第9話 フィリップ・グラスとミニマル・ミュージック
文字数 4,460文字
フィリップ・グラス(Philip Glass)ってご存知ですか?
世界的に有名な作曲家であり演奏家でありながらも、ここ日本においては、ロック系はもちろん、クラシック系の人に話をしても、本当に知らない人が多くて悲しいです・・・
本当に知る人ぞ知るアーティスト=ミュージシャンです。
少数とは言え、ご存知の方もいるかとは思いますが、あえてフィリップ・グラスについて語ります。
フィリップ・グラスは1937年生まれのアメリカの作曲家です。
彼の音楽は現代音楽の中でもミニマル・ミュージックに分類されますが、どうやら本人は気に入らないようです。
皆さんにとって「ミニマル・ミュージック」って出てきた時点で、何じゃそれ?ですよね。
フィリップ・グラスは映画音楽(キャンディーマンなど)も作曲していますので、
もしかしたら、どこかで聴いているかもしれませんね。
聴いたことのない作曲家でしたが、流していると同じようなものばかりですぐに馴染んだ。
気に入って、特に調べずによく聴いていました。
一定の音型を反復する「ミニマル・ミュージック」の旗手として知られる現代音楽の巨匠。
オペラやダンス、映画と活動の幅は広く、自身が「劇場音楽」と呼ぶ曲は、クラシックのみならずロックやポップスにも多大な影響を与えている。
幼少時からヴァイオリンとフルートを習い、名門ジュリアード音楽院へ。
1965年にインドでシタール奏者(北インド発祥の弦楽器)のラヴィ・シャンカールと出会い、リズム構造を重視する旋律に決定的な影響を受けた。
1967年にはニューヨークに戻り、楽団を結成。
1976年のオペラ『浜辺のアインシュタイン』はフランスで絶賛され、映画音楽でも『トゥルーマン・ショー』がゴールデン・グローブ賞最優秀音楽賞に。
2005年には愛知万博で代表作『カッツィ3部作』(1982-2002)の映画コンサートを行った。
https://www.praemiumimperiale.org/ja/laureate/laureates/philip-glass
日本語の説明がありません。
簡潔に述べると「短い音素材を、繰り返して作り上げる音楽」と言えます。
重要なキーワードは「短い(小さい=Minimal)」と「繰り返して」です。
一般的にクラシック音楽は第1主題やモティーフといったメロディの単位があり、それらがソナタ形式や変奏曲形式など大きな作りを構成しています。
作曲者によってアプローチが違い、一括りに「繰り返しの音楽」と言い切れない多様性があるのが大きな魅力です。
また「小さな」メロディを用いるという特性から非常にメロディックで調性的な音楽が多く、現代音楽が苦手だという人でも聴きやすい音楽が多いというのも魅力の一つかもしれません。
日本では久石譲や坂本龍一などもミニマルミュージックの作曲を行なっています。
さらにクラシック/現代音楽の世界から離れてロックやポップスの世界にもこの手法は浸透していきます。
映画「エクソシスト」の音楽としても有名なマイク・オールドフィールド「チューブラ・ベルズ」はプログレッシブ・ロックの名盤ですが音は正にミニマルミュージックそのものなのです。
『チューブラー・ベルズ』(Tubular Bells)は、マイク・オールドフィールドが1973年に発表したソロ・アルバム。
ジャンル プログレッシブ・ロック 時間 48分57秒(オリジナル盤)56分04秒(2009年ヴァージョン)
チャート最高順位 1位(イギリス)
「パート1」の冒頭が、1973年12月公開のアメリカ映画『エクソシスト』のテーマ曲として使用され、ワーナーから“「エクソシスト」のテーマ チューブラー・ベルズ”としてシングル発売された。
ただし、版権の問題で、オールドフィールドが演奏しているオリジナルバージョンではなく、別途、録音された別アレンジのものであり、オールドフィールドはその録音には一切の関わりを持っていない。
オールドフィールド自身は、『エクソシスト』のおかげで『チューブラー・ベルズ』がアメリカで大ヒットしたことには感謝しているが、自分の曲を編集されたことに対しては不快に思っていたという。
1967年、22歳の時にブリュッセルで開かれたエリザベート王妃国際音楽コンクールにて3位に入賞し、1969年のパガニーニ国際コンクールでは優勝、翌1970年のモスクワで開かれたチャイコフスキー国際コンクールでも優勝する。
ソヴィエト連邦内のツアーを行った後、1975年にドイツで初めてのコンサートを開き、西側ヨーロッパでの鮮烈なデビューを飾った翌年、ザルツブルク音楽祭でさらに評判を得る。1977年にはニューヨークへも進出し、アメリカでも名声を博した。
1980年ドイツに亡命。
2001年のユネスコ国際音楽賞を受賞、2002年のグラミー賞の最優秀Small Ensemble Performance賞受賞など、旺盛な活動に高い評価が下されている。https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ギドン・クレーメル
私生活では3度の結婚歴があり、2度目の妻はピアニストのエレーナ・バシュキロワ。彼女はクレーメルと離婚後にダニエル・バレンボイムと再婚した。
デュ・プレは才能に恵まれながらも、多発性硬化症の発病により、悲劇的にも突然に音楽家生命を断たれている。
2度目の相手は、ギドン・クレーメルの前妻で、ユダヤ系ロシア人ピアニストのエレーナ・バシュキロワ。
2人はデュ・プレの最晩年にはパリで同棲生活に入っており、2人の子をもうけていた。バレンボイムとエレーナ夫人の正式な結婚は1988年に行われた。
『作品の中の音楽』16話『エルガーのチェロ協奏曲』にジャクリーヌ・デュ・プレの演奏があります。悲劇のチェリスト。天才の悲劇。
これはオペラか?ダンスか?演劇か?
2022年、新たな伝説が生まれる
ロバート・ウィルソン
フィリップ・グラス
一柳慧(神奈川芸術文化財団 芸術総監督)
4時間ノンストップ。台詞はあるが物語はない。歌詞は“数字”と“ドレミ”のみ。打ち寄せる波のように、幾度も繰り返される音楽とダンス。そこから生まれる独特のグルーヴ。目の前に広がる舞台空間は、穏やかな海のごとく、ゆっくりと変化していく。
ミニマル音楽の巨匠フィリップ・グラスと鬼才演出家ロバート・ウィルソンが、科学者アインシュタインを詩的に解釈しようと試みた前衛的なオペラ「浜辺のアインシュタイン」は、音楽、ダンス、舞台美術が融合した総合芸術ではあるものの、一般的なオペラとは一線を画す革新的な…
『コヤニスカッツィ/平衡を失った世界』は、1982年製作のドキュメンタリー映画。監督はゴッドフリー・レッジョ、ミニマリスト作曲家のフィリップ・グラスが音楽を担当。撮影はロン・フリック。スローモーションと微速度撮影の映像を取り入れ、アメリカ国内の都市風景と自然景観で構成された作品。
この作品にはナレーションや台詞が一切挿入されず、一連の映像とバックに流れる音楽の提示という形式で統一されている。
タイトルの「コヤニスカッツィ」とは、ホピの言葉で「常軌を逸し、混乱した生活。平衡を失った世界」の意。作中に映し出される現代人の生活様式への言及である。
なお、本作は『カッツィ三部作』の第一作。
続編として、1988年の『ポワカッツィ』2002年の『ナコイカッツィ』が製作された。
三部作はそれぞれ、人間・自然・テクノロジーの関係を違った観点から追っていく内容である。
『コヤニスカッツィ』は三部作の中でもっとも知られた一編であり、カルトフィルムとされている。権利問題から1990年代は絶版状態であった。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/コヤニスカッツィ
ナコイカッツィ(2002年)
世界で高い評価を受ける映像作家、ゴッドフリー・レジオによるアーティスティックムービー。世界的チェロリストのヨーヨー・マが奏でる美しい音楽をバックに、今日まで戦争に飲み込まれてしまっている世界の混沌をデジタル映像と記録映像で綴っていく。
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