第1話 根暗なボクら
文字数 702文字
金持ちではない。
私と夫は30代後半の普通の夫婦だ。
私は根っからのメンヘラ+先祖代々の虚弱体質のためまともな職には着けず、両親のやっている零細企業の手伝いをしている。低血圧。
夫は大学時代の友人、殊勝な人間で
君は白魔導士だ!
僕が前線で攻撃をするから君は後列でリジェネ(回復魔法)をしてほしい。
との事で結婚した。
そんな訳で大黒柱は夫である。
HPも高く、知能戦も得意なので人生というRPGでは割と強い。助かります。
まぁでも一介の勤め人であるが故に
方働き(ほぼ)ではもちろん富豪にはなれない。
東京転勤を言い渡された時に、どこに住むか話した時に候補に上がったのは錦糸町、小岩、高円寺、王子、十条、など。
私も夫も千葉県出身なので東京の西側が怖いのだ。常磐線の終点は当時は上野だった為、子供の頃は上野が世界の果てだった。
今も渋谷から西に向かえない。世田谷区が怖くて仕方ない。多摩地区に入ると少し呼吸がラクになる。
あそこは緑があっていい。
とにかく成城やら自由が丘やらに足を踏み入れようものなら。恐ろしい大富豪達が金銀財宝をぶら下げて迫り来るのではないかと思っている。
錦糸町がいいと思った。
しかしここ最近の東京23区の不動産の高騰っぷりは半端なく、錦糸町2LDKで探すと我々の予算を遥かに超えていた。
埼玉県の露店で以前酷い食中毒になり生死の境を彷徨った過去から埼玉県には近づけない。
千葉県には夫の両親が住んでいるので、あまり近くに住むと災いが降りかかる可能性が高い。
神奈川県は昔好きだった人が横浜民で、こっぴどく振られた過去から近づけない。
もう住める場所がないじゃないか!
と。癇癪を起こしていた矢先にある物件の広告が入った。
私と夫は30代後半の普通の夫婦だ。
私は根っからのメンヘラ+先祖代々の虚弱体質のためまともな職には着けず、両親のやっている零細企業の手伝いをしている。低血圧。
夫は大学時代の友人、殊勝な人間で
君は白魔導士だ!
僕が前線で攻撃をするから君は後列でリジェネ(回復魔法)をしてほしい。
との事で結婚した。
そんな訳で大黒柱は夫である。
HPも高く、知能戦も得意なので人生というRPGでは割と強い。助かります。
まぁでも一介の勤め人であるが故に
方働き(ほぼ)ではもちろん富豪にはなれない。
東京転勤を言い渡された時に、どこに住むか話した時に候補に上がったのは錦糸町、小岩、高円寺、王子、十条、など。
私も夫も千葉県出身なので東京の西側が怖いのだ。常磐線の終点は当時は上野だった為、子供の頃は上野が世界の果てだった。
今も渋谷から西に向かえない。世田谷区が怖くて仕方ない。多摩地区に入ると少し呼吸がラクになる。
あそこは緑があっていい。
とにかく成城やら自由が丘やらに足を踏み入れようものなら。恐ろしい大富豪達が金銀財宝をぶら下げて迫り来るのではないかと思っている。
錦糸町がいいと思った。
しかしここ最近の東京23区の不動産の高騰っぷりは半端なく、錦糸町2LDKで探すと我々の予算を遥かに超えていた。
埼玉県の露店で以前酷い食中毒になり生死の境を彷徨った過去から埼玉県には近づけない。
千葉県には夫の両親が住んでいるので、あまり近くに住むと災いが降りかかる可能性が高い。
神奈川県は昔好きだった人が横浜民で、こっぴどく振られた過去から近づけない。
もう住める場所がないじゃないか!
と。癇癪を起こしていた矢先にある物件の広告が入った。