(二)-9

文字数 300文字

「実は俺、こういうの初めてで……。父が亡くなったときは兄がすべてやってくれたし。俺は何をしたらいいのでしょうか」
「遺産相続については、弁護士さんに聞くのが一番だと思いますよ。誰かが亡くなると名前も聞いたこともない親戚を名乗る人がやってきたりもしますから。衛子さんのことは、今のままなら私が見守りで週に三回訪問します。もしも老人ホームへとお考えであれば、何カ所か紹介はできます。ただ今空きが全然なくて……」
 おお! 俺は「是非紹介して欲しい」と言った。西山さんは快諾してくれた。
 そして俺は、西山さんを畑まで案内した。
「母さん、西山さんが来たよ」
「ああ、いらっしゃい。私はぴんぴんしていますよ」

(続く)
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