01:私にはスイーツの精霊が見える ※1/26大幅修正・加筆
文字数 1,749文字
私の家の隣には、そこそこ繁盛しているスイーツショップが建っているの。ケーキ以外にも、カスタードプリンとか、スイートポテトとか、いろいろ売っているから、ケーキ屋じゃなくて、スイーツショップ。お店の名前は、「ハルカゼ」っていうんだ。
毎日「ハルカゼ」のスイーツを眺めながら登下校していた私は、あの日、きまぐれでケーキを作りたいと思った。それで、もうひとつのきまぐれでお母さんに食べさせたいって考えたの。
なんか、ケーキつくってお母さんにたべさせてみたい
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 ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`'ー '´
○
O
( ・`ω・´)←私
私はそれを楽しんでいたし、この時も”今までと同じなんだろう”と思っていたよ。
こうして私とミユちゃんは、ミユちゃんのお母さんからケーキづくりを教わった。作ったのは、生クリームとカラースプレーチョコとマーブルチョコを使っただけの、簡単なやつ。
だけど、不器用だったミユちゃんはクリームをスポンジの上に乗せることすらできず、お皿や床を何度も汚した。対して私は、小学3年生がはじめて料理をしたにしては、なかなかの出来のものに仕上げられたと思う。
その後も練習を重ねて、お母さんの誕生日に、焼いて生クリームを乗せて、文字を書いただけの簡単なショートケーキだったけど、プレゼントしたの。
と、燃えていた。ミユちゃんは私の後を追いかけて、いろいろなことを真似するけれど、不器用だからいつも途中で諦めちゃう。そして、私が次のことをはじめると、また追いかけてくるんだ。そんな彼女にしては、珍しく本気だったよ。
それから数ヶ月の間は、学校が休みの日でミユママが忙しくない日に、よくケーキ作りを教わった。ケーキ作りの本も読んだ。自分で甘~い美味しいスイーツを作れるのが楽しくて、いつしか私はこう思うようになっていた。