただいま、エド様。レンコン畑でつまずいてしまいましたわ」
私がエド様にそう言って挨拶をしていると、ベッキーがササッと大きなタオルで私を包んでくれた。暖かいわ。
「ありがとう、ベッキー。でも、このままでは、お屋敷に入れないので裏口のところにお湯を少し沸かして持って来てくれないかしら」
そうベッキーに指示を与えてると、いきなり身体が浮いた。
「バスタブにお湯を用意してある。風邪を引かぬうちに行くぞ」
エド様が、私をお姫様抱っこで抱えてくれていた。
「エド様。服が汚れてしまいます」
そんな私の言葉を無視して、エド様は3階に上がっていく。その後ろを、侍女達が付いて上がっていった。
私は湯浴みをする部屋まで連れて行かれた。
エド様が部屋を出て行き、侍女達が泥だらけの服を脱がしていく。
バラの香油を垂らした湯船に浸かって私はホッと一息を付いた。
その間に、ケイシーは、侍女頭のイライザに事情を訊かれていたようだけど。
「わたくしが悪いのよ。農家の人にも悪いことをしたわ。畑を荒らしてしまって……。収穫に影響が出なければ良いのだけども」
私は、部屋着に着替えて落ち着いてから、エド様に言っていた。
ちなみにここは、私のお部屋。エド様とは、向かい合わせに座っていた。
「大丈夫だと言ってた。マリーは畑の端っこで尻餅を付いただけだから」
「それなら良かった」
私は心底ホッとした。農家の人にとって、畑はとても大切な物だもの。
そんな私を、エド様はジッと見ている。表情のあまり変わらない人だと思っていたけど、今は穏やかな感じがするわ。
エド様が、私の頬に手を伸ばしてきた。大きい手で優しく撫でてくれる。
私はなんだかそれが気持ちよくて目を閉じた。
そうしたら、フワッと身体が温かくなって、気が付いたらエド様の腕の中にいたの。暖かい、落ち込んだときにケイシーが良く抱っこしてくれてたけど、また違った安心感があるわ。
エド様の腕の中が、居心地が良くて身体を預けていたら、顔を上に向けられキスをされていた。
唇に触れるだけのキスだったけど、なんだかビリッとした感じがした。
顔が熱くなる。目を開けると、エド様のお顔がすぐ近くに……。
「まだ、冷えてるな」
エド様は、私を抱え込むように抱きしめなおした。
「泥だわ。なんか想像と違うのだけれども……」
思わず私はそう言ってしまった。
「この泥の中に、美味しい野菜が埋まっているんですよ。
農家のおじいさんが教えてくれたわ。
「ちょっと前までは、大きな葉とか花も見れたのですが、収穫期ですからねぇ」
ジェラルドは苦笑いしている。
私は、うっかり足を踏み出してしまっていた。ズブッと足が埋まる。
「きゃぁ~~」
ズブッと、尻餅をついてしまった。泥の中なので、痛くは無いけど……。
「だ……大丈夫ですか? マリーお嬢様」
ケイシーがこっちに来ようとしている。
「ケイシー、動いてはダメ」
私の二の舞になってしまう。
農家の人が助けてくれたの。農家の人は、汚れても良い服装になっているのね。
「泥の中って、重いのねぇ。足を動かすのにも」
いちいち、ヌプッっていっている。歩く度にヌプッって……。
プッ……クククッ。苦しい。私は肩を震わして笑ってしまっていた。
それを、何と誤解したのかジェラルドと農家のおじいさんは一生懸命謝っている。
「ごめんなさい、畑を荒らしてしまって。でも、もう……可笑しくって……足を動かす度に、面白い音がするのですもの」
本当に楽しくなってしまったわ。自分がどんな姿になってるのか、分からないのだけれどね。
農家のおじいさんとジェラルドは、私が笑っているのを見て、ずいぶんホッとしていたようだけど。
井戸の水をくんで、顔を洗える様にしてくれたり、靴の泥を落としたりしてくれたの。
せっかくだから、収穫を一部見せて貰ってお屋敷に戻ったわ。
お屋敷までは、徒歩でもそんなに無いのだけれど、すれ違う人たちはギョッとした様に私を見てる。
まぁ、ねぇ。靴は履いたまま水洗いしたけれども、お顔も洗わせて貰ったけれども……ワンピース型の服は裾だけでなく尻餅付いたから、おしりから何から泥だらけだろうしね。暖かい気候とはいえ、少し冷たいわ。
誰かが、お屋敷に言ってくれたみたいで、使用人達と……エド様まで屋敷の前に出て来ていた。
「ただいま、エド様。レンコン畑でつまずいてしまいましたわ」
私がエド様にそう言って挨拶をしていると、ベッキーがササッと大きなタオルで私を包んでくれた。暖かいわ。
「ありがとう、ベッキー。でも、このままでは、お屋敷に入れないので裏口のところにお湯を少し沸かして持って来てくれないかしら」
そうベッキーに指示を与えてると、いきなり身体が浮いた。
「バスタブにお湯を用意してある。風邪を引かぬうちに行くぞ」
エド様が、私をお姫様抱っこで抱えてくれていた。
「エド様。服が汚れてしまいます」
そんな私の言葉を無視して、エド様は3階に上がっていく。その後ろを、侍女達が付いて上がっていった。
私は湯浴みをする部屋まで連れて行かれた。
エド様が部屋を出て行き、侍女達が泥だらけの服を脱がしていく。
バラの香油を垂らした湯船に浸かって私はホッと一息を付いた。
その間に、ケイシーは、侍女頭のイライザに事情を訊かれていたようだけど。
「わたくしが悪いのよ。農家の人にも悪いことをしたわ。畑を荒らしてしまって……。収穫に影響が出なければ良いのだけども」
私は、部屋着に着替えて落ち着いてから、エド様に言っていた。
ちなみにここは、私のお部屋。エド様とは、向かい合わせに座っていた。
「大丈夫だと言ってた。マリーは畑の端っこで尻餅を付いただけだから」
「それなら良かった」
私は心底ホッとした。農家の人にとって、畑はとても大切な物だもの。
そんな私を、エド様はジッと見ている。表情のあまり変わらない人だと思っていたけど、今は穏やかな感じがするわ。
エド様が、私の頬に手を伸ばしてきた。大きい手で優しく撫でてくれる。
私はなんだかそれが気持ちよくて目を閉じた。
そうしたら、フワッと身体が温かくなって、気が付いたらエド様の腕の中にいたの。暖かい、落ち込んだときにケイシーが良く抱っこしてくれてたけど、また違った安心感があるわ。
エド様の腕の中が、居心地が良くて身体を預けていたら、顔を上に向けられキスをされていた。
唇に触れるだけのキスだったけど、なんだかビリッとした感じがした。
顔が熱くなる。目を開けると、エド様のお顔がすぐ近くに……。
「まだ、冷えてるな」
エド様は、私を抱え込むように抱きしめなおした。