手ぶら

文字数 214文字

訳あって、所有していた物品を売却した。
“断捨離“なんて、高尚なものではなくて、財布がくうくう鳴くからだ。
渋々、嫌々。目先の小銭の為に、お気に入りを叩き売った。
気分は、終活。
何も成し遂げず、どこも彩らず。
上からは未熟、下からは加齢
各々に、レッテル貼られるままに
そうですね。と口にした。

いつでも寂しがってたけれども
手ぶらになって、久しぶりに
鏡をまじまじ、見てみたら

あらあら、なんとまあ 元気そうで
いやいや、あなたこそ そんな笑って。

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