第2話 部活見学
文字数 2,467文字
寂しい1日、そして部活見学
その日の予定は以下の通り。
1限~3限:身体測定・検査
4限:LHM(ロングホームルーム)
5限~6限:新入生歓迎会(部活動紹介)
身体測定に身体検査、今日は大変に忙しい。
午後には部活紹介。
きっと、体育館に全校生徒が集ってゆっくりたっぷり2時間もかけて紹介していくのだろう。
「このように今日は1日かなり忙しくなります。では、これからすぐに身体測定が始まるから体操着に着替えましょう。」
中村先生は朝のホームルームでそう言った。
体操着を忘れた人はいないらしい。
だよね、流石に忘れないよね。
真新しい体操着に着替えた生徒はまだ少し緊張気味。
でも、ぽつぽつとお喋りをする生徒が出てきた。
少しずつ慣れて言ってるらしい。
学級内の生徒が皆、席に戻ると先生は言った。
「ホームルームも兼ねているので、身体測定の番が来るまで委員会の委員を決めましょう。」
最初に、学級委員が決まった。
男女1人ずつ。
勿論、私は学級委員ではない。
学級とかはそこまで興味ないし、どちらかと言えば委員会とかしなくていいならしない方がいい。
面倒くさいからね。
「生活委員したい人~?」
でた、委員会の押し付け合い。
嫌だな…こういうの。
あ、先生と目が合っちゃった。
急いで目を背ける。
コンコンと、教室のドアが鳴った後に背の高い綺麗な顔立ちをした女の子の顔が覗く。
「次、5組の女の子、行っていいそうです。」
「うん、ありがとね。ってことで、中断して女子は保健室へ行きましょう。」
学級の女の子だけ廊下に出席番号順に並んでぞろぞろと歩いていく。
なんだか、この列に自分が並んでいるのが嫌だ。
ぞろぞろとした一行の1つに過ぎない私が嫌だ。
変な感じ。
そのあと、聴診検査と心電図、レントゲン、身体測定、聴覚検査、視力検査をしたら3限は終わっていた。
身体測定・身体検査等が終わると学級の女の子たちは、なんだか少しだけ仲良くなったような感じ。
…あれ?
私にはまだ仲の良い子がいない。
まぁ、まだ始まったばかりだし。
大丈夫さ。
あーあ、でも同じ班になりそうな子(女の子2人と男の子3人)の内、女の子2人は小学校からの友達ぽいんだよな。
これは、結構大変そうだ。
休み時間は誰に話しかけたらよいのか分からなくて、誰かに話しかけてもうまく話せる自信がないから、結局1人で静かにお気に入りの小説を読んで過ごした。
その間、新顔の私に声をかけてくる者無し。
もう寂しくなってきた。
こんなことになるんだったら、皆と同じ学校に行けばよかった。
「あれ?藤宮さんまだ係も委員会も決まってないね。希望はありますか?」
あ、気付かれたか。
あーあ、何でもいいんだよな。
面倒でなければ。
でも残っているのは生活委員に給食委員。
面倒なやつだけって言うね。
しかも皆私の方見てるし。
何でそんな目で見るの?
新種の醜い小動物を見るような目で見るの?
嫌だな。
そう思いながらも、まだましな方を言った。
「じゃあ、生活委員で。」
少しざわつく。
先に生活委員が決まっていた男の子が俯く。
あれ?
私嫌われてね?
「これで、皆決まったね。」
気まずい空気を壊したのは中村先生の声。
それからは自己紹介とかふざけたイベントが始まった。
いや、いきなり自己紹介とか言われても言うことなんか考えてきてないし。
出席番号順に自己紹介がされていく。
なんでみんなこんなに堂々と話すことができるのだろう。
あ、もうすぐ私の話す番じゃん。
「次、藤宮さん。」
「…はい、藤宮マキです。高居小学校から来ました。この浅居中学校には双子の妹しか顔見知りがいなくてちょっと不安ですがよろしくお願いします。」
上手く言えただろうか。
足がガクガクだ。
もう立ってられない。
給食の時間になると班で机をくっ付けて食べる。
私のいる6班は大分濃いメンツ。
①橋本ミナト:自信なさげな見た目、無口、中くらいの背丈。
②村山イツキ:賑やか、高身長、運動ができそう。
③結城ソウシ:眼鏡君、本とか好きそう、割と喋る、少し背が高い。
④私(藤宮マキ):どう見ても内気、どん臭そう、変人のような雰囲気、細身。
⑤町田コヨリ:性格の悪そうな顔、声が大きい、背は少し高い。
⑥吉川モモコ:おっとりした物腰、コヨリの友達?、コヨリと同じくらいの背丈。
給食時間中、班で話しながら食べる。
「マキちゃんは何部に入りたいとかあるの?」
「私…は、吹奏楽とかかな。」
いきなり話を振られたものだから、びっくりした。
私にも話を振るタイプなのか。
「へぇー、吹奏楽か。何かしてたの?」
陽キャ君、村山が聞く。
「小学校でパーカッションをしてた。」
「音楽好きなんだ。」
「うん…」
「あ、そうそう皆さ、なんて呼べばいい?」
話は変わって、呼び方の話になった。
女の子というのは、どうしてこうも話題がころころと変わるのだろうか?
いや、分かるよ、お前も女だろうっていうんでしょう?
でも私には理解できない。
意味不明だもの。
私、この女の子たちとは仲良くできないかもしれない…。
給食の時間が終わると今度は制服にまた着替えさせられた。
皆が着替え終わると、廊下に出席番号順に並び、ぞろぞろと移動開始。
体育館に入ると、すでに人がぱんぱんにいる。
新入生の顔を見るために、上級生はじろじろ見てくる。
その視線が痛い。
どうせ私のことなど見ていないだろうが、何だか緊張する。
部活紹介が終わると、今度は部活体験が待っている。
私は吹奏楽部に入りたいと思っていたけど、気分が変わった。
『科学部』の方が楽しそうだ。
そっちを見てみて、面白そうだったら入部を決めよう。
第2理科室の前に行くと既に新入生がいた。
まだ先輩や先生が来ていないのか、待っている。
どこを見ても男男男。
まぁ、そうなるよね。
やっと理科室が開いて、入った時女の子を2人見つけた、
見学に来ていた女の子は私含めて3人。
彼女たちと同じ机に腰を下ろす。
仲良さげに話している彼女たちにあいさつをする。
「初めまして。5組の藤宮マキです。」
「あ、4組の岡田フウコです。よろしくね。」
「2組の上谷ハナヨです。」
フウコさんにハナヨさん。
私は彼女たちと友達になれるのだろうか…?
その日の予定は以下の通り。
1限~3限:身体測定・検査
4限:LHM(ロングホームルーム)
5限~6限:新入生歓迎会(部活動紹介)
身体測定に身体検査、今日は大変に忙しい。
午後には部活紹介。
きっと、体育館に全校生徒が集ってゆっくりたっぷり2時間もかけて紹介していくのだろう。
「このように今日は1日かなり忙しくなります。では、これからすぐに身体測定が始まるから体操着に着替えましょう。」
中村先生は朝のホームルームでそう言った。
体操着を忘れた人はいないらしい。
だよね、流石に忘れないよね。
真新しい体操着に着替えた生徒はまだ少し緊張気味。
でも、ぽつぽつとお喋りをする生徒が出てきた。
少しずつ慣れて言ってるらしい。
学級内の生徒が皆、席に戻ると先生は言った。
「ホームルームも兼ねているので、身体測定の番が来るまで委員会の委員を決めましょう。」
最初に、学級委員が決まった。
男女1人ずつ。
勿論、私は学級委員ではない。
学級とかはそこまで興味ないし、どちらかと言えば委員会とかしなくていいならしない方がいい。
面倒くさいからね。
「生活委員したい人~?」
でた、委員会の押し付け合い。
嫌だな…こういうの。
あ、先生と目が合っちゃった。
急いで目を背ける。
コンコンと、教室のドアが鳴った後に背の高い綺麗な顔立ちをした女の子の顔が覗く。
「次、5組の女の子、行っていいそうです。」
「うん、ありがとね。ってことで、中断して女子は保健室へ行きましょう。」
学級の女の子だけ廊下に出席番号順に並んでぞろぞろと歩いていく。
なんだか、この列に自分が並んでいるのが嫌だ。
ぞろぞろとした一行の1つに過ぎない私が嫌だ。
変な感じ。
そのあと、聴診検査と心電図、レントゲン、身体測定、聴覚検査、視力検査をしたら3限は終わっていた。
身体測定・身体検査等が終わると学級の女の子たちは、なんだか少しだけ仲良くなったような感じ。
…あれ?
私にはまだ仲の良い子がいない。
まぁ、まだ始まったばかりだし。
大丈夫さ。
あーあ、でも同じ班になりそうな子(女の子2人と男の子3人)の内、女の子2人は小学校からの友達ぽいんだよな。
これは、結構大変そうだ。
休み時間は誰に話しかけたらよいのか分からなくて、誰かに話しかけてもうまく話せる自信がないから、結局1人で静かにお気に入りの小説を読んで過ごした。
その間、新顔の私に声をかけてくる者無し。
もう寂しくなってきた。
こんなことになるんだったら、皆と同じ学校に行けばよかった。
「あれ?藤宮さんまだ係も委員会も決まってないね。希望はありますか?」
あ、気付かれたか。
あーあ、何でもいいんだよな。
面倒でなければ。
でも残っているのは生活委員に給食委員。
面倒なやつだけって言うね。
しかも皆私の方見てるし。
何でそんな目で見るの?
新種の醜い小動物を見るような目で見るの?
嫌だな。
そう思いながらも、まだましな方を言った。
「じゃあ、生活委員で。」
少しざわつく。
先に生活委員が決まっていた男の子が俯く。
あれ?
私嫌われてね?
「これで、皆決まったね。」
気まずい空気を壊したのは中村先生の声。
それからは自己紹介とかふざけたイベントが始まった。
いや、いきなり自己紹介とか言われても言うことなんか考えてきてないし。
出席番号順に自己紹介がされていく。
なんでみんなこんなに堂々と話すことができるのだろう。
あ、もうすぐ私の話す番じゃん。
「次、藤宮さん。」
「…はい、藤宮マキです。高居小学校から来ました。この浅居中学校には双子の妹しか顔見知りがいなくてちょっと不安ですがよろしくお願いします。」
上手く言えただろうか。
足がガクガクだ。
もう立ってられない。
給食の時間になると班で机をくっ付けて食べる。
私のいる6班は大分濃いメンツ。
①橋本ミナト:自信なさげな見た目、無口、中くらいの背丈。
②村山イツキ:賑やか、高身長、運動ができそう。
③結城ソウシ:眼鏡君、本とか好きそう、割と喋る、少し背が高い。
④私(藤宮マキ):どう見ても内気、どん臭そう、変人のような雰囲気、細身。
⑤町田コヨリ:性格の悪そうな顔、声が大きい、背は少し高い。
⑥吉川モモコ:おっとりした物腰、コヨリの友達?、コヨリと同じくらいの背丈。
給食時間中、班で話しながら食べる。
「マキちゃんは何部に入りたいとかあるの?」
「私…は、吹奏楽とかかな。」
いきなり話を振られたものだから、びっくりした。
私にも話を振るタイプなのか。
「へぇー、吹奏楽か。何かしてたの?」
陽キャ君、村山が聞く。
「小学校でパーカッションをしてた。」
「音楽好きなんだ。」
「うん…」
「あ、そうそう皆さ、なんて呼べばいい?」
話は変わって、呼び方の話になった。
女の子というのは、どうしてこうも話題がころころと変わるのだろうか?
いや、分かるよ、お前も女だろうっていうんでしょう?
でも私には理解できない。
意味不明だもの。
私、この女の子たちとは仲良くできないかもしれない…。
給食の時間が終わると今度は制服にまた着替えさせられた。
皆が着替え終わると、廊下に出席番号順に並び、ぞろぞろと移動開始。
体育館に入ると、すでに人がぱんぱんにいる。
新入生の顔を見るために、上級生はじろじろ見てくる。
その視線が痛い。
どうせ私のことなど見ていないだろうが、何だか緊張する。
部活紹介が終わると、今度は部活体験が待っている。
私は吹奏楽部に入りたいと思っていたけど、気分が変わった。
『科学部』の方が楽しそうだ。
そっちを見てみて、面白そうだったら入部を決めよう。
第2理科室の前に行くと既に新入生がいた。
まだ先輩や先生が来ていないのか、待っている。
どこを見ても男男男。
まぁ、そうなるよね。
やっと理科室が開いて、入った時女の子を2人見つけた、
見学に来ていた女の子は私含めて3人。
彼女たちと同じ机に腰を下ろす。
仲良さげに話している彼女たちにあいさつをする。
「初めまして。5組の藤宮マキです。」
「あ、4組の岡田フウコです。よろしくね。」
「2組の上谷ハナヨです。」
フウコさんにハナヨさん。
私は彼女たちと友達になれるのだろうか…?