第4話 プールサイドに水は滴る
文字数 786文字
三限目の体育の授業がプールでの水泳になってしまった。
水泳、苦手なんだがなぁ、と思いつつ授業を受ける。
女子の方を見ると、生徒会長の斎藤めあとその親友である杜若水姫が泳ぎで無双していた。
自分の泳ぎに戻ってじゃばじゃば水泳を楽しんで、プールからプールサイドに立ち上がろう、としたところに、おれの顔面へビーチボールが激突した。
顔面にビーチボールを喰らったおれはプールに沈没した。
飛び跳ねるようにプールのなかで起きると、
「ごめんごめん、にゃっは」
と、杜若水姫が手を後ろにやって笑っている。
「ごめんじゃないよ、水姫」
「萌木、ボール返して」
「はいよ」
ボールをバレーのようにサーブで返すと、水姫はプールサイドでトスをする。
そのボールを受け取った斎藤めあがアタックを、思い切りおれの方に飛ばす。
また顔面にボールがぶつかったおれは、またもやプールに沈む。
また起き上がって、おれは言う。
「おれで遊ぶな」
「にゃはは。萌木、こわーい」
と、水姫。
「軟弱ね、萌木」
と、めあ。
「さっきまで泳ぎで無双していたかと思ったらビーチバレーか」
と、おれはあきれる。
「あがってきなさいよ、萌木。あんたも、いないよりはマシだから」
ツンデレ風に言っているめあだが、おれとしても高校最後の夏の体育くらい、楽しくしようとは思うのだ。
ビーチボールを持ってプールから上がる。
プールサイドに水が滴る。
「愛や恋もいいが、こんな風に接するのも、まあ、あいつらにはいいだろう。どのみち相手にされそうにもないし、な」
「遅いぞ萌木ぃー!」
水姫が言う。
「はいはい」
おれはゆっくりと立ち上がって。アンダーサーブをする。
ぽーん、とビーチボールが打ち上がる。
見上げると、太陽の光でビーチボールから影が出来る。
プールサイドで恋心を語るのもいいが、ビーチバレーをするのがおれたちにはお似合いだ。
そう思った。
水泳、苦手なんだがなぁ、と思いつつ授業を受ける。
女子の方を見ると、生徒会長の斎藤めあとその親友である杜若水姫が泳ぎで無双していた。
自分の泳ぎに戻ってじゃばじゃば水泳を楽しんで、プールからプールサイドに立ち上がろう、としたところに、おれの顔面へビーチボールが激突した。
顔面にビーチボールを喰らったおれはプールに沈没した。
飛び跳ねるようにプールのなかで起きると、
「ごめんごめん、にゃっは」
と、杜若水姫が手を後ろにやって笑っている。
「ごめんじゃないよ、水姫」
「萌木、ボール返して」
「はいよ」
ボールをバレーのようにサーブで返すと、水姫はプールサイドでトスをする。
そのボールを受け取った斎藤めあがアタックを、思い切りおれの方に飛ばす。
また顔面にボールがぶつかったおれは、またもやプールに沈む。
また起き上がって、おれは言う。
「おれで遊ぶな」
「にゃはは。萌木、こわーい」
と、水姫。
「軟弱ね、萌木」
と、めあ。
「さっきまで泳ぎで無双していたかと思ったらビーチバレーか」
と、おれはあきれる。
「あがってきなさいよ、萌木。あんたも、いないよりはマシだから」
ツンデレ風に言っているめあだが、おれとしても高校最後の夏の体育くらい、楽しくしようとは思うのだ。
ビーチボールを持ってプールから上がる。
プールサイドに水が滴る。
「愛や恋もいいが、こんな風に接するのも、まあ、あいつらにはいいだろう。どのみち相手にされそうにもないし、な」
「遅いぞ萌木ぃー!」
水姫が言う。
「はいはい」
おれはゆっくりと立ち上がって。アンダーサーブをする。
ぽーん、とビーチボールが打ち上がる。
見上げると、太陽の光でビーチボールから影が出来る。
プールサイドで恋心を語るのもいいが、ビーチバレーをするのがおれたちにはお似合いだ。
そう思った。