第十二話 「西での最強同士」01
文字数 1,244文字
今回は初日に様子を見つつ、二日目で西城塞に取り付くのが目標だ。
【飛翔】のスキル持ちだけが空を飛んで西城壁に行っても意味はあまりない。
拠点から数名が突出してベヒモスの群れに向かい、既に戦いが始まっていた。
サービス部隊と護衛の戦闘種、ランツィアとスカーレッドの隊員が共に剣を取り戦っている。
サービス部隊の人員は超が付くベテラン戦闘種、大先輩たちとも言える。
彼らは昔を思い出したのか果敢にベヒモスに挑んでいた。
シュンはつむじを三つ作り出しベヒモスの後続へと放った。
群れの中心に降り立ち剣を振るい、つむじと自身でベヒモスを挟み撃ちにして掃討する。
あらかたの敵を倒したシュンは皆の戦いぶりから、もう大丈夫だと判断して再び飛行してレイキュアたちの元へと戻る。
今日の戦いも夕刻近くまで続き終わりとなった。ベヒモスの軍勢は確実に減少してきていた。
二日目、朝からシュンたちは西城塞の北門へ向け、強引とも言える戦いを繰り広げ突き進んでいた
城壁上からは、なけなしと思われる矢が放たれ援護が続けられている。
恐らく門の内側では西の戦闘種たちが、満を持して待機しているはずだ。
肉薄するシュンたちを迎えるように、ついに門が開かれた。
雄叫びを上げながら盾を持つ西の戦闘種たちが続々と飛び出し、槍隊が続いた。
ベヒモスを蹴散らしながらこちらに接近して来る。
ベヒモスを倒しながら全ての部隊は城壁の内側へと入り、再び門は閉ざされた。
北も西の戦闘種も、皆が大汗を垂らして肩で息をしている。
シュンも人心地ついた。
シュンたちは待機していた、こちらのギルドの職員に案内されて城塞に上がった。
北側はまだベヒモスの数は少ない方だった。
一行が城壁上の通路を正面の西門へ進む、とベヒモスの数も増え密集と言える程になってきた。
遙か先に北と東の別の軍団が戦っている砂塵が見える。すでに太陽は傾きかかり、撤退の時間が迫っていた。