第2話 カタリ会

文字数 766文字

『じゃあ今日もやりますか!』
「うん!ジュースとお菓子は準備できた?」
『OK!』『おうっ!』
「それじゃあ今日もカタリ会スタート!!」

 毎晩23時、リモートワークや日中の家事で疲れ果てた両親が寝る頃に私たちのリモートお菓子パーティはスタートする。
「カ」ナト
「タ」クト
「リ」サ
でカタリ会(語り会)
 学校帰りの夕方に公園で集まって駄弁る形から二ヶ月前の自粛要請を境に深夜のお菓子パーティに形式を変えた。旧カタリ会はずーっと昔からやっていたからいつからカタリ会なんて名称になったかなんて3人とも覚えていない。


『リサ、料理は上手になった?』
「なったよ〜!もうバレンタインにアメーバ生チョコ作ったリサちゃんじゃないからね!」
『本当かなー』
「タクトだけじゃなくカナトまで疑うの〜?」
 結局、お菓子やジュースはそっちのけで話にばかり夢中になってしまうから「カタリ会」という名がふさわしいリモートパーティだ。

「てか、ずっと不思議に思ってたんだけどカナトとタクト同じ家なのになんで別の部屋で参加するの?」
『タクトが家のパソコンで、僕はスマホでやってるよ』
『双子だからってずっと一緒にいるわけじゃないんだって。俺らにもプライベートが欲しいの!』
「なにそれー結局画面越しに話してるじゃん!」
 今宵もとりとめのない会話を続ける。楽しい時間とはあっという間でいつの間にか時計の針は深夜1時を指していた。

「私、明日朝ご飯つくんなきゃいけないしそろそろ寝ようかな」
『じゃあ今日はこれでおひらきにするか!』
『そだね。おやすみ』
『おやすみ』
「おやすみ」
そう口々に言って画面から退出をする。
 そして間も無く、おやすみの挨拶をしたはずなのに2件のメッセージがスマートフォンに届いた。

『まだ起きてる?』



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