美月流☆自分を知る旅~対人関係編~

文字数 1,301文字




 いらっしゃいませ。そしてお帰りなさいませ。

 庄内多季物語工房へ、ようこそおいで下さいました。

 さて、今宵は、物語収穫人である私、佐藤美月と一緒に、自分を知る旅へと、出掛けて行きましょう。

 今回取り上げるテーマは、対人関係についてです。


 私は今現在、会社において、部署異動してきた男性社員に、仕事を教えながら、一緒に働いている状況です。

 ちなみに、私が勤務している会社は、プリンターのインクカートリッジを製造しています。

 そして製造部門となると、求められる能力というものは、段取り能力と、てきぱきと正確に物事を処理する能力が挙げられると思います。

 そこで件の男性社員ですが、小振りのお相撲さんを彷彿とさせるくらい、体格の良い人なのです。

 そのせいもあるかと思いますが、動作の一つ一つが、まるで熊のようにのっそりとしています。

 性格的にものんびりしているため、スピーディーさが求められる製造部門には、てんで向かないタイプのように見受けられました。

 私は仕事を教えるに当たって、自分よりものんびりした人が相手だと、温かく見守ってあげなければと思いつつ、どうしても苛々してしまう傾向にあります。

 ですからその男性社員に対しても、内心では苛々しつつ、それを悟られないように、仕事を教えていました。

 そうして以前の自分であれば、「あ~、苛々してるな~」などと、その感情を観察して、通り過ぎるだけでした。

 けれども今回は、それよりもう一歩踏み込んだ気付きが得られたのです。

 このことは私にとって、大きな収穫でした。

 それは、彼がいてくれたからこそ、その感情を感じることが出来たということです。

 私達は、他者の存在があって初めて、自分には様々な感情が潜んでいるのだと知ることが出来ます。

 とかく世の中には色々な人がいるものですが、そのバラエティーの豊かさに対応出来るだけの感情が、私達の内面には備わっているわけです。

 私達は自分一人だけで存在していたら、自分がどんな人間なのか、知ることは出来ません。

 他者との関わり合いの中でしか、自分を知っていくことは出来ないのです。

 例えば一人でいて寂しいと思う感情も、誰かと一緒に過ごした経験があってこそ、感じることが出来るものです。

 ポジティブな感情であっても、ネガティブな感情であっても、それを引き起こしてくれる相手がいるからこそ、感じることが出来るものなのです。

 あなたはこれから、どんな人を通して、新たな自分を発見していくことになるのでしょうか。

 沢山の素敵な出逢いが、あなたへと降り注ぎますように。

 それでは、今宵も最後までお付き合い下さいまして、誠にありがとうございました。

 またのご来訪を、心よりお待ち致しております。


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