映画『ミッドサマー』を紹介

文字数 3,002文字

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『ミッドサマー』
(映画文字ラジオ:https://inaba20151011.hatenablog.jp/entry/2020/10/26/133246)


【あらすじ】
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 長編デビュー作「ヘレディタリー 継承」が高い評価を集めたアリ・アスター監督の第2作。

 不慮の事故により家族を失ったダニーは、大学で民俗学を研究する恋人や友人たち5人でスウェーデンを訪れた。

 彼らの目的は奥地の村で開催される「90年に一度の祝祭」への参加だった。

 太陽が沈むことがないその村は、美しい花々が咲き誇り、やさしい住人たちが陽気に歌い踊る、楽園としか形容できない幸福な場のように思えた。

 しかし、そんな幸せな雰囲気に満ちた村に不穏な空気が漂い始め、妄想やトラウマ、不安、そして恐怖により、ダニーの心は次第にかき乱されていく。

 ダニー役を「ファイティング・ファミリー」のフローレンス・ピューが演じるほか、「トランスフォーマー ロストエイジ」のジャック・レイナー、「パターソン」のウィリアム・ジャクソン・ハーパー、「レヴェナント 蘇えりし者」のウィル・ポールターらが顔をそろえる。


【感想】
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美雪「あるぅひ! もりのなか! くまさんに! であぁった! 美雪雪音です!」

門平「ぐぎゃあああああ!!!! ぐわっ!!!! ぐわっ!!!! いだいよおおおおおおおっ!!!! ぼくのおなかがああああああっ!!!!(熊に襲われる人間を再現) 門平喜照です!」

美雪「……はい!(ドン引き・彼と目を合わせない) 今日は因幡さんに電話してみようと思うの」

門平「ほう。なぜなんだい?」(やりきったという満足感)

美雪「最近あの人、小説投稿サイトは使わねぇって宣言しといて、またくつがえったじゃない? その真相を究明してみようと思うの」

門平「心底どうでもいいと思うけど、やってみればいいんじゃないか?」

美雪「ではでは。(スマートフォンを取り出して、電話番号をポチる)あっ、因幡さん」

門平「(おおっ。学生時代は電話番号すらおぼえていない女が、ちゃんと携帯を使いこなしとる。成長したなぁ)」(しみじみ)

因幡『あっ、御母様? おっかぁ~さまぁ~』

美雪「おっかぁ~さまぁ~」(両手を合わせる)

門平「(えっ? 教祖? 美雪さん教祖やってんの?)」

美雪「今日はあなたに答えてもらいたいことがあるの。何かわかる?」

因幡『信者からのお布施の件でしょうか? 御母様だけ別枠で会計処理してますので、一千万ほど自由に使えるかと……』

美雪「ごほんっ!!!!(門平をチラ見) 何言ってるの!!!! そうじゃないでしょ!!!!」

門平「(何やってんの!? この女!?)」

美雪「(優しい口調で)最近小説投稿サイトまた使い出したじゃない? あれはなんでなの?」

因幡『ああ。あれはブログや他の無料サービス使おうと思って引き下げたんですけど、やってみると手間がかかるわりには、あんまりメリットないなと。それでまた使い始めましたね』

美雪「めんどくさくなったのね?」

因幡『文章管理が大変っすね。特になんちゃって映画ノベライズのほうは、完全に小説投稿サイト利用の方向ですね。今後はうまく共存していこうかと』

美雪「それにしては何かと遅くない?」

因幡『ほぼ私の趣味の世界ですからねぇ。暇なときにちょくちょくやるって感じですね。あと小説投稿サイトによっては、特徴がぜんぜん違うので。それを把握するのも大変っすね。それよりも、御母様がひたすらだめ人間に説教し、ビンタする(信者たちからは『愛の闘魂注入』と呼ばれ親しまれている)動画チャンネル『母の拷問部屋』の再生回数を信者たちに見させて爆上げを・・・』

美雪「おだまりなさい!!!!(携帯の通話をオフ) はい。映画紹介に入りまーす」

門平「(変わってねぇ!! この女、学生のときから変わってねぇ!!)」

美雪「映画の冒頭。女子大生ダニーは、精神障害の妹から不穏なメールを受け、彼氏のクリスチャンに相談します。ふたりの仲は疲弊してしまい、そんなに良くはありませんでした。クリスチャンの携帯にダニーから取り乱した電話。妹は両親を殺して自殺していました。ダニーはクリスチャンに泣きつきます」

門平「ダニーがクリスチャンに泣きついている映像は、『ヘレディタリー』を思い出すシーンだね。この映画、けっこう女性客が多くて、みんな恋愛がどんなホラーに変わっていくのか期待したみたいだけど、ポカンとした表情が多かったみたいだ。だって恋愛とか関係ないからね! フェアリーとヒューマンがたわむれる謎展開がこの先待ってるだけだからね!」(悪魔的表情)

美雪「クリスチャンはダニーに黙ってスウェーデンに旅行する計画を立てていましたが、けっきょく彼女を連れていくことにしました。そこでは、90年に一度行われる夏至祭があるのです。クリスチャンの友人ペレに連れられて、仲間たちは祭りに参加しました。そこは白夜のせいで太陽が沈まない世界でした」

門平「太陽が沈まないせいで、ホラーなのに陰鬱な気持ちにならないんだよね。村人の態度も普通で、まあ、他人からしたら異常だとは思うけど、周りが動揺する状況も少ない。それで怖いというか、カオス展開になっちゃうんだよね。『あれ? あいついつの間にいなくなったの?』みたいな」

美雪「皆で食事を取ったあと、老人である男女が立ち上がり、何かの儀式が行われていました。それを外部の人間であるダニーたちはぽかんと見つめています。やがてふたりは崖の上にまで上り、また何かの儀式をしたあと、常識では考えられないことが起こるのでした……」

門平「まさしく文化の違い、価値観の違いを見せつけられた瞬間だね。外国人が日本の映画館は静かすぎて、みんななんで騒がないんだって、感想を述べるのとおんなじ。それが極端なカルト儀式で、ダニーはあぜんとするものの、どこか共感めいた表情をする。それがこの映画のラストを飾っているんだよね」

美雪「こっから先は、もうカオスにカオスよね。私たちの常識を覆すことがどんどん起こるだけ。この映画けっきょくなんなのかしら?」

門平「日本の映画でいうと、村ものってやつかな。山奥や島なんかで行われるクローズド・ホラーみたいな。まあめずらしいものでもないわな」

美雪「だけどこの映画、演出やセットが凝ってるのよね。日本にはない白夜っていうのもいいし。ありがちなんだけど、新鮮な感じがしたわ」

門平「カルト映画『ウィッカーマン』に似てるって言われてるけど、まあ、そんなこと言ってると、どの映画もそうだと思うわな。たぶんみんなラストの炎の展開でそう想像したんだろうと思うけど。俺は熊の印象がすごかった(笑)」

美雪「で? どうなの? この映画、家族と一緒に観ることができないぐらい、性的描写がガッツリあるんだけど。あれは男としてどうなの?」(興味津々)

門平「そうだな。裸体のフェアリーたちが、踊り、歌うなかで、己の息子をふるいたたせるあの男こそは――まさしく勇者か、と」(しみじみ)

美雪「……はい。男ってよくわかりませんね。さようなら熊たん!!」(両手をおもいっきり振り上げる)


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