024.日陰くんと特急
文字数 793文字
ささやき市新オフィスでの仕事を終えた日陰くん。ちょうど普通列車の無い時間だったので、特急券を買って自由席に乗車したのであった。
ほどよく混み合っている車内で、開いている席に着席する。すると、隣に見慣れた男がいた。
ええ……
どっかの大統領がテキトーなこと言う度に、僕の含み益がガンガン減っていく有様で。
一回精算したんですが、ちょっと立て直しが必要な感じでして。
それなら、もう少し家賃が安くてコンパクトな場所に越そうかなと。
ああ……お前には言ってなかったな。
ちょっと転勤になってな。引っ越すのもアレだし、列車で通ってるんだ。
普通列車なら50分ぐらいだけど、特急なら半分で済むしな。時間が中途半端だったから、今日は特急に乗っただけ。