終わりなき日常
文字数 1,400文字
神楽舞は新しく買った桜色のストールを首に巻いて出掛ける支度をし始めた。
もう四月だし、京都も桜がちらほら咲き始めている。
飛騨は今日はダークブルーのサイバーグラスをしているが妙に素直だった。
というか、所属してるIT企業の「カレイドスコープ」に連絡して、正式に「作家でたまごごはん」に出向扱いにしてもらっていた。
飛騨が申請した休暇がまだ三週間残っていたのも好都合だったし、「作家でたまごごはん」の社員のほとんどがこの前の襲撃で亡くなっていたので緊急の処置でもあった。
とりあえず、小説投稿サイト「作家でたまごごはん」の再建が急務だった。
舞は飛騨にそういうと階段をとことこ降りて行った。
エレベーターも故障中で修理はもう少しかかるらしい。
会社のある京都の伏見区にも桜がちらほら咲き始めていた。
舞は川沿いに咲いている桜を眺めながら、しばらく、歩くことにした。
世の中はすっかり春めいているが、舞の仕事はまだまだ続いていく。
終わりなき日常を生きろと言った人もいたけど、ほんと、これからも無限ループのような日常が続いていくだろう。
公安の仕事のカモフラージュではじめた小説投稿サイトの仕事だったけど、今では結構、気に入っている。最近では天職なのではないかとも思っている。
舞はそんな独り言をいいながら、桜の花にしばらく酔いしれていた。
(あとがき)
ということで、ひとまずこのお話は終わりです。
ご愛読ありがとうございました。
第二章を書くとしたら、予定としては2015年5~6月ぐらいになりそうです。
明日からは、2015年4月のアルファポリスの第8回ホラー小説大賞用の「常世封じ道術士 風守カオル」の新作「雛流しの呪法」編を書いていこうと思います。
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