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文字数 921文字

 高坂 真一、あいつの願いはこうだった。
『もし来世があるのなら、向こうさえ嫌じゃなければ、もう一度俺を加耶と巡り逢わせてくれ。』
 それに対して俺はこう返した。
『できないことはないが、魂は引き継いでも肉体と記憶、そして人格までは受け継がない。つまりお前たちは実質的には赤の他人だ。それでも構わないか?』
 そしたら真一のやつ、二つ返事でこう返してきたよ。
『それで十分だよ。』

「約束は果たしたぜ。ま、後はせいぜい末永く幸せに爆発四散してな。」
「約束だなんて言いながら、実際には僕たちに頭を下げて回っただけですけどね、先輩。」
 こいつは転生神、魂の転生を司る神で俺の後輩だ。そして見ての通り生意気なやつだ。
「そうそう、それで私のところにはこの2人は絶対にくっつけてやってくれって頭下げに来たもんねえ死神くん♪」
 こいつは縁結びの神、俺の同期の年中発情期もとい恋愛脳の女神だ。
「ああ、事あるごとにお前らに頭を下げなきゃいけないのが死神業の最大の汚点だよ。」
「ま、何はともあれ、あの2人、なかなか上手くいっているみたいですね。」
「そりゃそうよ。何てったって私が祝福したんですもの。そう易々と2人の仲は切れないわよ。」
「ま、何にせよこいつらには幸せになってもらわないとな。何せこの俺に何度も頭を下げさせたんだからよ。俺の土下座は安くないんだぜ?」
「先輩、格好つけてるところ申し訳ないですけど言ってることは最高にダサいっすよ。」
「うるせえやい。」
 てなやり取りをしているとそこに不穏なオーラをまとった女神が1柱。これは…まずいな…
「あームカつく!どいつもこいつもイチャコラしやがってこの糞リア充どもがあ!!
 こいつは縁切りの神。一応縁結びの神の妹だが姉とは打って変わってこの有り様だ。何でも合コンで姉ばかりが男性の神にモテるためこうなったんだと。神様の世界にも合コンはあるのかって?10月に出雲に集まったときなんかはほぼ毎日やってるよ。
「おっと、なんだこの糞人間のつがいども。下等生物のゴミムシ風情が女神のあたしを差し置いてイチャついてるなんざ万死に値する!!と言うわけでこいつら別れさせてや…」
「「「絶対にダメだあ!!!!!」」」

―今度こそ本当に終わり―
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