(二)-9
文字数 226文字
「あっそ。じゃあ、帰るから」
我ながらぶっきらぼうな物言いだと思った。しかし、続けて明が言った「毎日来なくてもいいって言ったじゃん」という言葉にカチンときて、「いいでしょ。私の勝手よ」と言い残し、私は明の家を飛び出した。明のバカ……。私は自分の家の玄関のドアを乱暴に開けながら、心の中で明を罵った。
翌日の学校帰りのことだった。私が靴のつま先を地面にトントンしながらかかとを入れつつ昇降口から出て行こうとしたときに、目線の先に明の姿を見つけた。
(続く)
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