後日談1ついな突撃
文字数 2,861文字
「ん~ちょっと心配」
「何?鬼子」
少しばかり微妙な表情をしている鬼子をみてこにぽんが訊ねた。
「巧さんがね、この前の誕生会の後、妙に考え込む様になって、それで今日、自分探しの旅に出たらしいのよ」
「自分探しの旅?どこに行ったの?」
「それが分からないの。田中さんの話だと、旅に出るって言っただけで、行先も言わずに出かけたそうよ」
「というわけで」
「何が、と言うわけで、なんや」
こにぽんがついなを前に語りだした。
「鬼子が心配してるので田中の兄さんを連れ戻す」
「え?兄やんに会いに行くんか」
「そう。会いたいでしょ」
「い、いや、そんな事あらへ・・・」
言い淀むついなを無視してこにぽんは話を続ける。
「でも問題が一つ。どこにいるのか分からない」
「なんやそれ。つまり探すのを手伝えって事なんか」
「うん、そう」
「ちゅうてもやな。うちにも心当たりないで」
などと二人が相談しているところにモモサワガエルが通りかかった。
「あ、モモサワガエル。田中の兄さんがどこにいるか知ってる?」
「ん?何の話だ」
かくかくしかじか
「成程な。残念ながら知らん。だが、漢がが自分を見つめなおす旅に出たというなら、必ず通る場所がある」
「本当?どこ?教えて」
「うむ、真の漢であればあるほど、絶対に素通り出来ない聖地だ」
「で、どこなんや。勿体つけんではよう教ええや」
「いいだろう。男たちの心のオアシスにして,道を求める者ならば必ず最後に行きつく到達地点。その名も『ノーパンしゃぶしゃぶ』だ!!」
「ノーパンしゃぶしゃぶ?よう分からへんけど、しゃぶしゃぶいう位やから、食べもん屋やな」
「ついな、行こう」
「でもうちの小遣いじゃ、きっと足らへんで」
「店の前で待ってればいい。きっとくる」
「せやな。行くか」
二人連れだって行く様を、敬礼しながら見送るモモサワガエル。
「・・・沖田の娘達、ではないけど、が往く」
「ここがそのノーパンしゃぶしゃぶか」
ノーパンしゃぶしゃぶ『菊の門』の前に立つ、ついなとこにぽん。
「入る?」
「いや、どう見ても高級そうやん。無理やて」
などと話していると、店から一人の女性が出てきた。
「あなた達、こんな所で何にしてるの」
「人探しや」
「人?」
「多分、客としてくるはずや。そう聞いてきた」
「フ~ン、それで待ってるのね。そうだ。外で待ってないで、いっそここで働かない?」
「え?でも」
「ほら善は急げって言うでしょ」
「ちょ、待ってぇや」
待たなかった。
「合格」
「いきなりかい!」
女性に連れられ店長に引き合わされると同時に合格。いくらついなでもさすがに驚く。
「じゃ、色々教えてあげて」
そう、店長はついなたちを連れてきた女性に指示を出した。
「はい分かりました。さ、二人共こっちに来て」
別の部屋に案内されてレクチャーが始まった。
「制服はこれよ。サイズあるかしら」
「いやちょっと待てぃや。うちら未成年やで。ましてこいつなんかまだ10歳いってないんや」
「大丈夫よ。需要はあるから」
「そういう事やのうて。法律的にどうなん」
「ここの店長は、儲かりさえすれば他はどうでもいいから」
「あかんやろそれ」
「そうね、あかんわ・・・制服あったわ。着てみて」
渡された制服は極端なミニスカートだった。
「あ、だめよ。下着は脱いで。はいてちゃ駄目」
「それじゃ見えるやん!!」
「当たり前じゃない。ノーパンしゃぶしゃぶなんだから、見せるのが仕事よ」
「なんやて!そないな事できるかいな!辞めや。辞めたる!」
「私に言われてもね。店長じゃないと」
「なら言って来たるわ!」
ついなが全速力で走って出ていった。
「いいの?ついな、加減を知らないよ。この店潰れるよ」
「・・・いいのよ、潰れても。昔はこうじゃなかった。でも最近、他の従業員の様子も変わってきて、まるで何かに操られているかのような・・・」
「分かんない」
「そうよね。でもあなたみたいな子供にまで平気でこんな仕事させようなんて、潰れるのは時間の問題。なら被害が増えないうちに・・・」
「だからついなを焚きつけたの」
「そうね。気の強そうな彼女ならきっと」
「それは、だいじょぶ。やりすぎないか心配なくらい」
「あおうなの?それはよかった。じゃ、それまで待って…るのも退屈だから、色々と教えてあげる。男の人の悦ばせかたをね。この店に来る人ならきっと悦んでくれるわよ」
「出てこい!店長!」
「なんだね。大声出して」
「うちら辞めるで!帰らせてもらうわ!」
「今更帰すとでも思っているのか」
「力ずくでも帰らせてもらうわ!」
「ふざけるな!」
言うなり店長はついなに対しボディブローを放った。
「いきなりかい!」
突然の攻撃に避けきれずガードで防ぐが、壁に吹き飛ばされる。
「なんや、人間離れしたこの力・・・まさか・・試す!外道照身霊波光線!」
ついなの放った外道照身霊波光線により店長の本性が明らかになった。
「ばーれーたーかー」
「やはり鬼か!なら容赦せぇへんで」
「何がいけない。我は世の男に愛を配っているだけだ」
「そんなん愛やない。ただエロいだけや」
「満たされぬ男たちの安息の場、働く女どもも高給貰って喜んでおるわ」
「それがどうした!!!」
ついなをの渾身の攻撃が鬼を吹き飛ばす。
「な、何故だ。我の愛が破れるというのか」
「お前のは愛なんかやない。愛ってのはな、星の鼓動なんやで」
役ついな、本名如月ついな。ガンダムで愛を学んだ女。
「く、我は終わる、だが、お前の魂もつれて行く」
「無理や。うちは劇場版クオリティやねん」
「ありがとうね。警察呼ぶ展開を期待してたんだけど、まさか店ごと吹っ飛ばすなんてね」
「お姉さんも気ぃつけや。もうこんな仕事するんやないで」
こにぽんがついなの袖を引っ張る。
「これじゃ田中の兄さん、これない」
「そうやな。ていうか兄やん、こんな所に来る人やないし。帰ろか」
「うん。お姉さん、ありがとう。教えてくれた事、きっと役に立つ」
「そうね。いつかきっと役に立てばいいわ。あなた達こそ、こういう場所には来ない方がいいわよ」
「分かっとるわ。じゃ、さいなら」
歩き出したついなにこにぽんが声をかけた。
「お姉さん、優しかった」
「せやな。悪い人やない。また、違う場所であえたらええな」
夕焼けに赤く染まる空の下、悪を亡ぼした充実感に浸るついなだった。
「あら、こにぽん。どこにいってたの?」
「ついなと色々出かけてた」
「そう、ついなちゃんと。楽しかった?」
「うん、それで出会ったお姉さんに色々と教えてもらった。鬼子、教えてあげるから田中の兄さんが帰ってきたら、こうすると喜ぶ」
こにぽんの誇らしげな様子に鬼子は微笑を浮かべながら答えた。
「へぇ、巧さんが喜ぶの。教えて。どうするの」
「まず服を脱ぎま・「忘れなさい!!」
「何?鬼子」
少しばかり微妙な表情をしている鬼子をみてこにぽんが訊ねた。
「巧さんがね、この前の誕生会の後、妙に考え込む様になって、それで今日、自分探しの旅に出たらしいのよ」
「自分探しの旅?どこに行ったの?」
「それが分からないの。田中さんの話だと、旅に出るって言っただけで、行先も言わずに出かけたそうよ」
「というわけで」
「何が、と言うわけで、なんや」
こにぽんがついなを前に語りだした。
「鬼子が心配してるので田中の兄さんを連れ戻す」
「え?兄やんに会いに行くんか」
「そう。会いたいでしょ」
「い、いや、そんな事あらへ・・・」
言い淀むついなを無視してこにぽんは話を続ける。
「でも問題が一つ。どこにいるのか分からない」
「なんやそれ。つまり探すのを手伝えって事なんか」
「うん、そう」
「ちゅうてもやな。うちにも心当たりないで」
などと二人が相談しているところにモモサワガエルが通りかかった。
「あ、モモサワガエル。田中の兄さんがどこにいるか知ってる?」
「ん?何の話だ」
かくかくしかじか
「成程な。残念ながら知らん。だが、漢がが自分を見つめなおす旅に出たというなら、必ず通る場所がある」
「本当?どこ?教えて」
「うむ、真の漢であればあるほど、絶対に素通り出来ない聖地だ」
「で、どこなんや。勿体つけんではよう教ええや」
「いいだろう。男たちの心のオアシスにして,道を求める者ならば必ず最後に行きつく到達地点。その名も『ノーパンしゃぶしゃぶ』だ!!」
「ノーパンしゃぶしゃぶ?よう分からへんけど、しゃぶしゃぶいう位やから、食べもん屋やな」
「ついな、行こう」
「でもうちの小遣いじゃ、きっと足らへんで」
「店の前で待ってればいい。きっとくる」
「せやな。行くか」
二人連れだって行く様を、敬礼しながら見送るモモサワガエル。
「・・・沖田の娘達、ではないけど、が往く」
「ここがそのノーパンしゃぶしゃぶか」
ノーパンしゃぶしゃぶ『菊の門』の前に立つ、ついなとこにぽん。
「入る?」
「いや、どう見ても高級そうやん。無理やて」
などと話していると、店から一人の女性が出てきた。
「あなた達、こんな所で何にしてるの」
「人探しや」
「人?」
「多分、客としてくるはずや。そう聞いてきた」
「フ~ン、それで待ってるのね。そうだ。外で待ってないで、いっそここで働かない?」
「え?でも」
「ほら善は急げって言うでしょ」
「ちょ、待ってぇや」
待たなかった。
「合格」
「いきなりかい!」
女性に連れられ店長に引き合わされると同時に合格。いくらついなでもさすがに驚く。
「じゃ、色々教えてあげて」
そう、店長はついなたちを連れてきた女性に指示を出した。
「はい分かりました。さ、二人共こっちに来て」
別の部屋に案内されてレクチャーが始まった。
「制服はこれよ。サイズあるかしら」
「いやちょっと待てぃや。うちら未成年やで。ましてこいつなんかまだ10歳いってないんや」
「大丈夫よ。需要はあるから」
「そういう事やのうて。法律的にどうなん」
「ここの店長は、儲かりさえすれば他はどうでもいいから」
「あかんやろそれ」
「そうね、あかんわ・・・制服あったわ。着てみて」
渡された制服は極端なミニスカートだった。
「あ、だめよ。下着は脱いで。はいてちゃ駄目」
「それじゃ見えるやん!!」
「当たり前じゃない。ノーパンしゃぶしゃぶなんだから、見せるのが仕事よ」
「なんやて!そないな事できるかいな!辞めや。辞めたる!」
「私に言われてもね。店長じゃないと」
「なら言って来たるわ!」
ついなが全速力で走って出ていった。
「いいの?ついな、加減を知らないよ。この店潰れるよ」
「・・・いいのよ、潰れても。昔はこうじゃなかった。でも最近、他の従業員の様子も変わってきて、まるで何かに操られているかのような・・・」
「分かんない」
「そうよね。でもあなたみたいな子供にまで平気でこんな仕事させようなんて、潰れるのは時間の問題。なら被害が増えないうちに・・・」
「だからついなを焚きつけたの」
「そうね。気の強そうな彼女ならきっと」
「それは、だいじょぶ。やりすぎないか心配なくらい」
「あおうなの?それはよかった。じゃ、それまで待って…るのも退屈だから、色々と教えてあげる。男の人の悦ばせかたをね。この店に来る人ならきっと悦んでくれるわよ」
「出てこい!店長!」
「なんだね。大声出して」
「うちら辞めるで!帰らせてもらうわ!」
「今更帰すとでも思っているのか」
「力ずくでも帰らせてもらうわ!」
「ふざけるな!」
言うなり店長はついなに対しボディブローを放った。
「いきなりかい!」
突然の攻撃に避けきれずガードで防ぐが、壁に吹き飛ばされる。
「なんや、人間離れしたこの力・・・まさか・・試す!外道照身霊波光線!」
ついなの放った外道照身霊波光線により店長の本性が明らかになった。
「ばーれーたーかー」
「やはり鬼か!なら容赦せぇへんで」
「何がいけない。我は世の男に愛を配っているだけだ」
「そんなん愛やない。ただエロいだけや」
「満たされぬ男たちの安息の場、働く女どもも高給貰って喜んでおるわ」
「それがどうした!!!」
ついなをの渾身の攻撃が鬼を吹き飛ばす。
「な、何故だ。我の愛が破れるというのか」
「お前のは愛なんかやない。愛ってのはな、星の鼓動なんやで」
役ついな、本名如月ついな。ガンダムで愛を学んだ女。
「く、我は終わる、だが、お前の魂もつれて行く」
「無理や。うちは劇場版クオリティやねん」
「ありがとうね。警察呼ぶ展開を期待してたんだけど、まさか店ごと吹っ飛ばすなんてね」
「お姉さんも気ぃつけや。もうこんな仕事するんやないで」
こにぽんがついなの袖を引っ張る。
「これじゃ田中の兄さん、これない」
「そうやな。ていうか兄やん、こんな所に来る人やないし。帰ろか」
「うん。お姉さん、ありがとう。教えてくれた事、きっと役に立つ」
「そうね。いつかきっと役に立てばいいわ。あなた達こそ、こういう場所には来ない方がいいわよ」
「分かっとるわ。じゃ、さいなら」
歩き出したついなにこにぽんが声をかけた。
「お姉さん、優しかった」
「せやな。悪い人やない。また、違う場所であえたらええな」
夕焼けに赤く染まる空の下、悪を亡ぼした充実感に浸るついなだった。
「あら、こにぽん。どこにいってたの?」
「ついなと色々出かけてた」
「そう、ついなちゃんと。楽しかった?」
「うん、それで出会ったお姉さんに色々と教えてもらった。鬼子、教えてあげるから田中の兄さんが帰ってきたら、こうすると喜ぶ」
こにぽんの誇らしげな様子に鬼子は微笑を浮かべながら答えた。
「へぇ、巧さんが喜ぶの。教えて。どうするの」
「まず服を脱ぎま・「忘れなさい!!」