第5話 赤い大地の襲撃 その1
文字数 3,653文字
「来るかな……?」
緑祁は不安だった。それもそうで、辻神が確実に来る保証はない。ただ指定した場所にあるベンチに座って待っている。
「上手くいくことを信じましょうよ」
香恵がそのネガティブな発想を拭うために言った。
二人は、葛西臨海公園に来ている。今日は水曜日なので、園内の観覧車は動いておらず、観光客も少ない。午後十時を過ぎるとさらに暗くなって、人気がなくなった。
「ところで緑祁、どうやって勝つつもり?」
何か作戦があるのではないか。香恵は思った。もちろん緑祁も無計画ではない。
「僕が昨日逃げなければいけなくなったのは、彭侯の霊障のせいだよ。それを一番に気をつける! でも辻神の電霊放は、正直そこまで怖くはない……」
もう対策はしてある。服の下にアース線を巻きつけ、ズボンを通って足元の地面に常に接するようにしている。
「あの程度の電霊放なら、これでバッチリだ! 電霊放と鬼火の相性は最悪だから、旋風と鉄砲水で攻める! 場合によっては霊障を合わせて……」
「[ライトニング]と[ダークネス]の力は借りないの?」
実は、今香恵が提案した通りのことをするのが一番手っ取り早い。式神の戦闘力は甚大で、主である緑祁でも勝てるかどうかわからないレベルだ。
だが、
「そうすれば辻神たちには勝てると思うよ。でもそれだと、彼らが救われない……」
緑祁はその作戦を蹴った。
「僕は救いたいんだ、過去に囚われ足枷をされた人を! 未来へ歩むために前を向いてもらいたいんだ! だからどうしてもって時以外は、僕の力で頑張る。[ライトニング]と[ダークネス]の出番は、にっちもさっちも行かなくなった時でいいよ」
過去に、深山ヤイバを救えなかった経験が響いているのだろう。ヤイバと対峙した時、緑祁は式神の力を借りながらも彼に勝利した。だがその時はまだ緑祁自身、過去のトラウマから抜け出せていなかった。そんな状態だと、復讐という間違った手段だが過去にケリをつけようとしているヤイバが光って見えた。結果、精神面では緑祁の方が折れることになってしまったのだ。結局ヤイバは恨んでいた日影皐と戦って、彼女のことを殺さなかったが日本から出て行ってしまった。
緑祁とヤイバはわかり合うことができなかったのである。だからそういう結末になったと緑祁は考えている。
それは二度と繰り返さない。
「絶対に、彼らを救うよ。復讐以外の過去の清算の方法が必ずあって、それを辻神たちと見つけたい! それが今回の僕の勝利だ」
「いい考えだわ」
それを香恵は褒めた。達成できれば、【神代】に損害も出さずかつ、辻神たちと和解することだって可能。
「でもきっと、厳しい道のりになると思うわ……」
だが、そのための壁が大きい。
「乗り越えてみせるよ、僕は。思いが強ければ、登れない山も飛べない谷も、泳げない海もないんだ!」
覚悟はできている。それを感じた香恵は、
(緑祁ならきっと、どんな壁だって壊せるわね。そういう目の輝きをしているわ)
期待に胸を膨らませる。
「わわ、何だ?」
突如、地が揺れた。それも大きな揺れだ。街灯や樹木が躍るように揺れ、立っていることもできない。
「地震……?」
しかし大きさの割には、スマートフォンの緊急速報は鳴らない。
「いいや、何かがおかしい!」
これが自然な現象ではないことをすぐに緑祁は看破する。キッカケは、視線の先にある観覧車だ。
「え、揺れてないわ……。どうして?」
二人の体は不安定だが、どういうワケか観覧車のゴンドラは、静止している。それが、緑祁たちの近くでしか揺れが起きていない証拠。
「香恵! こ、これが霊障だと言うなら、どういう名前なんだっけ?」
「礫岩だヨ」
その声は、緑祁たちの後ろから聞こえた。すぐに振り向くと、燃え盛る炎を逆さにしたような髪型の女性が一人、揺れている地面の上で立っている。
「や、山姫!」
「ごめんネ。電車の中で寝ちゃってさ、予定よりも一時間遅れた。遅刻魔なんだぼく。講義や試験の最中もよく寝ちゃう……。でも君なら、寝てても倒せるワ」
緑祁は辻神に挑戦状を出したのだが、代わりに山姫が来たのだ。
(もしかして、近くに辻神と彭侯がいる……?)
周囲を見回すが、その行動を見ていた山姫は、
「ぼく一人だけだヨ? 本来君なんて、ぼくでも十分相手できるから」
自信満々であるらしい。
一旦揺れが治まる。
「……香恵、下がってて」
緑祁は前に出た。それを見て山姫も一歩近づいた。
「一つ確認したいんだけど……。そっちは僕をどうしたいの?」
「捕まえたいナ。人質として使う! でも黙って言うこと聞いてくれそうにないよね……じゃあちょっと痛い目にあってもらおうかしら!」
それを聞いてゾッとする反面、ホッとした。
(殺意はない。なら、わかり合える!)
希望を見い出したからだ。
「手加減はいらない! 徹底的に叩くヨ!」
山姫が手を振れば、それだけで地面が割れる。
(そういうことができる霊障! それが礫岩! 地面に関するタイプか!)
人間は常に地面に足を着けている都合上、この霊障は効きやすい。事実緑祁はその地割れに足を取られて躓いた。
「そこだぁ!」
次に山姫が左手を振ると、炎が出現した。
(ひ、一つじゃない? 鬼火と礫岩の持ち主なのか!)
これは驚くべきことではない。緑祁も三つの霊障を持っているし、昨晩彼を退ける結果となった彭侯だって鉄砲水と毒厄を操れる。
しかし緑祁が驚愕したのには、理由がある。
(霊障を組み合わせることができる霊能力者! 僕は戦ったことがない……!)
鹿子花織や並星久実子、ヤイバも紫電も操る霊障は一つだけだった。複数の霊障を操る修練は、それを見せられただけで戦ってはいない。偽緑祁は霊障の合体を使ってこなかった。しかし目の前の相手は、明らかに霊障合体を使える人物だ。彭侯と一緒にいたのなら、その発想がないわけがない。
(でも今はまだ、礫岩だけだ! 今の内に一気に倒す! それでいこう!)
山姫が鬼火を撃ち出した。それに反応し緑祁は鉄砲水で消火する。
「あっ! まさか鉄砲水も使えるの? ビックリ!」
このまま鉄砲水で攻める。普通なら誰もがそう思うだろう。だが緑祁は、
(彭侯だって鉄砲水を使っていた。そんな彼と長年一緒にいたであろう山姫が、まさか鉄砲水の対処を頭に入れてないわけがない。ここは攻め方を変える!)
旋風を選ぶ。鋭い風を巻き起こして山姫を吹き飛ばそうとした。
「うう! で、でも!」
だが突如、彼女の後ろに岩石の壁が地面から飛び出した。その壁に張り付くことで山姫の体は持ち上がらずに済んだのである。
「え、何だこれ……?」
「知らないの? 礫岩が操れるのは、地面だけじゃないヨ? 岩だって自由に作れる!」
一瞬、メキっという音が緑祁の足元で聞こえた。視線を下ろすことなく緑祁は後ろに飛んだ。するとさっきまで立っていた場所の地面から、石筍のようなものが飛び出したのだ。
(少しでも反応が遅かったら、あれにやられていた! 足ぐらいは串刺しになっていた…)
間髪入れずに山姫は鬼火を生み出し、育てる。鉄砲水の水量で消されない程度の大きさにすると、それを緑祁目掛けて放つ。
「それっい!」
移動して逃げようという発想は無意味。山姫は礫岩で立っていられないような地震を起こし、緑祁の足を崩した。這いずる動きでは、間に合わない。
「ならば!」
旋風を起こす。横向きに渦を巻かせて鬼火の大きな火球にぶつけた。二つは相殺されず、鬼火の方が風で穴が開いた。
「そこだ、いけええ!」
そのわずかな竜巻の目に、緑祁は鉄砲水を撃ちこむ。鋭い精密射撃だ。
「ききゃあ!」
山姫の顔に命中したようだ。でも狙いに重点を置き過ぎたので、威力は控え目になってしまった様子。
(今、彼女は目を閉じた。それでいい、鬼火の追尾が一瞬でも遅れれば! 僕にだって勝機はある!)
今度は自分の体に旋風を吹きつける。その勢いで転がるように横に動く。ただし鬼火よりも遅いので、山姫の目があったら逃げられない。
「に、逃がさないヨ?」
だがその逃走手段も甘い。地面を転がる動きは、礫岩を使える山姫には手に取るようにわかるのだ。
「ぶお?」
陥没だ。ピンポイントで緑祁の体をすっぽりと落とす穴が、地面に開いた。そしてそれに蓋をするかのように鬼火が迫る。
(ヤバい……!)
この穴から脱出する暇はない。
「もらったヨ!」
火球が地面に衝突。その熱に耐えられても、戦意は焼き払えるはずと山姫は確信している。
しかし、
「……ん、手応えが……?」
変だ。鬼火は何も焼いていないのである。それどころか火が消されたのである。
穴から抜け出した緑祁は、体に付着した泥を旋風で掃除した。
「そっか! 穴の中で旋風を起こして、土で火を消したんだ! 機転が利くじゃん」
その通りである。ついでに鉄砲水も使ったので、土は泥になっていたのだ。
「いいネ、久々に楽しくなりそうだわヨ!」
大地を操る山姫が仕掛けた勝負は、まだ始まったばかりだ。
緑祁は不安だった。それもそうで、辻神が確実に来る保証はない。ただ指定した場所にあるベンチに座って待っている。
「上手くいくことを信じましょうよ」
香恵がそのネガティブな発想を拭うために言った。
二人は、葛西臨海公園に来ている。今日は水曜日なので、園内の観覧車は動いておらず、観光客も少ない。午後十時を過ぎるとさらに暗くなって、人気がなくなった。
「ところで緑祁、どうやって勝つつもり?」
何か作戦があるのではないか。香恵は思った。もちろん緑祁も無計画ではない。
「僕が昨日逃げなければいけなくなったのは、彭侯の霊障のせいだよ。それを一番に気をつける! でも辻神の電霊放は、正直そこまで怖くはない……」
もう対策はしてある。服の下にアース線を巻きつけ、ズボンを通って足元の地面に常に接するようにしている。
「あの程度の電霊放なら、これでバッチリだ! 電霊放と鬼火の相性は最悪だから、旋風と鉄砲水で攻める! 場合によっては霊障を合わせて……」
「[ライトニング]と[ダークネス]の力は借りないの?」
実は、今香恵が提案した通りのことをするのが一番手っ取り早い。式神の戦闘力は甚大で、主である緑祁でも勝てるかどうかわからないレベルだ。
だが、
「そうすれば辻神たちには勝てると思うよ。でもそれだと、彼らが救われない……」
緑祁はその作戦を蹴った。
「僕は救いたいんだ、過去に囚われ足枷をされた人を! 未来へ歩むために前を向いてもらいたいんだ! だからどうしてもって時以外は、僕の力で頑張る。[ライトニング]と[ダークネス]の出番は、にっちもさっちも行かなくなった時でいいよ」
過去に、深山ヤイバを救えなかった経験が響いているのだろう。ヤイバと対峙した時、緑祁は式神の力を借りながらも彼に勝利した。だがその時はまだ緑祁自身、過去のトラウマから抜け出せていなかった。そんな状態だと、復讐という間違った手段だが過去にケリをつけようとしているヤイバが光って見えた。結果、精神面では緑祁の方が折れることになってしまったのだ。結局ヤイバは恨んでいた日影皐と戦って、彼女のことを殺さなかったが日本から出て行ってしまった。
緑祁とヤイバはわかり合うことができなかったのである。だからそういう結末になったと緑祁は考えている。
それは二度と繰り返さない。
「絶対に、彼らを救うよ。復讐以外の過去の清算の方法が必ずあって、それを辻神たちと見つけたい! それが今回の僕の勝利だ」
「いい考えだわ」
それを香恵は褒めた。達成できれば、【神代】に損害も出さずかつ、辻神たちと和解することだって可能。
「でもきっと、厳しい道のりになると思うわ……」
だが、そのための壁が大きい。
「乗り越えてみせるよ、僕は。思いが強ければ、登れない山も飛べない谷も、泳げない海もないんだ!」
覚悟はできている。それを感じた香恵は、
(緑祁ならきっと、どんな壁だって壊せるわね。そういう目の輝きをしているわ)
期待に胸を膨らませる。
「わわ、何だ?」
突如、地が揺れた。それも大きな揺れだ。街灯や樹木が躍るように揺れ、立っていることもできない。
「地震……?」
しかし大きさの割には、スマートフォンの緊急速報は鳴らない。
「いいや、何かがおかしい!」
これが自然な現象ではないことをすぐに緑祁は看破する。キッカケは、視線の先にある観覧車だ。
「え、揺れてないわ……。どうして?」
二人の体は不安定だが、どういうワケか観覧車のゴンドラは、静止している。それが、緑祁たちの近くでしか揺れが起きていない証拠。
「香恵! こ、これが霊障だと言うなら、どういう名前なんだっけ?」
「礫岩だヨ」
その声は、緑祁たちの後ろから聞こえた。すぐに振り向くと、燃え盛る炎を逆さにしたような髪型の女性が一人、揺れている地面の上で立っている。
「や、山姫!」
「ごめんネ。電車の中で寝ちゃってさ、予定よりも一時間遅れた。遅刻魔なんだぼく。講義や試験の最中もよく寝ちゃう……。でも君なら、寝てても倒せるワ」
緑祁は辻神に挑戦状を出したのだが、代わりに山姫が来たのだ。
(もしかして、近くに辻神と彭侯がいる……?)
周囲を見回すが、その行動を見ていた山姫は、
「ぼく一人だけだヨ? 本来君なんて、ぼくでも十分相手できるから」
自信満々であるらしい。
一旦揺れが治まる。
「……香恵、下がってて」
緑祁は前に出た。それを見て山姫も一歩近づいた。
「一つ確認したいんだけど……。そっちは僕をどうしたいの?」
「捕まえたいナ。人質として使う! でも黙って言うこと聞いてくれそうにないよね……じゃあちょっと痛い目にあってもらおうかしら!」
それを聞いてゾッとする反面、ホッとした。
(殺意はない。なら、わかり合える!)
希望を見い出したからだ。
「手加減はいらない! 徹底的に叩くヨ!」
山姫が手を振れば、それだけで地面が割れる。
(そういうことができる霊障! それが礫岩! 地面に関するタイプか!)
人間は常に地面に足を着けている都合上、この霊障は効きやすい。事実緑祁はその地割れに足を取られて躓いた。
「そこだぁ!」
次に山姫が左手を振ると、炎が出現した。
(ひ、一つじゃない? 鬼火と礫岩の持ち主なのか!)
これは驚くべきことではない。緑祁も三つの霊障を持っているし、昨晩彼を退ける結果となった彭侯だって鉄砲水と毒厄を操れる。
しかし緑祁が驚愕したのには、理由がある。
(霊障を組み合わせることができる霊能力者! 僕は戦ったことがない……!)
鹿子花織や並星久実子、ヤイバも紫電も操る霊障は一つだけだった。複数の霊障を操る修練は、それを見せられただけで戦ってはいない。偽緑祁は霊障の合体を使ってこなかった。しかし目の前の相手は、明らかに霊障合体を使える人物だ。彭侯と一緒にいたのなら、その発想がないわけがない。
(でも今はまだ、礫岩だけだ! 今の内に一気に倒す! それでいこう!)
山姫が鬼火を撃ち出した。それに反応し緑祁は鉄砲水で消火する。
「あっ! まさか鉄砲水も使えるの? ビックリ!」
このまま鉄砲水で攻める。普通なら誰もがそう思うだろう。だが緑祁は、
(彭侯だって鉄砲水を使っていた。そんな彼と長年一緒にいたであろう山姫が、まさか鉄砲水の対処を頭に入れてないわけがない。ここは攻め方を変える!)
旋風を選ぶ。鋭い風を巻き起こして山姫を吹き飛ばそうとした。
「うう! で、でも!」
だが突如、彼女の後ろに岩石の壁が地面から飛び出した。その壁に張り付くことで山姫の体は持ち上がらずに済んだのである。
「え、何だこれ……?」
「知らないの? 礫岩が操れるのは、地面だけじゃないヨ? 岩だって自由に作れる!」
一瞬、メキっという音が緑祁の足元で聞こえた。視線を下ろすことなく緑祁は後ろに飛んだ。するとさっきまで立っていた場所の地面から、石筍のようなものが飛び出したのだ。
(少しでも反応が遅かったら、あれにやられていた! 足ぐらいは串刺しになっていた…)
間髪入れずに山姫は鬼火を生み出し、育てる。鉄砲水の水量で消されない程度の大きさにすると、それを緑祁目掛けて放つ。
「それっい!」
移動して逃げようという発想は無意味。山姫は礫岩で立っていられないような地震を起こし、緑祁の足を崩した。這いずる動きでは、間に合わない。
「ならば!」
旋風を起こす。横向きに渦を巻かせて鬼火の大きな火球にぶつけた。二つは相殺されず、鬼火の方が風で穴が開いた。
「そこだ、いけええ!」
そのわずかな竜巻の目に、緑祁は鉄砲水を撃ちこむ。鋭い精密射撃だ。
「ききゃあ!」
山姫の顔に命中したようだ。でも狙いに重点を置き過ぎたので、威力は控え目になってしまった様子。
(今、彼女は目を閉じた。それでいい、鬼火の追尾が一瞬でも遅れれば! 僕にだって勝機はある!)
今度は自分の体に旋風を吹きつける。その勢いで転がるように横に動く。ただし鬼火よりも遅いので、山姫の目があったら逃げられない。
「に、逃がさないヨ?」
だがその逃走手段も甘い。地面を転がる動きは、礫岩を使える山姫には手に取るようにわかるのだ。
「ぶお?」
陥没だ。ピンポイントで緑祁の体をすっぽりと落とす穴が、地面に開いた。そしてそれに蓋をするかのように鬼火が迫る。
(ヤバい……!)
この穴から脱出する暇はない。
「もらったヨ!」
火球が地面に衝突。その熱に耐えられても、戦意は焼き払えるはずと山姫は確信している。
しかし、
「……ん、手応えが……?」
変だ。鬼火は何も焼いていないのである。それどころか火が消されたのである。
穴から抜け出した緑祁は、体に付着した泥を旋風で掃除した。
「そっか! 穴の中で旋風を起こして、土で火を消したんだ! 機転が利くじゃん」
その通りである。ついでに鉄砲水も使ったので、土は泥になっていたのだ。
「いいネ、久々に楽しくなりそうだわヨ!」
大地を操る山姫が仕掛けた勝負は、まだ始まったばかりだ。