フカシタバコ
文字数 328文字
人差し指を上唇に、中指は下唇に添えてふーっと息を吐く。
タバコを吸うと落ち着く、なんていうけど。
あれ、嘘ね。
だって全く静まるところを知らないこの鼓動がその証。
単なる思い込みよ。
付き合っている彼に階段下に呼び出されて。
ふいに、キスをされた。
肩を掴まれて抵抗なんてできなかった。
彼には伝えていなかったが、ファーストキスだった。
年頃の女の子が自分から明かす訳ない。
小楠 彩は屋上で、甘い余韻に浸っていた。
放課の終わりを告げるチャイムが一つ、二つ。四つ、三つと鳴った。
同時に国語の先生がドアを開けて、彼女を見つけた。
「授業はじまるわよ」
「さぼってみたい気分なんです」
「あなたが?珍しいわね。そんな煙草をふかすふりまでして」
「そうね、出来るならもう一服したい気分だわ」
タバコを吸うと落ち着く、なんていうけど。
あれ、嘘ね。
だって全く静まるところを知らないこの鼓動がその証。
単なる思い込みよ。
付き合っている彼に階段下に呼び出されて。
ふいに、キスをされた。
肩を掴まれて抵抗なんてできなかった。
彼には伝えていなかったが、ファーストキスだった。
年頃の女の子が自分から明かす訳ない。
小楠 彩は屋上で、甘い余韻に浸っていた。
放課の終わりを告げるチャイムが一つ、二つ。四つ、三つと鳴った。
同時に国語の先生がドアを開けて、彼女を見つけた。
「授業はじまるわよ」
「さぼってみたい気分なんです」
「あなたが?珍しいわね。そんな煙草をふかすふりまでして」
「そうね、出来るならもう一服したい気分だわ」