20 朝
文字数 824文字
朝日が眩しい。
寝過ごした?
ボクは飛び起きた。
比較的急いで、できるだけ音を立てないように唐紙のところまで行く。
昨晩と同じように、そっと唐紙を開ける。
小窓から入る朝日で、布団の中でちんまり寝ているケンちゃんが見えた。
2枚か3枚かけていたはずの布団が、気づくと1枚くらいなくなっている。
昨日、置いた場所に、置いたままの姿で置いてあった。
しばらく見ていた。
それならよかった。
しばらく見ていた。
しばらく見ていた……
…………飽きた。
ついでにトイレにも行こう。
***
お台所にいたおばあちゃんに声をかける。
あいさつ、大事だよね。
その様子はボクも見てたから知ってる。
でも、言わない。
ケンちゃん……
どうして、そこまで頑張ったの?
けっこうよく寝たから、眠くない。
お世話になってるんだから、それくらいしないとね。
おばあちゃんは嬉しそうに、そう言ってうなずいた。
それから、おばあちゃんと一緒に、朝ごはんを作った。
お皿を運んだりする程度だったけど。でも、おばあちゃんは喜んでくれて、ボクが大好きな甘い卵焼きを作ってくれた。