植物人間
文字数 727文字
とりあえず、その木のようなものを彼の家に連れて行った。
彼は庭に穴を掘り、足のような二本の根を埋めた。
「これで、元気になるだろう。」
「あれは、なんなの?」
富羅は、着替えて縁側に座りこんだ瑠真に尋ねた。
「学者はシナプスと呼んでいた。解りやすく言えば、植物人間。今までミイラでしたか発見されたことがない生物だ。」
普通は植物人間といえば意識不明の状態を言うが、これは人間のような植物ってことか。
「あなた、何者?」
富羅は瑠真の白い顔を恐る恐る下から覗き込んだ。
「以前、研究施設で暮らしていた。そこで見たんだ。」
学者っぽくはない。その家族ってことか。浮世離れしているのはそのためか。
「両親は古代の生物の研究をしていた。」
家に帰ってインターネットで春馬教授を調べた。Webの施設は情報の制限はあるものの地方にあるので比較的生き残っていた。
「古生物研究所所長。二足歩行の植物、シナプスの発見チームのメンバー。新種の翼竜アルマの研究メンバー。現在、消息不明。」
シナプスとアルマの情報は検索できなかった。すべて削除されたようだ。
翌日、シナプスは足は埋まったままだったが、手が動くまでに回復していた。シナプスは富羅が近づくと、動かなくなった。怯えているのが伝わる。
「大丈夫だよ。」
富羅はやさしく、シナプスの体に触れた。
「いじめない?」
富羅に誰か語りかけてきた。瑠真は表で近所のおばちゃんと話している。誰?
声は消えた。もう一度、シナプスの体に触れた。
トクン、トクン。
体の中を流れる水の流れが感じられた。これは植物だ。ハエトリソウなどの食虫植物には葉の動くものがいる。植物が自由に動けても不思議は無い。
彼は庭に穴を掘り、足のような二本の根を埋めた。
「これで、元気になるだろう。」
「あれは、なんなの?」
富羅は、着替えて縁側に座りこんだ瑠真に尋ねた。
「学者はシナプスと呼んでいた。解りやすく言えば、植物人間。今までミイラでしたか発見されたことがない生物だ。」
普通は植物人間といえば意識不明の状態を言うが、これは人間のような植物ってことか。
「あなた、何者?」
富羅は瑠真の白い顔を恐る恐る下から覗き込んだ。
「以前、研究施設で暮らしていた。そこで見たんだ。」
学者っぽくはない。その家族ってことか。浮世離れしているのはそのためか。
「両親は古代の生物の研究をしていた。」
家に帰ってインターネットで春馬教授を調べた。Webの施設は情報の制限はあるものの地方にあるので比較的生き残っていた。
「古生物研究所所長。二足歩行の植物、シナプスの発見チームのメンバー。新種の翼竜アルマの研究メンバー。現在、消息不明。」
シナプスとアルマの情報は検索できなかった。すべて削除されたようだ。
翌日、シナプスは足は埋まったままだったが、手が動くまでに回復していた。シナプスは富羅が近づくと、動かなくなった。怯えているのが伝わる。
「大丈夫だよ。」
富羅はやさしく、シナプスの体に触れた。
「いじめない?」
富羅に誰か語りかけてきた。瑠真は表で近所のおばちゃんと話している。誰?
声は消えた。もう一度、シナプスの体に触れた。
トクン、トクン。
体の中を流れる水の流れが感じられた。これは植物だ。ハエトリソウなどの食虫植物には葉の動くものがいる。植物が自由に動けても不思議は無い。