第4話『おっさん、確認する』後編
文字数 4,200文字
「あと、スキルの詳細をもっと知りたいんだけど……」
例えば〈格納庫 〉にはどれぐらいの物が入るのか、〈影の王〉にはどの程度の隠密効果があるのか、というところを知っておきたいところである。
こういった場合、ファンタジーもので多用されるのが“鑑定”やそれに類するスキルであるが……。
「たしか、情報閲覧がどうのこうのっていってたな……」
その“情報閲覧”という文言をどこかで見た覚えがある敏樹はしばらく頭をひねり、そして思い出した。
「たしかタブレットに…………、やっぱあった!」
タブレットPCを立ち上げたところ、ホーム画面のメニューに『情報閲覧』という項目を発見し、敏樹は早速タップした。すると画面上に検索欄のような物が表示される。
《閲覧したい情報に関連した語句を入力するか、対象をカメラに収めてください》
検索欄には薄い文字でそう記載されていた。
「カメラ……?」
よく見ると、タブレットの前面と背面にそれぞれカメラのレンズらしき物が設置されていることが確認できた。
そして検索欄の右端にカメラを示すようなアイコンがあったので、そこをタップすればカメラモードに切り替わるものと思われる。
「気になるけど、とりあえずスキルの確認が先かな」
まずは〈格納庫〉を……と思ったところ、特に何も操作していないにもかかわらず、検索欄に“格納庫”と記入され、画面が切り替わった。
そして切り替わった先にはスキルの説明らしき物が表示されていた。
〈格納庫〉
収納系最上位スキル。手にした物を時間が止まっている異空間に収納する。容量および重量は無制限。生物および活動中のアンデッドや動作/待機中の機械類は収納不可。収納物に対する『調整』『修繕』『分解(解体)』『再構築』機能あり。
「……なんかすごくない?」
時間停止や容量無制限というのはよくある設定ではあるものの、非常にありがたい機能である。その他の機能も一通り確認したが、かなり使えそうなスキルであった。
続けて〈無病息災〉を調べてみる。
〈無病息災〉
心身とも万全の状態に保たれる。
「……ざっくりしすぎじゃね?」
大雑把な説明ではあるが、常に万全の状態を保つという説明から、全力疾走であまり疲れることがなかったのも、裸足に近い状態で走って傷だらけになっていたであろう足の裏が無傷なのもこのスキルのおかげであろうことはなんとなく理解できた。
〈影の王〉
すべての関連スキルを統合した隠密系最上位スキル。五感に加え、気配、熱変動、魔力による感知を妨げる。一度認識されてしまった場合、効果は激減する。スキル使用中は生命力や魔力を消費する。スキル効果の付与も可能。付与した場合の効果の割合はスキルレベルに比例する。
「ん、スキルレベル……?」
気になる語句を見つけた敏樹は、いったんホーム画面に戻り『スキル習得』メニューを開いた。
「えっと、習得済みスキルは……っとぉ、これ考えただけで勝手に操作できるのな」
先ほどスキル一覧から隠密系スキルを絞り込んだり、『情報閲覧』を開いたあと語句をイメージしただけで入力されたように、今回もスキル一覧の画面から自動的に習得済みスキルへと画面が移り変わった。
〈格納庫〉〈無病息災〉〈言語理解〉〈影の王Lv1〉
「おお、たしかに〈影の王〉はレベル1だな」
そこで敏樹がなんとなくレベルの部分をタップしてみたところ、レベルを選択するような小窓が表示された。
「……ん? レベル2までしか選択できないのか」
レベルは1から10まで表示されているが、3から上はグレーアウトしており選択できないようである。
そこで敏樹がレベル2を選択すると、今度はレベル表記部分がグレーアウトし、レベル選択そのものが表示されなくなった。
「……よくわからんけど、何か条件があるんだろうな」
敏樹はそうつぶやきながら、『スキル習得』を閉じ、『情報閲覧』に切り替えていた。
できればもっとスキルを検証したいが、それにはまず安全を確保してからだと敏樹は考えたのである。
そして安全を確保する方法として思いついたことがあったので、『情報閲覧』を開いたのである。
「ここから一番近い安全な場所」
そう口にすると、タブレットPCの画面が地図検索のような表示に切り替わった。
画面は三対七程度の割合で左右に二分割され、左の方には洞穴 と思われる場所の外観が、右側には一面の緑が表示されており、どうやら森を上空から映した物であることがわかった。
そして画面の中心を起点にルートと思われるラインが表示されている。
「これ、拡大とかできるのか?」
そう思いながら、起点となる部分に親指と人差し指を当て、その部分を拡大するように指を開く――すなわちピンチアウトする――ことで、通常のタブレットPCのと同様に拡大することができた。
そうやってどんどん起点にズームインしていくと、なにやら人の姿らしき物が見えた
。
「……俺じゃね?」
どうやらそれは敏樹を頭上から捉えたものらしく、画面の中の敏樹は微妙に動いているのであった。
「もしかして……」
そこで敏樹が上を向くと、画面の中の敏樹も同じく上を向いた…………のだが、画面から視線を外した敏樹はその様子を見ることができない。
「おっと、俺はアホか」
気を取り直して画面に視線を戻した敏樹だったが、今度は頭上でひらひらと手を振ってみた。
すると画面の中の敏樹も同じく頭上で手を振ったのだった。
「リアルタイムかよ……。すごいな」
その仕様に感心しつつも、敏樹は画面をピンチインしてズームアウトし、広域表示に切り替えた。
先ほど表示されたルートはまだ残っており、画面左に表示された洞穴の画像の下に《1.8キロメートル/徒歩32分》と表示されている。
距離に対して時間がかかりすぎるようだが、それだけ道が悪いということだろう。
「こっちか……」
タブレットPC上のルートが示す方向は、先ほどやり過ごしたゴブリンたちが消えていったのと同じであった。
「〈影の王〉使えば大丈夫かな」
動けば効果が下がる〈影の王〉であったが、スキルレベルも上げたことであるし、何もしないよりはいいであろう。
敏樹は足を拭くタオルを濡らすために使った水の残りを飲み干し、ペットボトルを〈格納庫〉に収めたあと、〈影の王〉を発動し、歩き始めた。
**********
「ぜぇ……ぜぇ……」
肩にトンガを担ぎながら無理のないペースで歩いていた敏樹だったが、10分としないうちに息が切れ始め、さらに数分経つころには息も絶え絶えというありさまであった。
先ほどは10分近く全力疾走しても一切疲れなかったにもかかわらず。
「くそ……、なんでだ……」
さらにいえば、ただ単純に疲れたというだけでなく、意識が朦朧とし始めわずかに吐き気を催してきた。
「なんか……懐かしい、感覚……」
そして敏樹は、会社勤めをしていたころ、何日も寝ずに仕事を続けた、いわゆる“デスマーチ”の終盤に近い状態であることを思い出した。
「はぁ……はぁ……、もう、無理……」
敏樹はあたりを見回し、少なくとも見える範囲に危険な物がなさそうであることを確認すると、近くにあった木に身を隠すような形でもたれかかり、〈影の王〉を解除した。
「ふぅ……」
木にもたれかかったままゆっくりとしゃがみ込んだ敏樹は、そのまま地面に寝転がって眠りたくなる衝動を抑えながら、なんとか呼吸を整えることに成功した。
そして数分後には幾分か体調も戻っていた。
「あれか、〈影の王〉を使ってたせいか」
ある程度疲労が回復したところで、敏樹は“生命力と魔力を消費する”という〈影の王〉の説明文の一部を思い出していた。
どうやらこのスキル、使用者にかかる負担がかなり大きいらしい。
「よっこらせっと」
さらに10分ほど休憩し、まだ体の芯に残る疲労を感じつつも行動に支障はないと判断した敏樹は、再び洞穴を目指して歩き始めた。
「普通に歩く分には問題ないな」
〈影の王〉を解除して歩く分には、一切疲れないどころか徐々に疲労が回復していくのを敏樹は感じていた。やはり時間経過による回復効果が〈無病息災〉にあることは間違いないようである。
行く手を塞ぐ雑草をかき分けたり、傾斜や段差を上ったり下りたり、ちょっとした低い崖を這い上がったりしながら、敏樹はひとまず順調に進んでいた。
しかし〈影の王〉なしで動くということは、常に自分の姿を周りにさらしているということになる。
「うがっ!!」
調子よく歩いていた敏樹は、背中に鋭い衝撃を受け、つんのめって膝をついた。
「あ……ぐ……、なに……?」
背中に受けた衝撃は、やがて激痛に変わっていく。その痛みに耐えながら、敏樹はよろよろと立ち上がりながら後ろを見た。
「ゴギョギョ!!」
視線の先、10メートルほど離れたところに弓を構えたゴブリンの姿が見えた。
弓と呼ぶにはあまりに粗末な、木の枝と草の蔓を組み合わせたような物であったが、それでも実用に耐えうる物なのだろう。
そしてその粗末な弓から放たれた矢が、敏樹の背中を貫いたのだろうことは容易に想像がついた。
しかしそれよりも重要なことがある。
弓を構えたゴブリンよりさらに近い位置から、敏樹に向かって突進してくる別の個体があった。
そしてそのゴブリンは、手に木の棒を持っている。
それは1メートルほどの太い木の枝のようであり、無理矢理もぎ取ったのか先端が細くとがっていた。その構え方からして本人は槍のつもりなようではあるが、せいぜいできの悪い杭のようにしか見えない。
しかしいくら不細工な形とはいえ、その先端がとがっていることに変わりはなく、敏樹の至近距離にせまったゴブリンはその粗末な木の棒を槍のように繰り出した。
「ごふぅっ……!!」
ゴブリンが繰り出した棒は命中し、敏樹は腹に強い衝撃を受けてうめくのだった。
例えば〈
こういった場合、ファンタジーもので多用されるのが“鑑定”やそれに類するスキルであるが……。
「たしか、情報閲覧がどうのこうのっていってたな……」
その“情報閲覧”という文言をどこかで見た覚えがある敏樹はしばらく頭をひねり、そして思い出した。
「たしかタブレットに…………、やっぱあった!」
タブレットPCを立ち上げたところ、ホーム画面のメニューに『情報閲覧』という項目を発見し、敏樹は早速タップした。すると画面上に検索欄のような物が表示される。
《閲覧したい情報に関連した語句を入力するか、対象をカメラに収めてください》
検索欄には薄い文字でそう記載されていた。
「カメラ……?」
よく見ると、タブレットの前面と背面にそれぞれカメラのレンズらしき物が設置されていることが確認できた。
そして検索欄の右端にカメラを示すようなアイコンがあったので、そこをタップすればカメラモードに切り替わるものと思われる。
「気になるけど、とりあえずスキルの確認が先かな」
まずは〈格納庫〉を……と思ったところ、特に何も操作していないにもかかわらず、検索欄に“格納庫”と記入され、画面が切り替わった。
そして切り替わった先にはスキルの説明らしき物が表示されていた。
〈格納庫〉
収納系最上位スキル。手にした物を時間が止まっている異空間に収納する。容量および重量は無制限。生物および活動中のアンデッドや動作/待機中の機械類は収納不可。収納物に対する『調整』『修繕』『分解(解体)』『再構築』機能あり。
「……なんかすごくない?」
時間停止や容量無制限というのはよくある設定ではあるものの、非常にありがたい機能である。その他の機能も一通り確認したが、かなり使えそうなスキルであった。
続けて〈無病息災〉を調べてみる。
〈無病息災〉
心身とも万全の状態に保たれる。
「……ざっくりしすぎじゃね?」
大雑把な説明ではあるが、常に万全の状態を保つという説明から、全力疾走であまり疲れることがなかったのも、裸足に近い状態で走って傷だらけになっていたであろう足の裏が無傷なのもこのスキルのおかげであろうことはなんとなく理解できた。
〈影の王〉
すべての関連スキルを統合した隠密系最上位スキル。五感に加え、気配、熱変動、魔力による感知を妨げる。一度認識されてしまった場合、効果は激減する。スキル使用中は生命力や魔力を消費する。スキル効果の付与も可能。付与した場合の効果の割合はスキルレベルに比例する。
「ん、スキルレベル……?」
気になる語句を見つけた敏樹は、いったんホーム画面に戻り『スキル習得』メニューを開いた。
「えっと、習得済みスキルは……っとぉ、これ考えただけで勝手に操作できるのな」
先ほどスキル一覧から隠密系スキルを絞り込んだり、『情報閲覧』を開いたあと語句をイメージしただけで入力されたように、今回もスキル一覧の画面から自動的に習得済みスキルへと画面が移り変わった。
〈格納庫〉〈無病息災〉〈言語理解〉〈影の王Lv1〉
「おお、たしかに〈影の王〉はレベル1だな」
そこで敏樹がなんとなくレベルの部分をタップしてみたところ、レベルを選択するような小窓が表示された。
「……ん? レベル2までしか選択できないのか」
レベルは1から10まで表示されているが、3から上はグレーアウトしており選択できないようである。
そこで敏樹がレベル2を選択すると、今度はレベル表記部分がグレーアウトし、レベル選択そのものが表示されなくなった。
「……よくわからんけど、何か条件があるんだろうな」
敏樹はそうつぶやきながら、『スキル習得』を閉じ、『情報閲覧』に切り替えていた。
できればもっとスキルを検証したいが、それにはまず安全を確保してからだと敏樹は考えたのである。
そして安全を確保する方法として思いついたことがあったので、『情報閲覧』を開いたのである。
「ここから一番近い安全な場所」
そう口にすると、タブレットPCの画面が地図検索のような表示に切り替わった。
画面は三対七程度の割合で左右に二分割され、左の方には
そして画面の中心を起点にルートと思われるラインが表示されている。
「これ、拡大とかできるのか?」
そう思いながら、起点となる部分に親指と人差し指を当て、その部分を拡大するように指を開く――すなわちピンチアウトする――ことで、通常のタブレットPCのと同様に拡大することができた。
そうやってどんどん起点にズームインしていくと、なにやら人の姿らしき物が見えた
。
「……俺じゃね?」
どうやらそれは敏樹を頭上から捉えたものらしく、画面の中の敏樹は微妙に動いているのであった。
「もしかして……」
そこで敏樹が上を向くと、画面の中の敏樹も同じく上を向いた…………のだが、画面から視線を外した敏樹はその様子を見ることができない。
「おっと、俺はアホか」
気を取り直して画面に視線を戻した敏樹だったが、今度は頭上でひらひらと手を振ってみた。
すると画面の中の敏樹も同じく頭上で手を振ったのだった。
「リアルタイムかよ……。すごいな」
その仕様に感心しつつも、敏樹は画面をピンチインしてズームアウトし、広域表示に切り替えた。
先ほど表示されたルートはまだ残っており、画面左に表示された洞穴の画像の下に《1.8キロメートル/徒歩32分》と表示されている。
距離に対して時間がかかりすぎるようだが、それだけ道が悪いということだろう。
「こっちか……」
タブレットPC上のルートが示す方向は、先ほどやり過ごしたゴブリンたちが消えていったのと同じであった。
「〈影の王〉使えば大丈夫かな」
動けば効果が下がる〈影の王〉であったが、スキルレベルも上げたことであるし、何もしないよりはいいであろう。
敏樹は足を拭くタオルを濡らすために使った水の残りを飲み干し、ペットボトルを〈格納庫〉に収めたあと、〈影の王〉を発動し、歩き始めた。
**********
「ぜぇ……ぜぇ……」
肩にトンガを担ぎながら無理のないペースで歩いていた敏樹だったが、10分としないうちに息が切れ始め、さらに数分経つころには息も絶え絶えというありさまであった。
先ほどは10分近く全力疾走しても一切疲れなかったにもかかわらず。
「くそ……、なんでだ……」
さらにいえば、ただ単純に疲れたというだけでなく、意識が朦朧とし始めわずかに吐き気を催してきた。
「なんか……懐かしい、感覚……」
そして敏樹は、会社勤めをしていたころ、何日も寝ずに仕事を続けた、いわゆる“デスマーチ”の終盤に近い状態であることを思い出した。
「はぁ……はぁ……、もう、無理……」
敏樹はあたりを見回し、少なくとも見える範囲に危険な物がなさそうであることを確認すると、近くにあった木に身を隠すような形でもたれかかり、〈影の王〉を解除した。
「ふぅ……」
木にもたれかかったままゆっくりとしゃがみ込んだ敏樹は、そのまま地面に寝転がって眠りたくなる衝動を抑えながら、なんとか呼吸を整えることに成功した。
そして数分後には幾分か体調も戻っていた。
「あれか、〈影の王〉を使ってたせいか」
ある程度疲労が回復したところで、敏樹は“生命力と魔力を消費する”という〈影の王〉の説明文の一部を思い出していた。
どうやらこのスキル、使用者にかかる負担がかなり大きいらしい。
「よっこらせっと」
さらに10分ほど休憩し、まだ体の芯に残る疲労を感じつつも行動に支障はないと判断した敏樹は、再び洞穴を目指して歩き始めた。
「普通に歩く分には問題ないな」
〈影の王〉を解除して歩く分には、一切疲れないどころか徐々に疲労が回復していくのを敏樹は感じていた。やはり時間経過による回復効果が〈無病息災〉にあることは間違いないようである。
行く手を塞ぐ雑草をかき分けたり、傾斜や段差を上ったり下りたり、ちょっとした低い崖を這い上がったりしながら、敏樹はひとまず順調に進んでいた。
しかし〈影の王〉なしで動くということは、常に自分の姿を周りにさらしているということになる。
「うがっ!!」
調子よく歩いていた敏樹は、背中に鋭い衝撃を受け、つんのめって膝をついた。
「あ……ぐ……、なに……?」
背中に受けた衝撃は、やがて激痛に変わっていく。その痛みに耐えながら、敏樹はよろよろと立ち上がりながら後ろを見た。
「ゴギョギョ!!」
視線の先、10メートルほど離れたところに弓を構えたゴブリンの姿が見えた。
弓と呼ぶにはあまりに粗末な、木の枝と草の蔓を組み合わせたような物であったが、それでも実用に耐えうる物なのだろう。
そしてその粗末な弓から放たれた矢が、敏樹の背中を貫いたのだろうことは容易に想像がついた。
しかしそれよりも重要なことがある。
弓を構えたゴブリンよりさらに近い位置から、敏樹に向かって突進してくる別の個体があった。
そしてそのゴブリンは、手に木の棒を持っている。
それは1メートルほどの太い木の枝のようであり、無理矢理もぎ取ったのか先端が細くとがっていた。その構え方からして本人は槍のつもりなようではあるが、せいぜいできの悪い杭のようにしか見えない。
しかしいくら不細工な形とはいえ、その先端がとがっていることに変わりはなく、敏樹の至近距離にせまったゴブリンはその粗末な木の棒を槍のように繰り出した。
「ごふぅっ……!!」
ゴブリンが繰り出した棒は命中し、敏樹は腹に強い衝撃を受けてうめくのだった。