第6話 完結
文字数 439文字
翌日、出社した宮本は、昼休みに西村かなえを会社の屋上に呼び出した。二人して泥だらけになったキャンプの夜を思い出すと顔が熱くなるのを感じ、緊張しながらも誇らしげに弁当箱を差し出す。
「西村さん。君のお陰で潔癖症を克服できそうだ。お礼にと思って作って来たんだけど、食べてもらえるかな」
かなえは「良かったね、ありがとう」とそれを受け取ると、屋上に備え付けられているベンチに腰を下ろした。ゆっくりと弁当箱の蓋を取ると、かなえの顔が一瞬にして強張った。
「え? これって……」
顔を上げると、鼎は目を丸くしながら宮本の目をじっと見すえる。
右手で頭の裏をかき、宮本は照れ臭そうに言った。
「……今朝、早起きして人生初のおにぎりに挑戦してみたんだ。あまり美味しくないかもしれないけど、よければ食べてくれるかな。これでも一応具にはこだわったんだ」
急に立ち上がった西村かなえは弁当箱を宮本に突き返した。
「無理、無理、無理、無理。絶対に無理! 私、他人の握ったおむすび、食べられないの。ごめんね」
「西村さん。君のお陰で潔癖症を克服できそうだ。お礼にと思って作って来たんだけど、食べてもらえるかな」
かなえは「良かったね、ありがとう」とそれを受け取ると、屋上に備え付けられているベンチに腰を下ろした。ゆっくりと弁当箱の蓋を取ると、かなえの顔が一瞬にして強張った。
「え? これって……」
顔を上げると、鼎は目を丸くしながら宮本の目をじっと見すえる。
右手で頭の裏をかき、宮本は照れ臭そうに言った。
「……今朝、早起きして人生初のおにぎりに挑戦してみたんだ。あまり美味しくないかもしれないけど、よければ食べてくれるかな。これでも一応具にはこだわったんだ」
急に立ち上がった西村かなえは弁当箱を宮本に突き返した。
「無理、無理、無理、無理。絶対に無理! 私、他人の握ったおむすび、食べられないの。ごめんね」