2021/07/03

文字数 3,595文字

 9時過ぎに起床しました。
 人を殺して逮捕される夢を見て最悪の目覚めです。かなり生々しかったので書いてみます。
 家族と一緒に泊まっているホテルで、自分は従業員の女性を二人殺しました。一人目は何故殺したのかあまり覚えていないのですが、二人目は口封じのために殺しました。夢は二人目を殺している最中から始まりました。女性の鼻と口を手で押さえつけて窒息死させようとしていました。すでに一人目の殺人でホテルは騒がしく、この女性が死んだらすぐに逃げようと考えていました。微かに抵抗する女性の鼻と口を押さえている最中は何故だかこのまま逃げてそれなりに幸せな日々を送れると楽観的に考えていて、殺人によってこれまで積み重ねてきたもの全てを失い、今後絶対に幸せにはなれないと気付いたのは女性が死んだ後でした。
 自分はすぐに逃げようとしました。逃げたら自分に疑いがかかって家族に迷惑がかかると思いつつも、一方で疑われず家族に迷惑をかけない可能性があるのはこの方法しかないと思いました。しかしホテルの出口で自分の靴が見つからず、探していたら母が刑事を伴ってやってきました。一人目の殺人で緊張した空気の中、母は自分の慌ただしい様子を見て全て察していたようでした。自分は泣き出してしまいました。後悔と申し訳なさでいっぱいになりました。母はただ自分に大丈夫、これから一緒に頑張っていこうと言ってくれました。こんなどこまでも優しくて自分の味方でいてくれるというイメージを自分は母に持っているのかもしれません。
 人生で初めて手錠をかけられました。左手だけに手錠をかけられ、刑事に導かれる形でホテルの中を歩きます。後から思うとどういう目的でわざわざホテルの中を回らされたのか分かりません。その刑事はだらしなくて多分汚いことにも手をつけているような悪い刑事でした。何かの手間を省こうとしたような気がします。
 ホテルの中を回っているとまず父と出会いました。父は自分に面白いテレビがやってるぞと笑顔で呼びかけ、自分の事情に気付かないままテレビを見始めてしまいました。それに少しイラっとした自分は父に呼びかけますが、3、4回叫んで呼びかけても父は聞こえてないらしくこっちをみません。やっと気づいてこっちを見た父に自分は左手の手錠を示して、こういうことだと伝えました。呑気そうな父の顔は一変し、なんでそんなことしたと低く、叱るように呟きました。自分は父に対してはもう当てにならないというイメージを持っているのかもしれません。
 次に姉と出会いました。姉もまず自分の状況に気づかず笑顔で自分と接してきます。姉に対しても自分は左手の手錠を示して、ごめん、こういうことだと言いました。姉はひどくショックを受けたようで、なんでそんなことをしたとかぼそく呟きました。自分はただごめんと呟きながらその場を後にしました。少しずつこれまでの人生が終わっていっているのを感じました。こういう描写から姉と父は自分の悩みとか異変を察せられないと自分は思っているのかもしれないと推測されます。
 連れて行かれた先ではチラシの山が五つ並んでいて、当時自分はこのチラシをどのように取ったかと聞かれました。その取り方を確認して多分指紋とかが証拠になるのだと思いました。事件当日どんな感じでチラシを取ったか思い出そうとしていると、そもそも何故自分は殺したのか考え始めました。一人目については端的にいえば衝動でした。何か具体的な理由があったのではありません。しかしその衝動が具体的にどのような感情の発露だったか、例えば怒りか悲しみか、また何故そのような感情を抱くに至ったのかを、考えても全く分かりませんでした。あの時自分はどんな気持ちで一人目の女性を殺していたのか検討がつきません。殺したいとすら思っておらずただそぞろな気持ちで女性の首を絞めていたことだけを薄ら記憶していました。欲求不満が原因なのか、それともこの世界が嫌でたまらなくなり、他人を殺すことで世界を壊そうとしたのか。とにかく動機は孤独により肥大化した自己意識が勝手に生み出した悩みに由来するということは何となく推測できました。自分は刑事にそういうことを辿々しい口調で話し始めました。万事にイライラしたとか、全てが嫌になったとか、刑事の対し何とか自分の殺人の理由を説明して、それが善悪を抜きにして筋の通ったものだと理解してもらうとしました。しかし形而上学的なことに全く無関心なその刑事は具体的な動機もないのに殺すなどけしからん、と一瞥しました。それを聞いて確かにと思いました。殺した女性にも家族がいて、現実的に価値がある存在だった。それを自分は現実に存在しない、虚無的な動機で滅ぼしたのだと、全く愚かで許されないことをしたと思いました。しかし一方で殺された当人たちに対する罪悪感はあまりありませんでした。夢の中であくまで殺人という設定のための存在としてあるためなのかもしれませんが、その女性の声も顔も覚えておらず、自分と同じように生きてきた一人の人間だという実感が湧きませんでした。まるでニュースを見ているかのように、女性達はこの世界で大いに起こり得る意味の無い不幸に可哀想なことに遭遇しただけなのだと考えていました。
 またホテルを回っている内に友達と出会いました。その友達には一人目の殺人の後、面と向かって自分は殺していないと嘘をついた相手でした。その友達はすぐに手錠に気付き、何故そんなことをしたと叱りました。しかしその言葉には自分の悩みに気付いてやれなかったことへの後悔みたいなものも感じて、すごく申し訳なく思いました。具体的に説明出来ない経緯で殺人を犯したのが余計に申し訳なかったです。
 その後刑事にホテルの中を連れ回されますが、その刑事は行く先々で誰かと談笑したり職務を外れてサボったりなどして、中々自分を署に連行しようとしません。自分はその様子を観て、この暢気さ、適当さは罪を犯してない者の特権だと気付きました。罪を犯した人間はその後の人生を正しく振る舞うことを強いられる、それはとても辛いことで、あのように適当に生きられることにどれだけの価値があったかと、また後悔しました。
 それからは多分別の気楽でカオスな夢が変な繋がり方をして始まったのでここで夢日記は終わります。起きた瞬間めちゃくちゃ安心しました。これからどう人生を生きていくか、刑務所はどのようなものかなど考えて覚悟を決めようとしていたので、目覚めてそのような問題は無いと知っておもわず良かったと独り言を発しました。
 自分の身近な人に対するイメージや殺人者の目線を知ることが出来た気がします。自分の人生の全てを絶望と他者からの無限の否定に突き落として、それでいて絶対的に不可逆的な殺人の恐ろしさを身をもって感じました。色々なことに疲れて嫌気がさした時に、目の前の人混みをまるでボウリングのピンを倒すように、ゲームのような感覚で車に乗って突っ切って薙ぎ倒していくと言った想像をしたことがありますが、いくら理性が耗弱してもこの恐怖を覚えていれば、やけにならずこんなことを実行に移すことはなさそうだと思いました。
 起きて朝食を取りながらアニメ鑑賞。転生したらスライムだった件を観ました。基本ストレスなく観られるのが良いです。しかし転生周りの設定は少し闇があり、興味深いです。
 その後帰宅して昼飯。少し昼寝してからはリビングで録画してあるバラエティ番組を見て過ごしました。気づけば溜まっているものです。家族と笑えていい時間でした。
 そのあとは父が昔買ったカメラの使い方について調べてました。父はかつてロードバイクにハマっていて、その時にヘルメットにつけるカメラを買っていたのですが、しばらく時が経ちキャンプの動画撮影にいざ使おうとした際使い方が分からなくなり、それを調べるのに姉含めて大いに時間を要しました。古いSDカードに昔の写真などあったりして懐かしさに浸れたのは楽しかったです。
 結局使えなかった原因は自分がsdカードを反対に入れていたと知った時は愕然としましたが、無事使うようになれました。これからこの動画も編集しなければならないのかと思うと少し億劫ですが、楽しみがあるのは良いことです。父が元気そうなのは嬉しいです。
 その後夕食を済ませてから少しジョギングに行きました。明日ちょっと作ってみたい料理があり、その買い出しがてら走りました。少し小雨が降ってましたがそれも気持ちよかったです。帰ってからすぐに入浴。少し涼んでから借りた部屋に。今日1日はまあ楽しく過ごせました。明日は通勤定期を買いがてらどこかには行きたいのですがいまいち迷っています。どうしようか。

 ここまで見てくださってありがとうございました。
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