ここにもロンリーハート (6)
文字数 838文字
「赤のタンバリンが青を追い始めたのを見て、これはミランダちゃんがアリアちゃんを助けに行ったんだと確信したんだって」
「重衡兄すごい」
すぐさま家族会議(平家勢ぞろい)が開かれ、お世話になってる龍宮の姫たちの危機を救いに誰が駆けつけるかという話になり。
清盛ダディの鶴の一声で、知盛兄を深海から呼び戻すことになったそうだ。
「重衡兄じゃなかったの? 見つけてくれたのに」
「うん、本人は自分が来る気満々でしたくしてたんだけど、ダディが『おまえはだめだ。また寺焼くから』って彼の古傷に塩ぬって」
「ひど!」
「
「あー!」
世に言う「
緑の中を走り抜けてく真っ赤なポルシェ(牛車)。交差点では隣の車がミラーこすったと、どなっているから
いまのわかった読者は昭和の生まれですな。わからなかったお若いかたは検索ワード「坊や いったい何を教わってきたの」でググってみてください。
「重衡も資盛も涙目で『ミラちゃんアリちゃんによろしく』って言ってたよ。『兄上ずるい』『叔父上ずるいずるい』っておれさんざん責められた。女の子たちはクラッカー鳴らして送り出してくれるし」
それで道中タピオカ売りつつ来たって、一門そろってあまりに危機感が感じられないのだが。
まあいいか。
いったん滅亡してるし。
だめだ、ぜんぜんまじめな話にならないじゃないか。私よ。