【episode14-龍神の涙】
文字数 198文字
「今日も雨だね。」
忍び逢いの日はいつも雨だった。
「突然の雨は龍神様が歓迎してくれてるんだって。でも、なんだか涙を流しているみたい。」
沙楽は、車窓に伝わる雨粒を指でなぞった。
2人には、互いにパートナーがいる。
静まり返った車内でどちらかともなく言葉が滑り出る。
「長い時間一緒に過ごしたいね。」
ーーー フロントガラスに落ちる雨がより一層強くなり、外からの視線を遮る。
2人は互いの唇を静かに求め合った。
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