第八話:江戸城の陰謀

文字数 7,083文字

 江戸幕府五代将軍・徳川(とくがわ)綱吉(つなよし)は当年取って四十四才。
 名君との誉れ高い三代将軍・家光(いえみつ)の四男である。
 さして大柄な体格の持ち主ではない。
 いや、むしろこの時代であっても「小男」と評されるべき体躯であろう。
 しかし、兄・家綱(いえつな)が四代将軍に宣下されるのにあわせわずか七歳にて元服して以来、将軍家ゆかりの者として磨きあげられてきたその「人物」はすべての者に目を見張らせるだけの存在感を否応なしに醸し出していた。
 兄の死にともない自らが征夷大将軍となった十年前からはそういった雰囲気がなお強く表れ、君主足る者の威厳をまさしくその身で象徴するかのごときになっていた。
 「『生類憐れみの令』に代表される過酷な悪法を布令し、散々に庶民を苦しめた」という後世の俗説に反し、実際の彼は優れた経済感覚を備えた統治者であり、高い教養を身に付けた英邁な君主であった。
 綱吉の治世下で農民や町民の生活は驚くほど豊かになり、社会のモラルもまた大幅に向上した。
 幕府の姿勢を戦国の気風が色濃く受け付がれた武断政治から人としての徳が重んじられる文治政治へと方向転換させたのも、ひとえに彼の指導力があったからこそと言い切ってかまうまい。
 だが、その英邁さがゆえに、綱吉は極めて孤独な為政者だった。
 古い格式や伝統に縛られた門閥勢力は、次々と彼の打ち出す先進的な政策を常に冷ややかな目で見詰めていた。
 綱吉がそんな重臣たちを身辺から遠ざけ、すべてをおのれの専制でもって推し進めようと試みたことも、もとを正せば彼を包むそんな環境こそが原因なのかもしれない。

 ◆◆◆

 朝五ツ刻(午前七時頃)
 この孤独な君主は、ひとり居城・江戸城内に設けられた庭園にいた。
 名手・小堀遠州の手になるその広大な庭はほぼ城郭の二の丸全域を占めており、極めて遊興性の高いものとなっていた。
 そこにあるこれまた広い池の縁で、飼っている鯉の餌付けをしながら思索にふける。
 それを、綱吉は毎朝の日課としていた。
 透きとおるような青空の下、征夷大将軍が撒いた餌に向かい、まるまると太った大小の鯉が他を押しのけながら殺到してくる。
 なんと浅ましい。
 それを見て綱吉は思った。
 その姿がいかに勇壮であろうとも、おぬしらはわしが与える餌に群がるだけの畜生に過ぎぬ。
 信念も理想も持たず、ただおのれの欲が求めるまま、与えられた利を貪ることに没頭する。
 餓鬼道、畜生道とはよく言うたものよ。
 だが、それは民草とて同じこと。
 あれらも根本は畜生と変わらぬ。
 誰かがその腹を満たしてやらぬ限り、人としての礼節などには目も向けぬことだろう。
 嘆かわしいことだが、それこそが疑いようのない現実だ。
 だからこそ、(まつりごと)を司る者はそういった下々の者たちにまず生きる満足というものを与えねばならぬ。
 そうしなければ、彼らは正しき道を自ら歩み行こうと思わぬからだ。
 民草がおのれの意志で正しき道を歩もうとしないのであれば、いずれ人心は荒廃し、世は麻のごとく乱れるに違いない。
 頼時よ。
 それがわからぬおぬしではあるまいに!
 綱吉は、ぎゅっと唇を噛み締めた。
 握った拳に力が込められ、指先が皮膚を破らんばかりに掌へと食い込んだ。
 それは、今年の晩冬、春の訪れを間近に控えた季節に起きたとある出来事を、彼がその脳裏に浮かびあがらせたからだった。

 ◆◆◆

「嫌でございます」
 綱吉の眼前に平伏するその若い男は、突き付けられた要求をひと言の下に拒絶した。
「いかな上様の命とはいえ、この頼時、ゆえなき沙汰に諾々と従うことなどできませぬ」
「すべては天下百年の計によるものじゃ」
 男の言葉に不快感を覚えたものか、はっきりと顔をしかめつつ綱吉は言った。
「ようやく形を成した徳川の世を守るには、文武忠孝を励まし、広く礼儀による秩序をもたらさねばならぬ。そのために先立つものは、『(かね)』じゃ。『金』がのうては、いかに綺麗事を口にしても詮なきことよ。そのための政。そのための幕政改革じゃ。頼時、おまえほどの男がなぜそれをわかろうとせぬ!」
「飛騨高山は、我が金森が百年に渡り治めてきた、いわば『父祖の地』でござる」
 男は退かなかった。
「この頼時、上様の命とあれば何事も臆するものではございませぬ。しかしながら、此度の沙汰はあまりに拙速。我が政に落ち度ありとされたならともかく、かような理由で父祖の地を出ることなど、それがしは嫌でございます」
「わしと一戦交えることになろうとも、か?」
「上様と一戦交えることになろうとも、でございます」
 それは、江戸城中奥にある「御座の間」と呼ばれる場所で起きた出来事だった。
 その部屋の上座に座る綱吉は意図して両眼に鋭さを浮かべ、真っ向からその若い男を威嚇した。
 だが、彼は平然とその険を受け流した。
 武家の棟梁たる征夷大将軍、その恫喝を文字どおりはねつけたのである。
 驚くべき胆力と言わざるを得ない。
 これに激高した綱吉は、手にした扇子を男めがけて投げ付けた。
 勢い良く飛来した扇子の角が、男の額を強く打つ。
 わずかに皮膚が切れ、赤い血がひと筋流れた。
 しかし男は身動ぎひとつせず、ただじっとおのれの主君を見据えるばかりであった。
 男の名は「金森(かなもり)出雲守(いずものかみ)頼時(よりとき)
 飛騨高山藩第六代藩主にして、美濃源氏土岐氏を源流とする名門「金森」の頭領である。
 歳は今年で二十一。
 一国の主としては、この時代であっても十分に若い。
 だが、その若さは、彼の持って生まれた有能さをなんらスポイルするものではなかった。
 この年齢で将軍家側用人に抜擢されたという実績が、そのことを何よりも雄弁に物語っている。
 徳川幕府における側用人とは言ってしまえば征夷大将軍の私的な側近であり、その命令を重臣である老中らに伝える役目を担っていた。
 もちろん、単なるメッセンジャーボーイというわけではない。
 彼らは、合議制をもって国政の統括を図る老中たちに対し将軍個人の意向を浸透させる、いわば外交官的なセンスをも要求されていた。
 いかに最高権力者の後ろ盾があるとはいえ、決して無能者に務まるような甘い役職などではない。
 頼時は、当時綱吉に仕える側用人たちのうちで一番の若輩者だった。
 若さゆえに血気にはやり感情的になることも多かったと伝えられている。
 しかし、綱吉はそんな未熟さを垣間見せる若者を厚遇した。
 時に将軍への直言もはばからない彼の剛毅な性格を心のどこかで好ましく思い、同時に深く愛したからだった。
 だからこそ、彼はおのれの意向を自ら口頭で伝えた。
 それこそが、信頼する側近に対する最上の礼儀と考えたゆえの行為だった。
 飛騨高山藩を廃し、同地を幕府直轄領とする。
 金森家は転封。
 新たなる領地については追って沙汰するゆえ、そのように心得よ。
 言葉の内容こそ厳格だったが、綱吉の口調は普段と比べて段違いに柔らかいものであった。
 それは、頼時からの反発を彼がまったく予想していないからにほかならなかった。
 綱吉が将軍宣下を受けたおり、彼が受け継いだ江戸幕府の治世はある意味で極めて危機的な状況にあった。
 三代将軍・徳川家光まで続いた旧態依然の武断政治が、幕府の土台そのものを急速に疲労させていたからだった。
 強大な武力を背景にした強権政治は多くの大名に改易を強い、巷に溢れた浪人どもは流血がともなう治安の悪化を招聘した。
 民心が収まらねば、政治が乱れるのもまた必然だった。
 改革が必要だった。
 太平の世百年の(いしずえ)を築くためにも。
 そのために綱吉が打ち出した最初の一手は、財政の立て直しであった。
 いかに優れた改革案であろうとも、それを実行に移す財源がなければ、しょせん絵に描いた餅に過ぎない。
 金銀銅、そして木材──豊かな天然資源を産出する飛騨国を幕府の直接管理下に置くという政策は、その過程で現れた最上級の妙手であった。
 無論、大名の国替えという施策が多かれ少なかれ摩擦のともなうものであることぐらい、綱吉も重々承知していた。
 だが、同時に彼は自らの重用する側用人たちが幕府の現状を深く理解しているものと確信していた。
 たとえそれが慣れ親しんだ領地の召し上げという身を切るような仕置きであろうとも、納得して受け入れてくれるはずだ、と。
 その確信が裏切られたことを知った綱吉の双眸に、怒気を含んだ火花が散った。
 そして次の瞬間、彼は目の前で平伏する寵臣の罷免を激情のおもむくままに口走っていた。
「さがれ。不愉快だ」
 綱吉にとり、それが頼時に送る決別の言葉となった。
 後悔はなかった。

 ◆◆◆

「お呼びでございましょうか、上様」
 上総国佐貫藩主・柳沢(やなぎさわ)出羽守(でわのかみ)保明(やすあき)が綱吉のもとへ現れたのは、彼が苦い思い出を噛み締めていた、そんな矢先の出来事であった。
 肉の薄い頬を持つ、神経質そうな男だ。
 そのつり上がり気味の細い目は、氷のように冷たい、しかし限りなく鋭利な輝きをその奥底に秘めていた。
 将軍の側近たる側用人のなかでも、彼は明らかに一頭抜けた人物だった。
 冷徹かつ合理的。
 事務処理能力と交渉力に長けている。
 周囲からの人望こそ得られていないものの、いまの綱吉にとってはまさに懐刀と評していいほどの逸材だ。
「よく来た、保明」
 一分の隙もない仕草で膝を屈した側近に向け、綱吉はにこやかに応じた。
「どうしても考えがまとまらぬ時は、そなたの意見を聞くことこそがわしにとっては何よりの良薬じゃ」
「飛騨国の問題でございますな?」
 保明の言葉に、綱吉はぴくりと眉を動かした。
 意味ありげにその口元を綻ばす。
「さすがじゃ、保明」
 綱吉は言った。
「先月、国元に帰った頼時めは、領国の引き渡しをきっぱりと拒んできおったわ。たかが三万八千石の小大名が幕府の意に逆らうとは不届き千万の行いじゃが、だからといって強引に国替えを行うわけにもいかぬ」
「金森出雲は領民に好かれておる──そのように側聞しております」
 主君の発言を引き継ぐように保明が語った。
「それこそ、あの者が国をよく治めている何よりの証拠。まだ若いにもかかわらず、金森出雲はなかなかの出来物と見受けられますな。上様が目をかけられたのも無理はございません」
「世辞はよい」
 綱吉はいらついたように吐き捨てた。
「それだからこそ国替えの無理強いができぬのではないか!」
「民衆が納得して受け入れている領主をご公儀が力業でもってすげ替えれば、それ続く者の施政次第で、あるいは一揆を招く恐れもありましょうからな。徳川の世が安んじて治まることは、いまの幕府が何よりも求めてやまなきこと。それに反する施政は、厳に慎まねばなりませぬ」
 まるで他人事のように保明は応えた。
「上様のご心痛、この保明、深くお察しいたします」
「飛騨金森を踏み潰し、我が意に従わせることは容易い。だがそれでは、父・家光の武断政治に逆戻りじゃ。誰の目にも明らかな落ち度があれの側にあるのならともかく、そうでなければ他の大名どもが動揺しよう。天下泰平のためにも、それだけはなんとしてでも避けねばならぬ」
 綱吉は尋ねた。
「何か良い知恵はないか、保明。知恵じゃ。この事態をうまく解決できる知恵が欲しい」
「ここは待ちの一手でございます、上様」
 淡々とした口調で保明が答えた。
「聞くところによれば、金森出雲は帰国と同時に病に倒れたとか」
「ほう、病とな」
 それを聞いた綱吉は、ほんのわずかに表情を曇らせた。
 「篤いのか?」と、短く保明に確認を取る。
「表向きは風邪をこじらせたということになっておりますが、いまではほとんど城内にて寝たきりとのことです」
 その問いかけに保明は応じた。
「おそらくは、年を越さずして黄泉路に赴くことでしょう。此度の一件、金森出雲がこの世を去れば風向きのほうも大きく変わるに違いありませぬ。上様は、ただその時をお待ちになれば良いのです」
「病、か」
 妙に断定的な保明の言葉を聞いた綱吉は、小さく唇を歪めてみせた。
 皮肉とも嫌味とも取れる台詞を口にする。
「その病とやらは、いったい誰の手による『病』かのう」
 保明の眉がぴくりと動いた。
 「はて、それはいかなる意味でございましょう?」と、主君の言を煙に巻こうと試みる。
「とぼけるな」
 白々しい対応で応じてきた腹心に向け、綱吉は小さく釘を刺した。
 次いで彼は、一語一語噛み締めるように、とある男の名前を挙げた。
 姉倉玄蕃。
 それは、飛騨高山藩・城代家老の地位にある人物の名に相違なかった。
 綱吉は、すべてを知っている者の顔付きで、真っ向から保明を問い詰めた。
「保明よ。おまえがこの者と裏でやり取りをしている事実、このわしの耳に届かぬとでも思うたか?」
「恐れ入りましてございます」
 保明は大袈裟に頭を垂れて、犬のように恭順の意を露わにした。
 ただし、それが上辺だけのものであることは、誰の目にも明らかだった。
 綱吉は、それを見てうっすらと苦笑いを浮かべた。
 内心ではどうだか知れたものではないが、その表情は寵臣のとった不遜な態度を容認しているかのように見えた。
 彼は興味深そうな光をその双眸に浮かべ、ささやくように問いかけた。
「使える男か?」
「それなりに」
 主から回答を求められた保明が、にやりと笑ってそう答えた。
「いささか欲の深い男ではありますが、それゆえ扱いやすいとも申せまする」
「ならばよい」
 綱吉は言った。
「おまえの目にかなったのであれば無能者でもあるまい。間違いの起きぬよう、慎重にことを進めよ。昨今は何かと水戸の老君がうるさいでな。あの御仁は、そういう『曲げた行い』を心底嫌い抜いておる」
 わしもな──そう内心で綱吉は付け加えた。
 しかし、この有能な為政者は、そんな個人的な感情を面に出しはしなかった。
 行動の善悪と政の正邪とが常に同一方向を向いているわけでないのだと知り尽くしていたからだった。
 頼時と保明。
 自らが寵愛した、有能なふたりの側用人。
 そのひととなりを比べ見て、綱吉は改めておのれの選択を肯定した。
 無理矢理、自分自身に言い聞かせた。
 いまのわしには、頼時の「剛毅」ではなく、保明の「ねじくれ」や「ひずみ」こそが必要なのだ──と。
「上様。それがし、ひとつだけ気になる点がございます」
 仕える主からそんな評価を下されているとは知る由もない家臣(保明)が、その主君に向けて口を開いた。
「金森出雲には子がおりませぬ。この点はいかがいたしましょう?」
 静かな口調で保明は尋ねた。
 その疑問符が何を意味しているかは、綱吉も十分にわかっていた。
 主に正統な後継者がいなければ、その藩は改易となり家名も絶える。
 そのことに対しどのような対応をするか、ということだ。
「いまのまま出雲が息絶えれば、高山藩は改易。巷には金森浪人があふれることとなりましょう」
 保明は続けた。
「さすれば、ようやく落ち着いてきた天下の治に悪い影を及ぼしまする。また、上様と金森出雲との確執は、すでに多くの大名が知るところ。その者どもが、『上様は飛騨国を手に入れるため出雲を手にかけた』との噂を立てること必至でござる」
「養子をくれてやろう」
 綱吉は即断した。
「徳川に連なる血筋の男子を、金森の家に次期当主として送るのじゃ。場合によっては、ひと家系授けてやってもかまわぬ。将軍家の縁戚になれるとあらば文句も出まい。どうじゃ、保明」
「さすがは上様。その深謀遠慮、この保明の遠く及ぶところではございません」
 ふたたび、保明は頭を下げた。
「外様の小大名に過ぎぬ金森へ将軍家血筋の男子を養子として出すのですから、たとえ国替えを無理強いしたとしても、幕府が彼の家を軽んじていたことにはなりませぬ」
「誰がよいと思う?」
「上様の娘婿、紀州綱教様の弟御、長七(ぎみ)がふさわしいかと存じます」
 こやつ、そこまで考えておったか。
 寸分の逡巡もなくそう答えた保明を見て、綱吉はかすかな不快感を覚えた。
 それは、頭の切れすぎる部下を持つ者すべてが一度は抱く感情なのかもしれなかった。
 つい、その言に難癖を付けたくなってしまう。
「保明」
 綱吉は言った。
「だが、それでは金森の『家』は続いても『血』が絶えることになるぞ。それを不満に思う者も出て来よう。妙案はあるのか?」
 そもそも金森に養子を出すという案は彼自身の口から放たれたものであったのだが、綱吉はそれを棚に上げて保明に問うた。
 納得のいく答えが欲しかったからではない。
 ただ、この「切れ者」が回答に窮するさまをその眼で見てみたくなっただけの話だった。
 しかし、それに対する保明の返答は、質問者である綱吉をも驚かせるに足るものだった。
「ご安心を、上様。その際は、金森家直系に連なる娘をその者の妻に迎えればよいのです」
「『金森家直系に連なる娘』、だと」
 綱吉は保明に確認した。
「おまえは、いったい誰のことを言っておるのじゃ?」
 綱吉の疑問は当然だった。
 現当主・金森頼時だけでなく、彼の弟たる金森重詰もまた、兄同様、血を分けた子供を持ってなどいない。
 さらに言うと、彼らの父である飛騨守頼業はこのふたり以外の子をもうけることがなかった。
 すなわち、いまの代において金森家直系の親族には、政略結婚の道具となりうる女性が存在しないというわけなのだ。
 だが、綱吉から向けられた眼差しを平然と受け止めた保明は、まるでその質問が折り込み済みの事柄であったかのごとくにやりと不敵な笑みを浮かべてみせた。
「上様」
 保明は言った。
「先代藩主・金森頼業殿には、かつて戯れに産ませた娘がおるのでございます」
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