(二)-7

文字数 237文字

 そうして、私の待ち続ける日々が始まった。
 待ち続けるといっても、要するにそれは毎日実家の農家の仕事を手伝うことだった。
 畑は洞爺湖へ上っていく丘陵の中腹にあった。昭和新山が見え、毎日河口から煙が上がっているのが見えていた。冬でも夏でも、多い少ないはあったが、毎日煙が立ち上っているのが見えていた。
 まだ肌寒い季節ではあったが、田んぼの苗を育て始めたり、種芋などの準備をしたりする季節でもあった。そして私の当面の仕事は、畑に出て(くわ)をふるって畑を耕しておくことだった。

(続く)
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み