創世記14章 ロト、捕虜になる/ロトの救出
文字数 2,183文字
創世記14章3節
彼らは十二年間ケドルラオメルに支配されていたが、十三年目に背いたのである。
創世記14章10節-12節
シディムの谷には至るところに天然アスファルトの穴があった。ソドムとゴモラの王は逃げるとき、その穴に落ちた。残りの王は山へ逃れた。ソドムとゴモラの財産や食糧はすべて奪い去られ、ソドムに住んでいたアブラムの甥ロトも、財産もろとも連れ去られた。
『ユダヤ古代誌』によれば、ソドム人の全領地は五つの土地に分けられ、それぞれベラ、ビルシャ、シナブ、セメベル、ベラと呼ばれる5人の王に統治されていた。
あるときアッシリア人がソドム人の土地へ攻め込み、ソドム人は敗北して、12年間アッシリア人の支配に服し、貢租をおさめた。しかしソドム人の5人の王たちは13年目に反乱を起こした。
アッシリア人の軍隊はアムラペル、アリオク、ケダラオメル、テダルに率いられ、再びソドム人の土地に向かって進撃した。アッシリア軍は全シリアを蹂躙してソドムに達し、「アスファルトスの坑」と呼ばれる深い渓谷に布陣した。
ソドム人はアッシリア人とはげしい戦闘を行ったが、その多くは殺され、残りの者は捕虜にされた。捕虜の中にはソドム人の同盟者として戦ったロトも入っていた。
創世記14章14節
アブラムは、親族の者が捕虜になったと聞いて、彼の家で生まれた奴隷で、訓練を受けた者三百十八人を招集し、ダンまで追跡した。夜、彼と僕たちは分かれて敵を襲い、ダマスコの北のホバまで追跡した。アブラムはすべての財産を取り返し、親族のロトとその財産、女たちやそのほかの人々も取り戻した。
『ユダヤ古代誌』には、アブラムたちはアッシリア人に武器をとる隙も与えないほどの奇襲に成功した、と記録されている。
アッシリア軍の兵士たちは、夜襲に気づくまえに床の中で殺され、まだ寝入っていない者も酔っていたため戦うことができなかった。