かの有名産地の有名畜産家が育てた黒毛和種・最高級・霜降り・処女肉

文字数 415文字

「お〜い、食事の時間だよ〜」
 御主人様は、私達を呼んだ。
 生まれてから、ずっと、私達は女と虚勢された男だけで育てられてきた。
 適度な運動。ストレスの無い生活。清潔な環境。野菜中心の美味しい食事。子供の頃から上等なビールやワインを飲ませてくれた。
 お風呂に、マッサージ機に、ふかふかのベッド。
 御主人様達は、私達を「家畜」と呼んでいるのに、愛情を込めて、私達を育ててくれている。
 一体、どっちが「御主人様」で「家畜」なのだろう?
 何故、こんなに素晴しい生活が出来るのに、私達の先祖は、御主人様達の「侵略」を怖がっていたのだろうか?

「はい、今年、最後の()りにふさわしい最高級の中の最高級と呼ぶべき()()()です。十五歳、処女、黒毛和種、霜降り肉、餌は全てオーガニック食品。もちろん、()()に配慮して、ストレスの無い環境で育て、苦痛を感じない方法で屠殺しています。育てたのは、かの有名な日本の松坂の畜産家である九頭竜一族のガジガジラさんです」
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