20 朝

文字数 824文字

む~……
朝日が眩しい。
むゅ?
寝過ごした?
ボクは飛び起きた。
(ケンちゃんがギターを見つけた瞬間を見過ごした?)
比較的急いで、できるだけ音を立てないように唐紙のところまで行く。
……
昨晩と同じように、そっと唐紙を開ける。
(寝てる……)
小窓から入る朝日で、布団の中でちんまり寝ているケンちゃんが見えた。
(ケンちゃんって、お行儀よく寝てるよね。ボクなんて布団、グルグルするのに)
2枚か3枚かけていたはずの布団が、気づくと1枚くらいなくなっている。
(ギターは……?)
昨日、置いた場所に、置いたままの姿で置いてあった。
(気づいてないっぽい?)
しばらく見ていた。
(見逃したわけじゃなかったんだな……)
それならよかった。
……
しばらく見ていた。
…………
しばらく見ていた……
………………
…………飽きた。
(おばあちゃんに聞いてみよう)
ついでにトイレにも行こう。




***




おばあちゃん
お台所にいたおばあちゃんに声をかける。
ショウちゃん、

おはよう。

おはようございますっ
あいさつ、大事だよね。
ねえねえ、

ケンちゃん、ギター気がついてた?

どうかしらね?
……
ケンちゃん、昨日は裏山の倉庫に行ってて、疲れたみたい。土だらけになってたから。
……
その様子はボクも見てたから知ってる。

でも、言わない。

お風呂も半分寝ながら入ったみたいよ。

だから、気がつかなかったかもしれないわね。

ケンちゃん……

どうして、そこまで頑張ったの?

ショウちゃんは

もう起きるの?

うん
けっこうよく寝たから、眠くない。
朝ごはん、

一緒に作ってくれる?

うんっ
お世話になってるんだから、それくらいしないとね。
おトイレ行って、お着換えしてくる。

おばあちゃん、待っててね。

はいはい。
おばあちゃんは嬉しそうに、そう言ってうなずいた。
(お手伝い、お手伝い。おばあちゃんのお手伝いっ)
それから、おばあちゃんと一緒に、朝ごはんを作った。

お皿を運んだりする程度だったけど。でも、おばあちゃんは喜んでくれて、ボクが大好きな甘い卵焼きを作ってくれた。

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登場人物紹介

ショウ

小学3年生の男の子

ケンちゃん

ショウの従兄

中学2年生

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