第218話 スカイるるせ・ランチ【ときどき、私信】
文字数 2,013文字
スカイウォーカーランチ (Skywalker Ranch) は、アメリカの映画制作会社ルーカスフィルム本社が入るスタジオの総称。住所は、カリフォルニア州マリンカウンティ。ランチ内にはルーカスフィルムの本社機能と傘下のスカイウォーカーサウンドが入る。選ばれた者しか入る事ができない。
この大きな敷地は、ジョージ・ルーカスが、「スター・ウォーズ・シリーズ」の収入で購入し、設立した。ハリウッドのメジャースタジオと一定の距離を置き、自分の映画に対する理念を追求したいとのことから、サンフランシスコに居を構えた。広大な土地は、外観が農場にしか見えない。よって、ここをRanch(農場)と名付けている。メインオフィスは、農場を経営する家族の家、テックビルは、ワイン工場といったように、ルーカスはこの地に架空のストーリーを構築している。
おはようございます。レターの返信ありがとうございます♪
返信にもありましたが、作品は作者を越えます。意図や実力なんていうものを突き抜けることが往々にしてあります。それはもう、才能でも努力でもなく、「そういうことはある/存在する」としか言えないです。僕がなんだか主張していた、世界の外側に触れて感動する、みたいなのは要するにそれを言ってるのだな、とあらためて思いました。
ただ、とよねさんがこのまえ、「サプライズ」という言葉で言い表していて、「やっぱすごいな」と思いました。Giftの、本来の意味にあるのはそのサプライズ性にあると思うからです。
いや、だから過大評価してるとかそういうのではないので大丈夫です!
——自己を意識すること、および他人が自分を意識していることを知ることは、「自分および他人の存在を信頼する手段」である、ということ。フランツ・カフカの『哀願者との会話』の中で、「心の底から自分が生きているのだと思えたことは一度もない」というセリフがあるのですが。これは、存在論的不安定という実存的立場から出発しているのです。それゆえ、彼の生活の根本問題は、自分が生きているということ、事物の現実性とに関する確信を得ることであったのでした。しかし、彼の世界は非現実的であるから、彼は他人の世界の対象でなければならないのです。なぜなら他人の対象は現実的であり、穏やかで美しいものにすら思えるからなのです。——
R.D.レイン『引き裂かれた自己』からのまとめ、ですね。それとは別に、カフカはドゥルーズが『カフカ マイナー文学のために』で取り上げたことから、ポスト構造主義解釈ってのが生まれた。かめさんもたぶんご存知の通り、実存主義は哲学の臨界点でした。レヴィ=ストロースがサルトルに代わって出てきて構造主義が隆盛になって、その後文献学からポスト構造主義が出て昔の哲学なども復権されていく。ソーカル事件もあって、微妙に信頼できるか謎な部分があるなか、2010年代からは、どちらかというと政治哲学の人気が再燃してますよね。