第13話:京都COP3に参加と富一の変化

文字数 1,597文字

 境内を回ると、「さざれ石」を発見。君が代の歌「君が世は、千代に、八千代に、『さざれ石』の巌となりて、苔のむすまーで」の『さざれ石』だとわかった。こうして諏訪大社を回ったが、祖父が、諏訪の民話「御神渡・おみわたり」の話を車の中で孫たちに話した。だから、諏訪湖が凍結すると、湖の真ん中に、裂けた氷が山の様に盛り上がるのだよと説明した。

 すると、笑いながら、夢子が、男の人って大変ねと言うと大笑いになった。その後、昼食を食べて、中央高速に乗り、早めに東京へ向かった、16時に自宅に帰った。その後、8月14日昼過ぎ、薄井淳一は、沖縄に帰った。この年も夏が暑くて雨が少なかった。その後、冬は、同様に気温が高く、雨が少ない年となった。

 この年、日本では、2月に輸入血液製剤をめぐる薬害エイズ問題で、原告患者らと面会した。遺影を抱く遺族に謝罪する菅直人厚生相。同相は当時の厚生省に落ち度があったことを公式に認めた。7月には、住専処理に財政資金投入、債権管理機構発足。薄井家でも、この年、秋、冬も、特に大きな事件は起こらずに済み、年末を迎え、1997年を迎えた。

 1997年は、父は、今年も仕事で、正月、帰ってこられなかった。4月に消費税アップが景気直撃、円・株安で超低金利続き、消費税5%がスタート。スーパーのレジにはお知らせが張り出された。5月の連休、父から4月27日から5月3日の予定で帰ると電話が入った。4月27日18時過ぎに、東京の家に戻って来て、風呂に入った。

 夕食後、富一を呼び、今年12月京都で開かれる第3回気候変動枠組条約締約国会議「COP3」に一緒に行かないかと誘われた。父の予定は、12月8日の夜に入り、9日,10日、会議を聞き11日の昼に帰る予定だと言われた。それに合わせて、富一も休暇を取って行きますと答えた。ホテルが決まったら電話すると言われ了解した。

 また6月には、日本全国を震撼させる事件が起こった。それは、神戸の小学生殺害事件で14歳少年が逮捕された。これは、神戸連続児童殺傷事件で、新聞社に送られた「酒鬼薔薇聖斗」を名乗る犯行声明文。2~5月に小学生5人が相次いで襲われ2人が殺害された。この事件の残虐性、犯行が、14歳の少年が行ったとわかると、信じられない程の衝撃が走った。

 7月には、香港が、155年の英国統治に幕が下りて、中国に返還されることになった。そして、香港が英国から中国に返還され、「一国二制度」が始まった。この年は、暖冬で始まり、3月から5月も気温の高い日が続いた。7月中旬にかけて前線の活動が活発となり東日本で大雨、災害が発生。梅雨明け後、気温は平年並から低温傾向で経過し降水量も多く不順な天候。

 8月、東日本の太平洋側を中心に顕著な低温・日照不足。9月は秋雨前線と低気圧や秋雨前線と台風第19号20号の影響で曇りや雨の日が多く、11月上旬は全国的に大陸からの高気圧におおわれて晴れの日が多かった。11月中旬以降は、発達中の低気圧と高気圧が交互に通り天気は数日の周期で変わった。南からの暖湿気が日本付近に流れ込んだ。

 そのため、全国的にかなり高温となり、降水量が多くなった。12月8日、富一は、京都では、ホテルが取れず、仕方なく、大阪近郊のホテルを予約した。そのため、直接、父と会議場の指定した場所で落ち合うことにした。12月8日9時半、指定された会場の入り口で会い、会場に入り、隣通しの席をとって、会議を聞き始めた。

 12月9、10日と隣同士の席で会議を聞いた。11日、会議の結果報告と、決定事項の詳細にわたる解説。今後の方針が発表された。この結果について、父は、70点と言った。その訳は、総論的に多くの話がまとまった。しかし、約束とならず拘束力は全くない事。主要各国の削減率は、公平性に欠ける事。しかし総論的に発展途上国も先進国の言い分も取り入れた。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み