禁断の不倫

文字数 3,436文字

「ねぇ、もっとしようよぉ~」
「これ以上は深入りのしすぎだ。お前、どさくさに紛れてキスまでしようとしただろ。前も行ったけど、キスは恋人にしかしないって俺は決めてるから」
「あら?私は結構本気になっちゃってるんだけど」
「巫山戯るな。俺にとって本命は一人しか居ない」
「ちぇ~、ケチ~」
「とりあえず、今日はここでお開きにしよう。ただでさえ仕事で疲れてるんだ」
「でも、気持ちよかったでしょ?」
「まぁ、な。じゃなきゃお前と会う理由はないしな」
「まぁ、まだいいわよ。身体目的でも。でも、少しは私のことも考えてね」
「無理だな。俺は結構一途なんだ」
「なのに身体は許しちゃうわけね?」
「そこにどれだけの愛情があるかが問題だと俺は思ってる」
「愛情……ね……まぁ、良いわ。何時か必ず振り向かせて、あ・げ・る!」
「振り向くことはないから心配するな」
「もぅ、本当にイケズなんだからぁ~」
「とりあえず、時間もそろそろだし、ここから出るか。っと、その前にシャワー浴びてくる。因みに今日は俺から先に出るからな」
「は~い。行ってらっしゃい」

 暫くして、俺はシャワーを浴びて、着替えて此処を出る。

「それじゃあ、俺は家に帰る」
「わかったわ。じゃあ、またね?連絡待ってるわ」
「ああ」


―――――


 本当にイケズなんだから。彼ってば。私が貴方にどれだけ夢中になってるかも知らないで。本当に罪な人。でも、そこが燃えるのよねぇ~、いいえ、萌えるのよねぇ~

「まぁ、良いわ。ここにいつまで居ても意味がないから、私も出ましょう。私のお仕事は今からだしね!あっ、その前にメイクメイク」

 肌の状態を確認して、メイクをする。やはりメイクは心地いい。心が楽しくなってくる。

「さてと!今日もお仕事お仕事!彼のためにも頑張るわ!」


―――――


「ただいま~」
「あら?おかえり」
「おっ、帰ってたのか?」
「ええ、貴方は随分遅かったのね?」
「何時も通り残業だよ」
「残業も程々にね?」
「ああ」

 俺は着替えをして、洗濯機にシャツや下着を入れて、シャワーを浴びる。まぁ、さっきもシャワーを浴びてから出てきたわけだが。
 シャワーを浴び、さっぱりして出てくると、今日洗ったであろう衣類が畳んで置いてあった。俺はこういう細やかなところにも惹かれたんだなと改めて思う。

「服、ありがとうな」
「ううん、気にしなくていいのよ。貴方は会社で稼いて……私ってばこれくらいしかやること出来ないから」
「それは、俺が仕事をしなくて良いって言ったからだろ?気にするな」
「……そうね、ありがとう……所で、どこか海外に拠点を移さない?」
「またその話か?もう少し金が溜まってからだな」
「そう、最近私不安でしょうがないのよ」
「不安って?」
「別に貴方を疑ってるわけじゃないんだけどね……胸騒ぎがするの」
「はぁ~、最近そればっかだな」
「ねぇ、良いでしょ?不安を消してよ?」
「ああ、わかった。とりあえず、ベッドに行こうか」
「ありがとう」


―――――


 はぁ~今日も仕事は終わり!太陽が黄色いわ!頭が少しガンガンする。でも気にしない!次に愛しの彼に会えるのは何時なのかしら?私はそれが待ち遠しくてしょうがない……でも、最近本当に彼の事好きで堪らないのよね~。一回彼の家に行っちゃおうかしら?彼のパートナーが居ない時にヤるのもスリルがあって良いかもしれないわね~

「ドキドキしてきたわ~!今からでも連絡しちゃおっ!」

 私は彼にメールした。電話が来るのが待ち遠しいわ~


―――――


 私がそれを見つけたのは偶然だった。朝起きて、朝食を作りにベッドを抜け出した時、彼のスマホからメールの着信音がした。最初は仕事関係かと思ったけど、それにしてはこの時間に掛けてくるのはオカシイ。直感が働き、そのメールを見る。彼の暗証番号?知らないわけ無いでしょ。
 内容はこうだった。

「昨日は楽しかったわ~♪もう会えなくて寂しいからメールしちゃった(*ノω・*)テヘ 良いこと思いついたから電話ちょうだい!待ってるわ♪」

 ココ最近のざわつきはこれか!直感でそう思った。そこからの行動は早かった。


―――――


「お疲れ様です。今日はちょっと色々あるので、お先に失礼します!」

 職場から出ると、真っ先に家に戻った。そして、あいつが思いついた作戦のために、俺は遊園地のチケットを入手する。そして、家に帰って伝えた。

「なぁ、今日同僚から貰ったんだけど、遊園地のチケット。一緒に行かないか?」
「ええ、良いわよ?」
「今度の日曜日、久々に休暇が取れたから、その日でどう?」
「そうしましょ!貴方も最近働いてばかりだから」
「すまんな。という訳で今度の日曜日は楽しもう!」
「ええ!」

 こうして、無事伝えることが出来た。だが、これが最悪の展開への幕開けだったとも知らずに。


―――――


「うわぁ~、此処来たかったんだ!」
「そうか、それなら良かった」
「ありがとうね!」
「気にするな。貰い物だ」
「そうだけどさ、そういう気遣いのこと!」
「そう真っ向から言われると照れるな」
「照れなくていいじゃん!事実なんだし!」
「そうか?まぁ、今日はゆっくり楽しも……ちょっとまってくれ。電話が入った」

 俺は電話が入ったふりをして、話を勝手に進めていく。

「ああ……ああ……何!ちょっと待て、それは部長の指示を仰がないと……ああ、ああ。わかった。とりあえず、今から向かうから待ってろ」

 そう言って電話を切ったふりをする。

「電話、会社から?」
「ああ、言いづらいが、急な仕事が出来てしまった。すまん。とりあえず、俺は急いで会社に行く。私服だがしょうがない。とりあえず、出社する」
「わかったわ」
「悪いが、一人で楽しんでくれ」
「うん。貴方が大黒柱だものね。今日は一緒に楽しみたかったけど、私一人で遊んでくるね?」

 俺は何とも言えぬ違和感を感じたが、押し殺し、そのまま別れを告げ「家」に帰った。


―――――


 此処が彼の家……念願の彼の家、どうしよう!ドキドキが止まらない!メイクもバッチリ!これから彼の部屋で……うふふ、ちょっと興奮してきたわ


―――――


「済まない。待たせた」
「いえ、いいのよ!何時までだって待ってあげる!」
「とりあえず、中に入ろう」

 俺は家の中へと入るように促し、自分も家に入る。それを捉える目があるとも知らずに。


―――――


 やっぱり浮気してたのね……されると結構悲しいものね。彼と絆が確かにあったと思ったんだけど……本当に残念で仕方がないわ。さてと、そろそろヤッてる頃だろうし、乗り込みますか。まさか私が修羅場を経験するとは思わなかったわ。


―――――


 俺たちは世間話もせず、部屋へと向かった。何時も二人で寝る部屋。そこで運動会が始まった。その瞬間。


「あなたぁ~!!!」


 聞き覚えのある声が聞こえてくる。とっさに俺は後ろを振り向いた。そこには般若の面の形相の彼氏が居た。

「え?何?何?」
「貴方ね!浮気相手は!」
「ちょ、ちょっと待て、話し合おう!」

 修羅場、俺はいい言い訳も思いつかない。というか、この状況でいい言い訳を思いつけるやつが居たら尊敬する。

「貴様か!俺の彼氏を奪ったのは!」
「あら?貴方が彼の彼氏?」

 二人はものすごい気迫で相対する。片方は全裸で。

「おい、二人共落ち着いて」
「「貴方は黙ってなさい」」

 気圧された。

「譲れないものがあるのよ」
「そう、漢同士きっちり決着をつけないといけないのよ!」

 俺はこの仁義なき戦いを見守ることしか出来なかった。だって、俺、攻めの割にはヒョロくて、二人共ボディービルダー並に筋肉質なんだもん。


 その後、ガチムチレスリングは夜中まで続いた。そして、どうしてそうなったのかわからないが、3Pに突入していた。因みに二人が攻めで俺が受け。

「ちょ、ちょっと休憩しようよ。ね?落ち着いて?頼むから!」
「いいえ、駄目よ。まだお仕置きが足りないわ」
「あら、奇遇ね。私もそう思っていたところなのよ」
「頼むからもう勘弁してくれ!」
「「いいえ!貴方はまだまだ許してあげないわ!!!」」
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