初めての謁見(勇者の役割)
文字数 2,163文字
公式な場で深々と頭をさげている自分と視線を合わせるために膝まずいてニコッと笑いかけたのは、和泉が初めてである。
まだ幼かったころ、ジュリ兄と遊んでいてセレスが転んだ時ーー!
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グノーシス城 中庭
せいいっぱいの強がりなのです。
そのためなら、こんな痛みなんて……
突然、目の前にジュリ兄の笑顔があった。
居心地のよさに思わず、ぼぉっとする。
今までと同じじゃダメなのよ!
いや、だって子供だろ?
とデカデカと書いてあったーー!
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後にも先にも、それ1度きりだと思っていたのに
でも修行で身につけた力は、仏の力を貸りるためのもの。
この世界で使えないことは証明済みだ。結界符も今はもうない。
セレスさまも、レヴィさんもアイリスさんも、大事なことを隠したまま和泉と私に勇者としての役割を期待している。