錦糸町は、お菓子の街である④

文字数 1,384文字

 錦糸町の名物お菓子として、ここ数年で話題を集めているのが、錦糸町北口から徒歩四分、下町バームクーヘンの「乳糖製菓」さんです。

 バームクーヘン一筋に五十年余り、しっとりとした生地で甘さは控えめ、安くて美味しい。特筆すべきはボリューム感で、持った時に「重いっ!」という印象を与えてくれます。
 この工場で作ったものを松坂屋やマルイで販売していたそうです。その後、切り落としを店頭で売るようになってから口コミでじわじわと人気が広がり、今では販売店舗を増やし、駅構内の催事コーナーで見かけることも多くなりました。
 駄菓子、というイメージとは離れてしまうかもしれませんが、子供向けの安いお菓子、という点ではピッタリ。直径約十五センチ、厚みは八センチ(もっとあるかも)で三百円から。驚くでしょ?切り落としはずっしり入った袋で二百円ですからね。まさにお買い得!
 工場の隣にも販売用のこじんまりした店舗が出来ましたが、以前は工場の前に折り畳み机を並べてその上に置いてあるだけ。人がいないこともしばしばで、声を掛けるとアルミ戸が開いて、白い制服にマスク、キャップを被った女性が現れて対応してくれる。そんなところも、まさに下町っぽくて好きでした。


 名物と言えば、浅草お土産で有名な雷おこしを扱う「大心堂」の工場も錦糸町にあるし、甘酒飴の「マルエ製菓」、ラムネ菓子の「土棚製菓」もあります。
 しかし、何といっても、今や多くの子供たちが一度は食べたことがある駄菓子界のエース、そしてこの話のカギを握る存在、うまい棒の「やおきん」をご紹介しなければなりません。

 錦糸町駅北口から徒歩十四、五分と少し離れたところに「やおきん」本社があります。私の自宅からはほんの一、二分で行けるところなのですが、お恥ずかしい話、この話を書くにあたり初めて場所を知りました。(^^;) 表通りからちょっと入ったところに面しているし、何せ錦糸町駅前のインパクトが強くて……。と、これは後ほどあらためて。

 やおきんさんは企画・販売のみを行う会社で、うまい棒の他にはキャベツ太郎も手掛けています。何となく納得できますよね。
 うまい棒の製造はリスカという茨城の会社が行っており、いったい何種類の味があるんだ!?というほどバラエティーに富んだラインナップ。おそらく現在は二十種類だと思うけれど、期間や地域を限定した商品も出ているので、正確なところはよう分からん(苦笑)。
 税抜きで一個十円というのを守るために、棒の長さを随時変えているのは有名な話。真ん中を貫く孔は、強度を保ち、中まで均一に熱を通して食感をよくするためにあけられているそうです。

 多彩な味と安さで人気のうまい棒。もう一つの特色は、あのキャラクターではないでしょうか。
 某国民的アニメのキャラに似ているとも似ていないとも言われている、二頭身で丸い頭のキャラクターには名前がなかったのですが、2017年に「うまえもん」と公式に決まりました。遠い宇宙からやってきた異星人とされている彼については、諸々あった大人の事情もクリアになったということでしょう。
 お菓子よりも前面に出たキャラで、これからもうまい棒を盛り上げていってくれよ、うまえもん!

 このうまえもん、錦糸町駅前でもかなり目立っています。
 そのお話は次回に。

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