藁家

文字数 2,081文字

こちらで藁家さんが執筆するのだ。他の人は書き込みをしないでね。
カツ、カッカッカッ。カツッ。

静かな教室にチョークを叩く軽快な音だけが聞こえる。

Verylong_P_coat

「そうかそうか、つまりきみはそんなやつなんだな。」
授業を担当しているのは国語教師の命乞い叶。腰の日本刀がゆらりゆらり、腰の動きとともに揺れる。

Verylong_P_coat

「この台詞は、一見すると「わたし」への軽蔑の言葉に見えます。しかし、直前に「わたし」がエーミールの蛾の標本を素手で破壊していることに慄いた、彼なりの命乞いであるとも解釈できます。」
いつもの授業風景…が、何かがおかしい、と彼女の直感はささやいていた。

そのとき、目に飛び込んで来たのは前列から3番目、右から2番目の彼…様子がおかしい!

Verylong_P_coat

「ブツブツブツ…監督が言った言葉の意味はなんだ…肩の爆弾…。爆弾…?ブツブツブツ…。
「つまり…つまり俺の肩には…。」
叶の第六感はもはや悲鳴をあげている!

Verylong_P_coat

「まずいわ!彼…彼の肩に爆弾が生まれ始めている!」
魔人の覚醒は一瞬にして遂げられる!

Verylong_P_coat

「危ない!みんな逃げて!」
佐草の肩で膨張していく爆弾!

焦る叶!

膨張する叶の顔画像!

焦る俺!どうやって直すんだこんちくしょう!

Verylong_P_coat

まさに叶が刀を抜き、爆弾に触れぬように首を落とそうとしたその瞬間!

Verylong_P_coat

「うぐああああらめえええ壊れちゃううううっ!」
ガラガラガラ!教室の扉が開き、入室する五人の生徒!

Verylong_P_coat

「健一!」
「健三!」
「ケン○ロウ」
「健五!」
「そして健六!待ってください先生!彼は今まさに魔人に目覚め、肩の負担を恐れなくていい永久機関になろうとしているのです!」
「あっ、あなたたちは!佐草君の兄弟たち!みんな甲子園を目指して頑張っている野球部のエース!」
「あなたたちの気持ちはわかるわ!でも彼を見て!今まさに爆発しようとしているじゃない!」
「ひぎいいいい!」
ああ、なんと彼は!肩の負担が爆弾になってしまったのをいいことに黒板に壁当てを始めているのだ!なんたる無思慮!なんたる暴挙!

Verylong_P_coat

「このままじゃあ彼の肩は大爆発…!選手生命を絶たれるところか、満足に土下座もできなくなるわ!」
「それだけじゃない…!彼の能力はよく分からないけど、わたしの頭も膨張してる!わたしも爆発するんだわ!ヒィーッ!死にたくない!」
「くっ、分かり合えない…ならば、野球で勝負するしかない!!」
「のぞむところよ!」
我々は球場へ向かった…。

Verylong_P_coat

ふふん、ここならば互いに正々堂々、殺しあうことが出来るわ!
「はっはぁ!威勢がいいじゃねえか!果たして我々野球一家に勝つことが出来るかな!?!?」
「アッ、さっきまで壁当てしていた建次が理性を取り戻して偉そうに喧嘩を売っている!!これはやつにとって不利!ちなみに俺は長男の健一です!」
(違うな…。やつにとって真に不利なのは、この六人兄弟の見た目が全く見分けが付かぬこと!影分身とすら言えるチームプレイで翻弄してやる!僕は参謀の健五です!)
「兄さんたちは頑張ってるからムードメーカーたる俺もやってやるぜ!いぇーい!健六です!」
「特に喋ることないけどみんな喋るから俺も喋るぜ!影薄めの健三です!」
ケン○ロウ
「うるせーーッ!!みんなまとめて刀の錆にしてやる!いざ!抜刀術!」
現在の命乞い指数、371!落ち着いた物腰からは考えられぬ数値だが、まだ足りない!

Verylong_P_coat

「うおーくらえ関節爆弾」
左腕を関節ごと右回転!右腕を膝の関節ごと左回転!けっこう呑気してたDOGEZAも、なんかビビった!

Verylong_P_coat

「うぐああああああ!!!」
「やったか!?」
「ククク…ククク…まさに…『死ぬかと』…思ったわ…ありがとう…あなたには感謝しないとね…。」
命乞い叶、未だ無傷――!

Verylong_P_coat

「ま…まさか、彼女はあの巨大な頭をクッション代わりにして助かったと言うのか!」
「ご明察…!さすがは参謀の健五くんね…!」
しかし、ここで大きな問題が…!

バグ解消により、頭が戻ってしまった!

Verylong_P_coat

「さっきの関節爆弾で萎んだのか…!」
まずい!これでは、今から読み始めた人や、後から読む人が状況を理解できない…!素早い運営の対応が裏目に出た!

Verylong_P_coat

「いまだ!うおおナックルカーブ!」
「ああ…ああ…わたしのアイデンティティが…!わたしの大きな頭が…!」
アイデンティティを喪失して、現状を正しく理解などできるはずもない叶にはその狂球を避けることはできない!

Verylong_P_coat

「やった…!刀を…破壊した!」
「ア…ア…アア…ワタシノアタマ…。」
死への恐怖など感じる隙すらないところに放たれたボールは弾き飛ばされながらも一寸違わず刀を粉砕!

Verylong_P_coat

「今度こそ…やった…!!」
「わ、私の…負け…だわ…」
あまりにもショックだった叶はおもむろに地面をゴロゴロと転がりだす!乱心!

Verylong_P_coat

「勝った…。ありがとう、みんな…!」
「いいってことよ…!」
「これも練習のうちってな!」
「いえーいハイタッチ」
「99パーセント勝てると信じていたよ…。」
にこにこ
が、感動の中、水を差す男、あらわる!

Verylong_P_coat

「先生、刀でボール打ってゴロゴロしながらダイヤモンド一周してホームベースタッチしたからホームランだよ」
「勝ったぜー!!!!!」
野球勝負、これにて完!

Verylong_P_coat

執筆時間は終わりだぜ、メーン

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登場人物紹介

名前:命乞い 叶(いのちこい ねがい)



性別:女性



特殊能力:『希石(こいねがういし)』

常時発動。叶の「死にたくない」という意志に比例して、自らが持つ武器の殺傷能力が上がっていく。



キャラクター設定:

落ち着いた物腰の淑女。得意分野は華道、茶道、書道、剣道など。希望崎学園の教職員であり、担当は国語。また、「大和撫子部」顧問も勤める。

武器として常に日本刀を腰に携えている。希望崎では「防戦において彼女の右に出る者はいない」とまで言われる実力者だが、それは剣技はもとより、逆境での発想力、応用力を指しての言葉である。



※命乞いとは

敢えて自らを敵よりも下位に置くことで自らを奮い立たせる儀式。また、命乞い家はその力を研究する一族として知られる。

現在のところ、科学的な根拠は証明されていない。



相手を倒したい理由:

希望崎学園を守るため。

藁家さんのキャラ

名前 佐草 健次

性別 男

設定 甲子園に出るために日々努力する高校球児。「肩に爆弾を抱える」という慣用表現を字義通りに理解していたために能力に目覚めた。頭が悪いわけではないが、国語は苦手。ポジションはピッチャー。

戦う理由 練習の一環

能力名 関節爆弾
肩、肘、膝の六つの関節にかかった負担を爆弾に変換する能力。
関節に一定以上の負担がかかることで自動発動し、肉体的負荷の代わりに、負担がかかった部位に爆弾が付着する。爆弾は取り外しが可能で、かかった負担に応じてその重量が増え、威力も上がる。
爆弾の起動条件は、爆弾が付着しているか、取り外されているかで異なる。取り外さなかった場合は、肩への負担が一定に達したときに爆発する。取り外した場合は、負担が限度を越える、爆弾に衝撃が与えられる、彼が爆破を望む、のどれかを満たすことで爆発する。
爆弾の数は各部位に一つずつであり、各部位に対応する爆弾が爆発しない限り新たな爆弾は精製されない。


不良債権さんのキャラ

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