第11話 榛名春奈、倉庫内作業中④

文字数 1,618文字

「な…に…が…おきて…いるの?」

春奈は、目まぐるしく変化する状況に対応し切れず、その場に立ったまま呆然としていた。

『スキルを発動します』


そこへ、剥ぎ取りの効果を持ったスキルが彼女へ向けて放たれてゆく。万全を期し、初心者である当真をナビゲートする為に、AIハルナがスキルの行使を代行していた。

そして、AIハルナがスキルを使用すると、間髪入れずに春奈のブラウスのボタンが弾け飛んだ。

□□□□

「よおぉーしっ!」

「……?……?……」

呆気に取られて、ポカンとしている春奈。だが、彼女が呆然としている間にスキルの効果で身に付けていた衣服が、どんどん脱がされていく。

「イケるっ、イケるぞ!」

「…?…?…?…」

背後から喝采が上がっている…春奈は黙ったまま、それを他人事のように聞いていた。

「…ん!?」

しかし、その身に起きた看過できない現象に、春奈が意識を覚醒させる。それと同時に、彼女に掛かっていた認識阻害の効力が解けた。

「えっ、あれ…?」

その口から疑問の言葉が漏れる。なぜなら、彼女の胸のボタンが弾け飛んだ直後、魔法の手(マジックハンド)によって上着(ジャケット)からブラウス、インナーの3点を一気に剥ぎ取られていたからだ。

「どういう、コト…?」

もうブラジャーだけを残して、榛名春奈の上半身の剥ぎ取りは完了していたのだった。

そして今の春奈は、下着を着けたままではあったが、そのGカップの乳房が勢い良く外へと飛び出している状態だ。

「あれれっ!?」

慌てた彼女は、反射的に手で胸をガードする。

「一体、なんなの…?」

□□□□

しなやかに、美しく流線を描く背中。成熟した女性しか持ち得ぬ、豊かで艶のある肉体。

「~うわぁあ~」

目の前にある、榛名春奈の真っ白な背中。それを見て興奮する当真。

「う、うおぉお~!」

そして次の瞬間、彼は興奮のあまり榛名春奈の両腕を、グイッ! と掴みながら魔法の手(マジックハンド)に向かって叫んでいた。

「ブラジャーを外して!」

当真の声を受けて、4本ある内の1本が榛名春奈のブラジャーをガシッ! と掴んだ。

「なっ!?」

目の前でブラを掴まれ驚いた春奈は、瞬時に当真の両手を振り払い、魔法の手(マジックハンド)×1を手刀で打ち落とす。

「なにをするのよっ!」

そして、彼女はブラを片手で押さえて防御の姿勢を取った。

「あっ…!」

当真は必死の思いで、榛名春奈の両腕を掴んでいたのだが、あっさりと振り解かれてしまう。

「そ…そんな…」

童貞(チェリー)少年(ショタ)でもある当真では、本気になった榛名春奈を止められない。しかし、その事で当真が悲しそうな声を上げたのも束の間…


『剥ぎ取りを第2段階へ移行…(デコイ)1本を残し、魔法の手(マジックハンド)×3を榛名春奈の下半身へ潜行(アタック)させます』


誰よりも戦況を冷静に見つめていたAIハルナ…その指示(サポート)により、残りの魔法の手(マジックハンド)×3が榛名春奈の下半身(スカート)へ伸びる。そしてそのまま、魔法の手(マジックハンド)×3が一気に榛名春奈の腰に取り付いた。


『剥ぎ取りを再開します』


そうAIハルナが宣言すると、魔法の手(マジックハンド)×3が春奈の腰回りで蠢き始める…カチッ、ジー…と、スカートのファスナーが降ろされた。

「…っ!?」

次に残り2本の手が、ストッキングに指を掛ける。そこから、布地を2枚引っ掛けながら魔法の手(マジックハンド)が下方向へと滑り出してゆく。

「わわっ!?」

スポポンッ! と、まずはスカートとストッキングが一緒に剥ぎ取られた。

「えっ? えっ?」

続けて、ポイッ! ポイッ! ポイッ! ポイッ! と、靴と靴下が剥ぎ取られる。

「ちょ、ちょっと!」

3本の魔法の手(マジックハンド)が自在に動き、春奈の下半身を剥き出し(ショーツのみ)にする。その、あっという間の出来事に、彼女は疲れたように呟いた。

「…もう、なんなの…ワケがわからない…」
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登場人物紹介

【水森 当真《みずもり とうま》】


本編の主人公 (12)。特に目立った長所もなく、ただ単に溢れんばかりの若さを持っているだけのスケベ小僧。クラスでも埋没気味《モブ》な生徒の一人。

【榛名 春奈《はるな はるな》】


メインヒロイン(22)。今年の春に、私立水上学園中等部に赴任した新任の女性教員。そして、周囲から爆乳と称される程の大きな乳房の持ち主。


活発で人付き合いも良く、身体を動かす事が大好きである。その一方、漫画・小説・アニメ・ゲーム等の在宅趣味も嗜む。娯楽消費者として、インもアウトもバランス良くこなす性格をしている。


また、幼少より道場に通い詰めて、武芸を学んでいた。その影響で、非常時には物事をシビアに捉えるクセがあり、常人より一歩も二歩も見切りが早い。


突如現れた、モンスター達を相手に立ち回り、彼女は強力な職業《ジョブ》とスキルを取得する。その力を使い、生き残った生徒達を守ろうと奮戦する。

【絵堂沙織《えどうさおり》】


4月生まれの23才。私立水上学園中等部に勤める新任の女性教員。榛名春奈とは同期。185センチという見上げる程の高身長を誇る女性。


異世界転移前は、長身巨乳のお姉さんとして男子生徒から人気を博していた。それゆえに、彼女は当真の対戦相手として候補に上がっている…が、それはまだ先の話。


鎧袖一触を好み、テクニカルな春奈とは真逆の戦闘スタイルを得意としている。その恵まれた体格でもって、鬼に金棒という大型武器を操り、敵を一撃で粉砕する生粋のパワーファイター。

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