第１９話　プラスとマイナス

一般的傾向性として、人は「プラスを好み、マイナスを嫌う」。

「マイナスイオンが健康にいい」と言って、喜んでいた人がいたが、これは自身にとってプラスになるからであろう。

この世界はプラスだけ、あるいはマイナスだけ、では成り立たない。両者相俟って世界は成立している。

プラスを神とマイナスを悪魔に、あるいはプラスを悪魔とマイナスを神と規定して、つまりこの場合、神と悪魔は左右ほどの違いの意味しかない。

「ポジティブ」とか「ワクワク」のみをよい事とみなし人々に勧める者にあなたは如何なる感想をお持ちだろう。

一方の価値のみを求め、他方の価値を容認しないところに筆者は多大な疑問を呈する。

プラスもマイナスも振り幅を大きく出来る体験・経験の大きさ深さが他の人に寄り添い元気に出来る存在へと成長させるだろう。

人生は何が大きな存在と自身を琢磨する原因となるか・切瑳の要因となるか、誰も知らず。

成功の体験がその後の人生を暗澹たるものとさせることもあれば、青春の蹉跌が長い人生の好運の源となることもある。