0815【大学野球ー観戦】息詰まる熱戦(慶-早)

文字数 1,695文字

 今シーズンの特別ルールで、1カード1試合となる。特殊ルールの流れで、シーズン最終戦であるのがお約束の早慶戦も数試合を残した中の15日に。8月開催にもかかわらず、かたくなに「春季リーグ」と称されているのがややシュールである。

 ・慶應の先発は増居。東大戦は関根、立教戦は木澤、明治戦は森田と各試合先発が異なる。ほぼ毎日試合がある今回のルールでは、絶対的エース1人の連投では持たない。幸か不幸か、今期の慶應は昨年の森下(明治)のような絶対的なエースがいるわけではないのでうまく回せている模様。増居は大学初先発となるので、本日好投すれば引き出しが増える。そこも楽しみだ。

 ・BSの解説は早慶前監督の高橋氏、大久保氏。「練習ではいいのに…」調の高橋氏と各選手を我が子のように心配し、愛情を感じるコメントをする大久保氏という対照的な解説陣。

 ・増居は6回裏で交代。大きくコントロールを乱すことなく1失点で抑えた。相変わらずキャッチャー福井との頭脳派コンビは健在のようだ。
増居に代わり、関谷(右-No.41、肘のけがのため、これまで登板がままならなかった)、長谷部(左-No.15)の4年生コンビが登場。なかなか出場機会に恵まれなかった2人の登場に、大久保氏が感慨深そうだった。
 ・関谷の2塁悪送球で滝澤進塁。からの帰還。慶應投手陣のコントロールからして、2塁悪送球は誰かがやるだろうと思っていたのでやむをえない。本日3安打の滝澤は相変わらず慶應キラーである。

 ・リーグ戦は今年が初出場となる新美(3年)が、攻守に大活躍。バットを振ればホームラン。度重なる外野フライを堅実に押さえる。極めつけは6回裏。早川が放ったセンター前のクリーンヒットを好返球し、本塁で刺し、勝ち越しを阻止した。
 ・その裏の7回。2死ランナーなしから代打で4年生の代打、藤元が登場。芯に当たったホームランを放つ。腕を回し顔を崩し、全身で喜びを表しながらベースを一周。ベンチに戻ってからもずっとニコニコしており、こちらまで笑顔になる。新美といい、六大学リーグ初ホームランが早川からというのは凄い。逆に言えば、早川はプロ入りを意識するならば、マークの薄い選手に痛打されぬよう改善の余地がある。
・早川といえば、小宮山が監督になってから随分生き生きしているように見える。良い表情で投げており、今後が楽しみだ。

 ・8回までで125球を投げた早川は降板し、9回の早大のピッチャーは柴田。フォームがゆったりとしており、スパスパとテンポよく投げる早川とは対照的。タイミングを崩されて捉えるのは難しそうだ。
 ・9回裏、本日ヒットがなかった金子銀に打たれ、同点。直前に大久保氏が「早慶戦の3戦目でサヨナラ打を打たれている」と言った話がフラグとなってしまった。試合は延長戦サドンデスに。

 ・10回表、前進守備を敷いていた早稲田に対し、大久保氏・高橋氏ともに「(自分が監督だったら)もう少し後ろで守り、1点ならとられても仕方ないと思う。先ず長打による大量失点を警戒する」と言っていたのが印象的だった。珍しく二人の意見が一致したところで、慶應の代打の切り札こと橋本典が早大外野陣の頭上を越えるクリーンヒット。サドンデスで出ていたランナーを返す3塁打となり2点リード。

 ・慶應は10回、ピッチャー木澤に代打を出していたため、裏の投手は2年生の生井。塾高で甲子園に出場しており、リーグ戦出の出場こそ少ないが大舞台の経験はある。四球があり満塁にするも、それ以上ランナーを進めさせずフィニッシュ。

 ・慶應は開幕から4連勝。明日、全勝優勝をかけて法政と対戦となる。

 ・法政ー慶應といえば、鴎のルーキーである福田光と植田が去年までそれぞれのチームに所属し、対戦していた。大学野球が11:00から、プロ野球(イースタンリーグ)が13:00からなのでオンタイムで見るのは難しいだろうが、二人とも試合経過が気になることだろう。記者の方は二人を見かけたら、是非六大学野球についての話題を振っていただきたいところ。

 慶5-3早
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