第五十八話、トレビムの会議
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王都トレビムでは会議が行われていた。
王であるルミセフが言った。軍事顧問のペックスより戦況を聞いた。
軍事顧問のペックスが言った。
内務大臣のケフナが言った。
財務大臣のオランザが言った。
外務大臣のヨパスタは情報部のトパリルを見た。
トパリルは少し表情を変えた。
「バリイ領の領主周辺の情報なので、ある程度信頼の置ける情報ですよ。少なくとも、領主はそう考えているようです。一連のドワーフの行動、ギリム山噴火により住処を失うドワーフが、西のアリゾム山へ向けて拠点を作りながら移動していると考えれば、筋が通るのではいないですかな」
いささか得意げな表情に見えた。情報部と外交部では業務がかぶっている部分もあり仲が少し悪かった。トパリルが高齢のヨパスタの後釜を狙っているのではないかという話もあった。
財務大臣のオランザが言った。
「戦争をしてまで手に入れたい山なのですよ。何の価値のない山を大勢の同胞の命を失ってまで手に入れようとしますか。鉱物に関してはドワーフはプロ中のプロ、あると、考えてもよろしいのでは、もし、ミスリル鉱山を手に入れることができれば、国の財政は長期にわたって好転します」
トパリルが言った。
「噴火が起きれば、バリイ領は大混乱に陥るでしょう。バリイの領主にドワーフの管理をしている余裕はありますまい。そこに付け込んで吸い上げてしまえばいいのです。多少強引なことをしても、噴火の混乱でなんとでもなるでしょう」
ペックスは疑問の声を出した。
ルミセフは聞いた。
人とは違うのだ。王が死んだからと言って戦意を喪失するとは限らない。残り二万が燃えさかる森を乗り越え暴れ回るかもしれない。
オランザは言った。